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【絵本紹介】友だち・仲間がテーマのおすすめは?~「絵本のお話会」で紹介された絵本から~


友人たちと月に一回、オンラインで「絵本のお話会」という集まりをしています。
その月のお世話役さんが決めたテーマの絵本を持ちよって、おすすめポイントやその絵本にまつわるエピソードをお話する会です。


一時間の会ですが、それがあっという間に感じられるくらい楽しく豊かな時間です。
知らない絵本に出合う
その人の絵本の背景を知る
絵本の可能性を見つける
いろんなことが自分の中で起きる一時間です(*^^*)


今回は、先日開催した9月の会で紹介された「友だち・仲間」がテーマの絵本をご紹介します。




■ぐりとぐら(なかがわ りえこ 著  おおむら ゆりこ イラスト  福音館書店)


言わずと知れた、日本が誇るロングセラー絵本です。
子どもの頃に読んでもらった、自分で読んだ人だけでなく、読んでないけど表紙の絵は見たことがある人も多いことでしょう。


のねずみのぐりとぐらが出会ういろんなエピソードが、何冊ものシリーズになって出版されています。


これを紹介してくれたちかちゃんは、絵本選びの際に、おうちでお子さんと「どういう状態になったら友だちなんだろうね?」という話になったそうです(^^;)


なるほどー、そこまでさかのぼって考えるだなんて。
集まったメンバーでふむふむと考えたのでした。


そうそう、『ぐりとぐら』でいえば、ぐりとぐらって、友だち?という声もあって(笑)
そういえば「友だち」って記述はないんですよね。
友だち説、きょうだい説、ふたご説……。


と思っていたら、ふたごなんですって!!
福音館書店のサイトに、そう書いてありました(笑)
しかも生まれは1963年。
60年の間に、愛すべきシリーズが8冊も生まれているんです。



そんな、サイドストーリーを知るのも楽しい絵本です。



ぐりとぐらをもっと知りたい方は、福音館書店のこのページへ(*^^*)



■「いろ」カメレオンのえんぴつ(石倉ヒロユキ 著  コクヨ)


なんと、文具メーカーのコクヨが絵本を出していたんですね。知らなかったです。
「文具絵本」というだけあって、塗り絵と7色の色鉛筆がついていて、「読む」以外の楽しみもあるそうですよ。


「カメレオン」って、身近にいるわけじゃないけど絵本界ではまあまあ登場する動物です。
体の色が変幻自在っていうイメージが、楽しいですよね。


この絵本では、カメレオンはお腹を空かせていて、相手に近づくために自分の色を色鉛筆でぬるんです。
勝手に色が変わるんじゃなくて、自分で必死にぬるなんて、ちょっと笑える楽しいストーリーですね。


絵本を紹介してくれたちかちゃんによると、カメレオンが自分で色を塗るのを見て、子どもたちも「やってみたい」「いいなあ」というキモチになるようで。
そんなふうに自分がやってみたい、模倣したい、そんな想像が膨らむものを与えることが、子どもたちの次への行動につながるんじゃないかという話でした。
ふむふむなるほどー。


絵本のストーリーだけでなく、受け取った子どもたちのことも考えられる、そんな絵本紹介でした。




■ともだちほしいなおおかみくん(さくらともこ 作  いもとようこ 絵  岩崎書店)


おおかみといえば、絵本界では悪役になることが多いのでは?と思います。
子どもの頃に読んだ「おおかみと少年」のお話も、おおかみが来た!=恐ろしいものがやってくる、という前提でのお話です。


もっともその「おおかみ=恐ろしいもの、危害を及ぼすもの」というイメージを逆手に取って、おおかみがどちらかというと間抜けな役に回るお話もあります。


さてこの絵本のおおかみくんは、タイトルの通り「友だちがほしいな」と思っています。
ほんとうはさみしがりやで、やさしいんです。
でも森の動物たちは、おおかみは恐ろしいものだと思っているので、こわがって遊んでくれません。
おおかみくんに友だちはできるのでしょうか?
……というお話です。


