アルカロイドのお話
おはようございます。
アロマ大好き看護師の加々美です。
本日は、アルカロイドについて
お話したいと思います。
アルカロイドと聞いて
あなたはどんなことを
頭の中で想像しましたか?
そもそもアルカロイドとは?
そんな風に思った方も
多いと思います。
看護師として
アロマテラピーを学ぶものとして
アルカロイドは
知っておくべきことと感じています。
なので、ぜひアルカロイドのことを
少し知っておいて欲しいと思います。
アルカロイドとは
植物由来の窒素を含む
アルカリ性を示し
強い生物活性を有する化合物です。
アルカロイドで有名なのは、
モルヒネやコカイン、
アトロピンやソラニンなどが
上げられます。
医療従事者の方なら
一度は耳にしたことがある
薬剤の名前が挙げられていますよね。
アルカロイドでも
また細分化されるのですが、
まずは大枠として
捉えて欲しいです。
モルヒネやコカインは麻薬として知られ、
モルヒネはケシから採取されたアヘンより作られます。モルヒネは医療界においてはガン性疼痛の緩和に使用されます。
コカインはコカの葉から作られます。医療界においては局所麻酔薬として使用されています。
アトロピンはベラドンナという植物から
発見されています。
全草に毒性がありますが、
特に根や根茎に強い毒性を持っています。
かつて、ベネチアの夫人が
ベラドンナの葉の汁を瞳に点眼すると
瞳が大きく見せられるとして使用していたと言われています。
このことから、女性がいつまでも美しくいたい想いは
どんなに時代が変わっても不変なのだと感じました。
瞳が大きくなる=散瞳
日本人で言えば、瞳の中心部が大きく広がることを指します。
瞳の中心部の黒目が4㎜以上になったものを散瞳と呼んでいます。
散瞳するのは
副交感神経が遮断されているためです。
通常では暗闇にいると瞳孔は拡大し、
眩しい状況下だと瞳孔は収縮します。
瞳の中心部の黒目の部分を瞳孔と呼び、
瞳孔の大きさを調節しているのは
虹彩の瞳孔括約筋と瞳孔散大筋によるものです。
瞳孔括約筋は円形で副交感神経の刺激を受け、
瞳孔散大筋は放射状で交感神経の刺激を受けます。
アトロピンはムスカリンアセチルコリン受容体を遮断することで
副交感神経の働きを抑えます。
アセチルコリンは副交感神経の神経伝達物質のため
瞳孔括約筋は副交感神経の刺激で収縮します。
よって、アトロピンは抗コリン作用のある
副交感神経の働きを抑えることで
瞳孔括約筋を緩ませて
散大させるというメカニズム。
実はアトロピンは
かつて大活躍したお薬でもあります。
それは
「地下鉄サリン事件」
1995年
現在の東京メトロ内に地下鉄車両内において
オウム真理教の信者らによって
神経ガスのサリンが散布された
同時多発テロ事件。
このサリンの治療に
アトロピンは使用されました。
サリンとは有機リン化合物です。
有機リン化合物とは炭素とリンが結合している有機化合物の総称で
リンは窒素と同じく第15族元素。
神経系や呼吸器に対して毒性が強いです。
サリンはアセチルコリンと似たような構造を持ち、
アセチルコリンを分解するアセチルコリンエステラーゼの無力化し
アセチルコリンの分解を阻害し
神経伝達をマヒさせてしまう恐ろしいものです。
サリンの作用に拮抗したのがアトロピン。
こうやって書いてみると、アルカロイドとは恐ろしい成分でありつつも現代の医療に必要なもので、
役立つものも多いです。
精油もそうですが、
どんなものにも
用法用量があって、
使い方を誤ってはならないと感じました。
最後まで読んで下さり
ありがとうございます。