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【鑑賞記録】Lines —意識を流れに合わせる @金沢21世紀美術館
こんにちは。Yukaです。
先日、金沢21世紀美術館の特別展「Lines —意識を流れに合わせる」に行ってきました。
「線」は成長と移動の軌跡であり、アーティストがこの世界をどのように捉え、世界の創造にどのようにかかわっているのかを「線」を手がかりに考える、という趣旨の展示です。「よく分からん!難しかった!」というのが、鑑賞直後の正直な感想でしたが、気になった作品について調べたり考えたりすることで見えてきたことを記事にまとめてみました。
ジュディ・ワトソン《グレートアーテジアン盆地の泉、湾(泉、水)》
藍色が印象的な作品です。私は青色が好きなので、今回一番楽しみにしていた作品でもあります。展示室内には赤色の作品が多かったので、本作品の色味がよく映えていました。グレートアーテジアン盆地はオーストラリアにある世界最大の鑽井盆地で、地面を掘ると塩分を多く含む地下水が湧いてくるのだそうです。オーストラリア北部のカーペンタリア湾に流れ込む地下水や水が自噴しているポイントをしるした地図をイメージした作品のようで、左下には凡例のような記述もありました。作者はオーストラリア先住民の末裔なので、作品のテーマであるグレートアーテジアン盆地は作者のルーツといえる場所なのでしょう。
マーク・マンダース《2色のコンポジション》
「コンポジション」といえば、モンドリアンやカンディンスキーが思い浮かびます。しかし、あちらは色彩豊かで明るい印象を与えるのに対して、本作品はトーンが微妙に異なるだけの2つの黄色(しかも、どちらの色も彩度低め)が使われており、どことなく暗い印象がありました。他の作品を見てもこの黄色が使われており、作者にとって何か意味を持つ色なのでしょう。黄色が持つ明るいイメージとは裏腹の不穏な雰囲気を感じる作品でした。
最後に
国境のように一つのものを分断する線や、自身のルーツのように複数のものをつなげる線など、一口に「線」といっても真逆の意味を持てるということに気づきました。そして、私自身も人生という「線」の上を歩いており、その「線」はより先の未来に向かって伸びていると同時に、いわゆる「人生の節目」や「ターニングポイント」によって区切られるとも言えるのではないでしょうか。