推しの作家さん
こんにちは。自己満足な毎日をすごしたいです。読書の秋ということで、今日は本のことについて書いていきます。
高校までは、読書が好きだとはお世辞にも言えなかったが、高校卒業後、気づいたときには読書好きになっていた。
読むジャンルは様々。
現代の小説はもちろん、いわゆる文学と言われるもの、自己啓発本、お金に関するもの、読書のうちに入るかはわからないが漫画にノンフィクション、健康に関するものetc…
小説の中でも、数年前から追いかけている作家がいる。
辻村深月さん
辻村さんは「冷たい校舎の時は止まる」でデビューし、たくさんの作品があるが、それぞれ独立した内容でも、実は他の作品とつながっていることもあり、それが判明したときにはすっきりするというか、そういうこと!?と声を出したくなるというか。とにかく、体験したことのない感覚に引き込まれる。
そして、中高生の揺れ動く心であったり、人の残酷な一面や優しい一面であったり。読み始めると止まらないというのがぴたりと当てはまる。
最近読んだのは、本屋大賞を受賞した「かがみの孤城」
物語は、不登校の中1女子生徒が、ある日、かがみの中の世界に入り込み、城を訪れるという設定になっている。そこには中学1年生から中学3年生までの同年代の子どもが、その子を含めて7人いた。その城には、願いが1つだけ、何でも叶う鍵が隠されているが、城に行くことができる期限が決められている。ただし、何時以降は城にとどまることを許されない。ということを狼の仮面を被った少女から説明される。
鍵を探す場面ももちろんあるのだが、城を訪れている子どもたち同士の関わりや、現実の世界での葛藤や戦いを描きながら展開していく。
登場人物一人一人の描写はフィクションだが、「あー、あるある」と思わされるようなノンフィクションのような設定であったり、心情であったりが秀逸だ。悲しい、苦しい、寂しい、怖い、そんな感情が絶妙に描き出されている。
少しずつわかってくる子どもたちの状況から、共通点が見つかるが…
加えて、鍵に関する新しい情報も出てきて…
ここから、クライマックスまで怒涛の展開。
ドキドキハラハラ。切なくなる場面や涙する場面も。
ジャンルとしてはミステリーに当たり、途中で「?」も浮かんできて、着地点はどうなっているのかが気になってしょうがないし、小出しにされている伏線が回収されるスッキリ感もまたたまらない。
また個人的には、登場する大人に、あなたみたいな人がいてくれてよかった、と思える人物と、あなたみたいな人のせいで、と腹立たしく思う人物がいて、子どもの話であっても、子どもだけでは完結しない展開があり、そこから最後に繋がることに驚かされた。
上下に別れた文庫版でボリューム満点だが、読みごたえもあって満足できた作品だった。
もちろん、読み始めたら止まらなかったのは言うまでもない。
次には、「青空と逃げる」が控えているので、辻村さんが、今度はどんな世界を見せてくれるのか、読み始めるのが楽しみである。
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