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「目の前の人を幸せにする」人に出逢うホテルステイ



「目の前の人を幸せにするにはどうすればいい?」


これは、質問家マツダミヒロさんに教えてもらった問いです。


世界中みんなを幸せにしてやるぜ!ではなく、まずは目の前の人、身近な人を大切にする。
それにはどうしたらいいだろう?

そんなことを日々考えて、相手を幸せにしている人のお話をシェアしますね。


舞台は、私が大好きなホテル、リッツ・カールトン沖縄です。



■ゴーヤのドリンクの変遷


リッツ・カールトン沖縄の朝食会場にあるドリンクで、私が気に入っていたのが「ゴーヤとパイナップルのジュース」でした。


いえ、特にゴーヤ好きというわけではないんです。
大阪でわざわざゴーヤのドリンクを飲むことはありません。
でも、リッツ・カールトン沖縄のは、牛乳ビンのようなかわいい容器に入っていて、飲んでも程よい苦味と爽やかさが夏っぽくて、気に入っていました。


それがいつの間にか置かれなくなっていました。
残念に思って
「ゴーヤとパイナップルのジュースはありませんか?」
と尋ねると、
「しばらくお待ちください」
と、後から持ってきてくださることもありました。


それが続いたからか、ある時
「以前のとは違うかもしれませんが」
と、わざわざゴーヤのジュースを作って席に持ってきてくださるようになったのです!


ええ、ブッフェの中にはないものです。
完全オリジナル。
メニューにはありません。


もう、感激でした。


どうやら「ゴーヤのジュース」の決まったレシピはないようで、作る人が変わるとレシピも変わり、滞在のたびにお味や仕上がりが違っていました。
ジュースではなくスムージーになっていたり、バナナ感の強いものになっていたり。
出していただけるだけで満足、というのもあって、その時その時のお味を楽しんでいました。


そんなことが3年近く続き、今回、ついに、作ってくださっている方とお会いすることができたのです。

■一杯の背景を知る


2023年7月に家族で宿泊した時のことです。
朝食の終わり頃に一人のコック姿の若者がやってきました。


「ゴーヤのドリンク、自分が作らせてもらったんですけどお味はいかがですか?」


おお!
作ってくださってる方と、直接お会いできるなんて!


滅多にないことに私は感激し、ジュースのお礼を伝えました。
その若いコックさん(という呼称がいいのかどうかは別にして)はお名前を「ハスキ」さんといい、リッツ・カールトンで働き始めてまだ半年も経っていないということでした。


このジュースを作ってくださった背景もお聞きすることができました。


「キッチンで、なかたにさまにお出しするゴーヤドリンクの話になって、『それ自分にやらせてください』って言って、作らせてもらったんです」
「夏だから、柑橘系の果物を使って、爽やかな味にしてみました」
「(過去のドリンクだとゴーヤが沈殿していたけど?の問いに)沈殿してしまわないように、いったん濾して作ってあるんです」


そんな話を聞いて、なるほど、この一杯になるまでには、こんな工夫や思いが詰まってるんだと改めて感激したのでした。


ひとしきりお話した後、ハスキさんはなんと!
すてきなスイーツのプレートを持ってきてくださったんです!


「目の前の人に喜んでもらいたい」
そんなお心遣いが嬉しくて嬉しくて、単に「スイーツプレートをいただいた」以上の、大きなプレゼントをもらった気持ちになったのでした。

■目の前の人に喜んでもらいたい


それから4ヶ月経った11月。
7月には一緒に沖縄に行けなかった次女と、リッツ・カールトン沖縄に「母娘ホテルステイ」をしました(^^;)


朝食に行くと、案内してくれたスタッフさんが
「ゴーヤのドリンク、お持ちしますね」
と言って、笑顔で持ってきてくださったのが、こちらです。

夏とはまた違う、バナナを感じるドリンクを楽しませてもらったのです。

そしてなんと、今回も若いコックさんがご挨拶に来てくださいました。

ツネヨシさんとおっしゃるその方は、ジュースのご挨拶だけでなく、あとでかわいいスイーツを持ってきてくださいました。
朝食会場にはない、初めて見るスイーツでした。

いえこんな、ドリンク作っていただけるだけでもじゅうぶんなんですけど!
こんなにしていただいてどうしましょう……(と言いながらもちゃっかり写真を撮ってもらいましたが ↓   )


この日、ハスキさんはいらっしゃらないのかと思っていたら、オープンキッチンで、卵料理を担当していらっしゃいました!

ご本人の許可を得て撮影しています

絶賛お仕事中だったわけですが、一言ご挨拶と思って夏のお礼を伝えることができました。


朝食を終えて部屋に戻ってしばらく経った頃、部屋に届けられたものがありました。
それは


ハスキさんからのプレゼントでした!


「目の前の人に喜んでもらいたい」
そんな気持ちがものすごく伝わって、「感激」なんて月並みな表現以上のキモチで、次女と2人、味わったのでした。

■「その人のために」を考える


次の日の朝のゴーヤドリンクは、前日と違ったものになっていました。
ハスキさんとの会話で、7月に出してもらったゴーヤドリンクが、柑橘系の果物が入って爽やかな感じになっているのがよかった、と言ったことを拾ってくださったようでした。

そして翌日、最終日の朝。

見た目、グラスの違いしかわからないのですが、飲んでみると、最終日のドリンクの方が、少し甘さを感じたのです。


この日もハスキさんがいらっしゃったのでそう伝えると、ちょっと嬉しそうな表情をされました。


「今日お帰りということで、旅の疲れもあると思ったので、ちょっと甘さを意識して果物を多めにしました」


なんと!!
そんなことまで考えられていたとは!!!


もう、後ろから一発バシンと叩かれたような衝撃でした。


あの人これがいいって言ってたからその時のレシピでいいやん、じゃなくて、今の状況を考えて作っている、その姿勢にハスキさんの親以上の年齢(たぶんね)である私の方が、学んだのでした。


この日、朝食の最後に、ハスキさんはこんなかわいいスイーツのプレートを持ってきてくださったんです。


「柑橘系の果物がお好きと言ってらっしゃったので、マカロンはシトロンとベリーで」
「クリスマスが近いので、ジンジャー人形のクッキーで甘さを出しました」
という説明に、親子で感激したのは言うまでもありません。


「自分はこのスイーツがいいと思ってるんですよ。ぜひどうぞ」
という「自分が出したいものを出す」ではなくて(もちろんそれがいい時もあると思いますが)
「相手は今何を欲しているか?」が先にあるんだなあと、改めて感じさせられました。


そして書かれていたメッセージは

「またのお帰りをお待ちしています」

でした。



こんなすてきなお仕事をされている人たちに会いに、ぜひまた訪れようと思うのでした。


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今回のお話の舞台、リッツ・カールトン沖縄の「ホテルスタッフのおもてなし」を書いているのはこちら
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