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公衆トイレのあたらしいかたち、性別や障害ではない選択って?

東京・JR大井町駅前にリニューアルオープンした公衆トイレ、その名も「大井町駅前公衆便所」。線路沿いに立ち並ぶ、筒状の建築物。すらっと細長いモダンな景観に、思わず「これが公衆トイレ!?」と疑ってしまいそうなデザインです。


現代の公共トイレ

公衆トイレというと、「だれでもトイレ」が設置されているのが一般的だと思います。これまでは「障害者用トイレ」や「車いす用トイレ」と呼ばれていましたが、近年では「多目的(多機能)トイレ」や「だれでもトイレ」などと名称が変わってきました。これには、身体的に障害のある人や車椅子ユーザーに限らず、オストメイト機能、ジェンダーフリーに使用できること、高齢者や乳幼児連れの利用など、対象を幅広くしたことで、設備が増えたことが背景にあります。

「だれでもトイレ」は本当に利用しやすいか

ただ、この「だれでも」の対象は、「通常のトイレ利用が難しい人は『だれでも』」(都福祉保健局)を指すそうです。対象者や機能性が広がった一方で、本当に必要としている人が必要なときに使えるかどうか、適切な利用の在り方について問題視されることも多いようです。私自身、職場の最寄駅のトイレの前で、順番待ちをしている車椅子の方を何度も目にしたことがあり、その度に気になっていました。

公衆トイレの新たなかたち

そんななか、この大井町駅前公衆便所の新たな特徴は、6パターンの機能別トイレを生み出したこと。

A トイレ+フィッティングシート
B トイレ+ベビー機能
C トイレ+パウダールーム
D トイレ+オストメイト
E トイレのみ
F トイレ+車いす対応+オストメイト

機能を細分化することで、性別を問わず、どんな人でも自分の必要に応じてトイレを選べるように工夫したそうです。こうすることで、利用者が集中してしまう現状も回避することが期待できそうです。

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建築を手がけたのは・・・

印象的な建築のデザインは、品川区の設計コンペティションを経て、あかるい建築計画さんが設計を手がけられたそうです。一番高いトイレはなんと高さ12メートル!天井が吹き抜けになっている個室内は、空気が下から上に向かって自然に換気されるシステムとのこと。2020年9月に運用開始されてから、どのような反応があったのか気になるところです。清掃も1日3回されているようで衛生面も徹底されています。こうした取り組みが浸透してくると、公衆トイレの在り方も変わってきそうですね。

大井町駅東口公衆便所
住所:東京都品川区大井1−2−6
https://kumin.news/shinagawa/info/8019

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