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高校生の頃、デートにジャージを着て行って、振られた話。

私が初めて付き合ったのは高校1年生の頃。同じ部活だった同級生の子と付き合った。

なにがきっかけで付き合ったかもう覚えてないけど、帰り道に一緒に帰ることが多くなって、一緒にいて楽しい、気が合うような感じだったと思う。私から告白したような。

無事にお付き合いできることになって、私にとっては初めてのお付き合い。楽しくて、毎日メールとかしていた気がする。でも「付き合う」ってなんなのかわからなくて、「こういうときどうしたらいいんだろう?」ということとか、たくさんあったなあと思う。

付き合って5ヶ月くらい経ったある日に、「夕方にちょっと会えるかも」という話になって、ウキウキしながら準備をしていた。

当時、私は部活にストイックだったので、ほぼ毎日走るという日課を自分に課していた。でもこの日は、夕方に会う約束しているし、走る時間が作れないかも….と思った私は、とあるひらめきをしたのだった。

「会った後、そのままバイバイした後に走ればいいんじゃん!」

画期的な閃きだった。「自分は天才か」とすら思った。彼にも会えるし、日課にしているランニングにも行ける。最高じゃん!と思った私は、ジャージに着替える。私のランニングを支えてくれているランニングシューズを履いて、彼の元まで走って向かった。

約束の場所まで近づいてきた。先に待っている彼がいた。

「おーい!!!」

私は元気よく叫んで、彼の元に走る。豆粒だった彼の顔がどんどん輪郭を帯びていく。よく見ると、彼はびっくりした顔をしている。

「お待たせー!どうしたの?」

私はびっくりしている顔をしている彼に尋ねる。彼は、私の姿を上から下までゆっくりと眺める。

「え、今日デートだよね?」

彼の口から出てきた言葉に、一瞬ときが止まった。
え?あ、今日、デートなの?あ、そっか、会うってデートなの?
と私の頭の中でいろいろなハテナがたくさん浮かぶ。
あれ、でもデートって言っても、会えればいいもんじゃないのか?

私は色々考えた末に、こう言った。

「あ、会った後に走ろうかなって」

おいはらだ。ときが戻せるならこの日に戻りたい。多分、ここで言うのは「会った後に走ろうかな」じゃないんだよ。今ならわかる。違う違う、そうじゃない。でも当時は、会った後に走ろうと思っていた。嘘じゃないし、むしろ素直じゃないか。

「ゆかさ、デートの時くらいは、おしゃれをしてほしいな」

彼はそう言って、帰っていった。
私は「そっかー。付き合うって難しいなー」と思いつつ、せっかくジャージを着てきたし、と思ってランニングして帰ったのだった。(メンタル強)

その後、なんとか彼と修復しようと努力したものの、私の「一石二鳥」精神はなかなか直るはずもなく、(人はそんなに変わらないですね)どうもうまくいかず、私の初めてのお付き合いは、5ヶ月ちょっとで終わった。

今なら、相手の服装うんぬんでうまくいかない関係性なんて長続きしないよな、と冷静に考えて思うけれど、当時、彼は私と会うために一生懸命おしゃれをしてきてくれたのに、悪いことしちゃったな、と思う。

この頃から、私は「かわいい」は作れないけど「おもしろい」は作れる、というメンタルになった気がする。

当時の彼よ。あの時はジャージで会いに行ってごめん!

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