境界線
オンラインで何でもできるこの時代。
グローバル化だのボーダーレス化だのと、インターネットの世界を通じて人や物が繋がることによって世界の線引き、境界線がなくなっているぞともてはやされて久しい。
本当にそうだろうか。
特に最近、コロナ禍のせいでオンライン飲みやオンライン授業、WEBセミナーに面接、リモートワークととにかくオンライン上でことを済ますシーンが多い中、感じることがある。
インターネットは人と人との距離感を明確にする。
私自身の生活を例にとるとわかりやすい。
大学や高校、地元やバイト先などのコミュニティの中にさらに様々なコミュニティ、グループ、人間関係を構築して生活していた。
その中にはとても仲の良い友人や、同じ授業を取るだけの知人、構内ですれ違う時に挨拶するくらいのいわゆる”よっ友”の人たち、しょっちゅう飲みに行く友達、たまに連絡する程度の人などいろんな関係性の人たちがいた。
ただこう様々な種類はあれど、わりと友達として一括りにしていたところがある。
程度は違えどみんな友達だーなんて頭ん中お花畑だった。
しかし最近はどうだろう。例えばよっ友には”よっ”と声をかけるどころか目にする機会もない。でもそんな程度の人にはわざわざ連絡もしない。
同じ授業を取るだけの知人もたまには流れで学食でごはん食べたりしたかもしれない。オンライン授業ではそんなこと起こるはずもない。授業終了とともにミーティングが閉じられてさよなら、プツっとそこで関係が途切れる。また来週。
仲がいいと思っていた友人の一人も、別に会う機会も用事もないし連絡をしない。連絡もこない。特に連絡がなくても何となくSNSにいるのは目につく、その程度だったり。
なんとなーく同じコミュニティに属しているから互いの間にある境界線がぼやけていたのかもしれない。そんな境界線がボーダーレスを推進するインターネットのせいで顕在化している、そんな気がする。
本当に仲の良い人はこんな状況の中でも連絡をとっている人が多い気がする。
もちろん、連絡を取らない=仲良くない、ではないとは思うけれども。
友達って何だっけ?なんて面倒なことを考え出してしまった、そんな夜。