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【絵本紹介】支援学級児童と楽しんだ絵本:その3


支援学級児童と楽しんだ絵本を紹介するシリーズ ←勝手にシリーズ化(^^;)


これまでは「入り込みで教室にいる支援児童に読む」という設定だったのですが、今回は、支援学級の教室で読んだ絵本の紹介です。


私が用意しておいた絵本を読むこともありますが、最近は子どもたちが読んでほしい絵本を本棚から持ってくるので、それを読むことも増えました。
子どもたちがどんな絵本を持ってくるのか、それも私の最近の楽しみです( *´艸`)



■しろくまのパンツ(tupera tupera 作  ブロンズ新社)


しろくまさんが、パンツをなくしてこまっています。
「どこへいったんだろう?」
ねずみさんがいっしょにさがしてくれることになって、二人は出かけます。
「だいじょうぶ、きっとみつかるよ」


しましまのパンツ、花がらのパンツ、へんてこりんなみずたまのパンツ。
いろいろ出合うけど、どれもしろくまさんのじゃない。
さて、しろくまさんのパンツはどこにあるのかな?

・・・・・・・・・・

パンツの柄がちょっと見えているのが楽しい、仕掛け絵本です。
本屋さんでもよく平積みになっているのを見かけます。
ご自身のお子さんに読まれた先生も多いのでは?


支援学級で読むと、子どもたちはすごーく前のめりで聞いていて、読み手の私も楽しめました!


ところが私がつい軽い気持ちで「今日は(みんな)どんなパンツなのかな?」と言ってしまったものだからさあ大変。
そこにいた2人ともうれしそうに立ち上がって、パンツの柄を見せてくれようとして、私の方が慌てて止める一幕が(;'∀')
その時いたのが女子ばっかりでよかった……。


軽い気持ちでいらんことを言うのは慎もうと思った読み聞かせタイムでしたー( 一一)





■10ねこ(岩合光昭 著・写真  福音館書店)


かごに はいって いいきもち 1ねこ
そろって おでかけ 2 ねこ
おかあさん みててね 3ねこ
……。

写真に写っているねこ、ほんとに〇ひきいるのかな?

・・・・・・・・・・

見開き2ページの写真の中から、ねこを見つけて数える。
それだけなんですが、これがなかなか楽しい!

場所もいろいろで、よくまあこんなふうに写真が撮影できるもんだと感心してしまいます。
さすが、動物写真家である岩合さんの絵本です。

支援学級でこの絵本を読むと、子どもたちが絵本をのぞき込んで「いーち、にー、さん……」と数えるのが楽しいのなんの。
6くらいまでは問題ないのですが、7あたりからは一筋縄ではいかなくて、
「6ぴきしかいない!」
「あれ?8ひきいるはずだよね」
と、数え直すのも楽しいです。
子どもたちが頭を寄せ合ってねこを数えている姿もほほえましい(^^)

教室に置いておくと、友だち同士でねこ探しをして、楽しい雰囲気になれそうです。





■コロちゃんはどこ?(エリック・ヒル 作・絵  まつかわ まゆみ 訳  評論社)


コロちゃんはどこ?
お母さん犬が、コロちゃんをさがしています。

ドアのうしろ?
ピアノの中?
時計の中?
……

コロちゃんはどこに隠れているのかな?

・・・・・・・・・・


コロちゃんをさがす過程が楽しい、しかけ絵本です。
お母さんが「ここかな?」と思ったところをめくれる仕掛けになっているんですが、めくると違う動物がいて、「ちがうよ」と教えてくれます(^^)


この絵本、ある児童のお気に入りで、その子はもう何回も読んでいて、どこに何が隠れているのかわかっているのに、何回も「これがいい」と取り出して読んでいるんです。
授業で私が読み聞かせをする時も、ときどき「これ」と持って来ます。


どこに何がいるのかわかっている方が、安心して読めるのかな?


「コロちゃん」はシリーズで何冊も出ています。
文字も大きいので、子どもが一人で読むのも、取っつきやすいんじゃないでしょうか。





■これはトイレットペーパーのしん(ちいさなかがくのとも 2024年9月号)(谷内つねお 作  黑田菜月 写真  福音館書店)


これは、トイレットペーパーのしん。
指ではじけば転がるし
握ってみたらつぶれるし
びりびりにやぶけてしまう、弱いしん。

だけど、それを立ててみたら……!!

・・・・・・・・・・


実は読んだ後に使おうと、実際にトイレットペーパーの芯を用意していたのが見えたのか、読んでいる途中から
「やってみたい……」
とつぶやいていた子どもたち(^^;)

そりゃあこの絵本を見たら、ほんとかどうか試してみたくなりますよね。


はい。試してみました。


絵本のように、ころがす、つぶす、やぶる。
最初はこの3つでしたが、そんなに厚手でないはずだけど子どもたちには破ることができず(^^;)
それ以前に「破りたくない」「つぶしたくない」という気持ちが先行した様子でした。
ところが一転、しんに絵本を載せてみることは喜んでいて、積んでいく作業に大張り切り!


最初は「怖い~」と言っていた子も、途中から恐る恐る参加して、ついにはいすに乗らないと届かない(机の上でやっているもので)高さにまで積み上げて、大満足でした!( *´艸`)


学校のトイレットペーパーは芯がないタイプなので(環境にはいいんですが)、おうちから持ち寄ってみんなで試してみると楽しいですよ。
いつもごみとして捨てられる芯の偉大さに、みんな驚くはず!!!




■かぞえてみよう(安野光雅 作  講談社)


0のページは一面雪景色。
1のページには家が1軒、木が1本、動物が1匹
2のページには家が2軒、木が2本、動物が2匹、子どもが2人
3のページには家が3軒、木が3本、動物が3匹、子どもが3人、ちょうちょが3匹
4のページには……。

見開きいっぱいに描かれた田園風景の中で、町ができていく様子を追いながら「数」を楽しく数えることができる絵本です。

・・・・・・・・・・

って説明されてもよくわからないと思いますが(^^;)

めっちゃ大雑把に例えると、1年生の算数の教科書の最初の方にいろんなものが描かれている絵があって、「〇〇がいくつ」って数える場面がありますよね。
あれが安野光雅さんの描く田園風景の中で、1から順に繰り広げられてるって感じです。
(すみません。小学校関係者じゃないと伝わりにくいですね(^^;))

支援学級の子どもでこの絵本がけっこうお気に入りの子がいまして、絵本を読むときに時々リクエストされます。
最初は「いーち、にい、さーん……」と数えるだけでしたが、最近は絵の変化にも注目するようになって、ページが進むにつれ木の葉の色が変わっていくことに気づいたり、「(これまでのページになかったものが)あったー!」と、発見する楽しみが増えているんですよね。
そんな仕掛けがあるのも、安野光雅さんの絵本の楽しみの一つです。

そういう意味では一斉に読み聞かせをするというより、少人数でじっくり楽しんで見る方があっている絵本と言えそうです。
教室に一冊置いていると、子どもたち同士で絵を楽しんで見るんじゃないでしょうか。






過去に書いた、「支援学級児童と楽しんだ絵本」の記事はこちらから


その2


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子どもたちの心に種をまくように、ちょっと心に響いたり、何か行動してみようと思えたり、そんなきっかけになる絵本を紹介しています。



主に小学校の教科の学習の中で、関連づけて読み聞かせができる絵本を紹介しています。



それぞれの季節に合わせて読み聞かせできる絵本を紹介しています。



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なぜ小学校で読み聞かせをするのがいいのか、学級づくりにどう役立つのか、そんなことも書いています。



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