この絵本について話す中で
「おおかみ=こわい」というイメージがあるけど、そういうイメージを子どもたちにつけたのは誰?
という話題になりました。
そのイメージのために、先入観で仲よくしてもらえない、見た目で判断されてしまう、そんなことがあるよね、と。


今の世の中、インクルーシブ、多様性という言葉も一般化してきたのですが、それなら「最初から色眼鏡を持たせない」ということも大事なのでは?という声がありました。
なるほどね。
社会のバイアスって、いつ誰につけられたのかも自覚しないうちに生まれてしまうこともあるので、これは考えさせられました。


いもとようこさんの絵って、やさしくて温かくて、根っからの悪者なんていない、そんな感じを受けるなあと思っています。
おおかみだけどこわくない。
そんな主張があるように思うのでした。




■アルド・わたしだけのひみつのともだち(ジョン・バーニンガム 作  たにかわしゅんたろう 訳  ほるぷ出版)


これを紹介したのは私です。
わが子がまだ未就学か小学校低学年かという頃に、当時仲よくさせてもらっていたほるぷ出版の販売員さんからプレゼントしてもらった一冊です。


アルドはわたしの友だち。
アルドはいつも一緒にいてくれる。
でも、他の人にはアルドは見えない。
そんな、心の中の大切な友だち。


当時の長女にはどういういきさつからか忘れましたが、空想の友だちがいました(^^;)
長女はその友だちにちゃんと名前をつけていて(自分がつけたという自覚はなかったようでしたが)、家族にも聞こえる声でお話をしていることがありました。
出かけていて帰宅すると、だれもいない家の中に入って「○○くん、ただいまー」と言っていました。


そんな空想の友だちがいるからって、リアルの世界で別に友だちがいないわけじゃなかったんです。
むしろ反対で、友だち関係で悩むことのない子だったんですよね。


でも、空想の(本人は空想だと思ってなかったようですが)友だちも大事で、この絵本も気に入っていました。
そんな、思い出のある一冊です。



■ワタルがわらった(アトリエ UNO    新風舎)


桜の花に囲まれた学校にいた、4人の男の子。
体を動かすのは得意でない彼らに、先生は「右脳クラブ」を作ります。
「体を動かすのが苦手なら、頭を使えばいい」
そんなクラブでそれぞれが得意なことで活躍し始めるのですが、一人だけ、話もできず、手足も動かない子がいました。
ワタルです。
だれもワタルが笑っているのを見たことがありません。

右脳クラブの3人は、ワタルのことを気にするうちに、いつの間にか「ワタルを笑わせること」が右脳クラブの目的になっていきました。
さて、そんな中、文化祭でかっこいいヒーローを考えることになって……。


今回のお話会で、私にいちばん刺さった絵本です(*^^*)


この絵本を紹介してくれたのは、ごんちゃん。
何とこのお話は実話で、ごんちゃんがかつて勤めていた特別支援学校でのエピソードを、当時の教員が絵本にして残したものだそうなんです。
この絵本に登場するヒーロー「さくらンダー」が誕生して、もう25年になるのだとか。


たった一人の友だちのことを思って、同じように障がいを持つ子たちが行動する。
友だちを思う気持ちと行動に、障がいがあるとかないとかは関係ない。
ヒーローは特別かっこいい強い人じゃなくてもよくて、彼らがそもそもヒーローなんだ。
それ以外にも、いろんなことを考えさせられる絵本です。


残念ながらもう品切れで手に入らないようです。
もう20年以上経つお話だけど、ぜひ図書館やユーズドで手に入れて読んでみてほしいなあと思います。






今回の「絵本についてお話ししましょう」の会を開催するきっかけになったお話は、こちら(*^^*)


やってみたよ、というお話は、こちら


一緒に開催した、ごんちゃんの記事はこちら


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