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テクノロジーの力で安全な移動をサポート!方向や距離を音声でナビゲーションするアプリが登場。
1月27日(水)から東京メトロの5つの駅で、視覚障害者に向けた音声ナビゲーションアプリ「shikAI(シカイ)」が公開されました。
ナビゲーションアプリ「shikAI」
「shikAI」は駅構内の点字ブロックに表示されたQRコードを、スマホのカメラで読み取ると、現在地から目的地までの正確な移動ルートを導き出し、音声で目的地までをナビゲートするというシステム。視覚に障害のある方が迷うことなく、ホームから改札口、そして出口までの移動をサポートしてくれるというアプリです。
ニュースで取り上げらる、視覚に障害のある方がプラットホームに転落する事故や列車との接触事故。「shikAI」が目指すのは視覚障害者の方が安心して駅を利用できるようになること。開発元であるリンクス社は2017年からアプリ開発をスタートし、これまで東京メトロ内の実際の駅で計150人以上の当事者の協力の元、検証を重ねてきたといいます。YouTubeにはその様子が見られる動画が。
「shikAI」の利用方法
利用にあたっては事前にアプリのインストールや手続きが必要とのことですが、実際に運用されることで、今後はもっと幅広い展開がされると良いなと思いました。詳しい利用ステップなど、以下記事にも紹介されています。
IoTポータブルデバイス「Theia(テイア)」
また、このニュースを見ていて思い出したのが、昨年9月に朝のJ-WAVEで紹介されていた、イギリス人の学生、アンソニー・カミュ氏が開発したというデバイス「Theia(テイア)」。盲導犬と同じような働きをする、手で持つタイプのポータブルデバイスです。
自動運転技術を応用した設計で「Hey Theia、〇〇(行き先)へ連れて行って」と目的地を伝えると、デバイスが自動でルートを計算。歩行者と車が行き交う混雑状況やその日の天気などをリアルタイムにオンライン処理。まるで、犬のリードを持つのと同じように、振動や力の向きなどによって、正確かつ安全なルートを導いてくれるという仕組み。さらに持ち主の習慣や特性に寄り添うように学習するという驚きのAI機能も持ち合わせているそう。
WHOの調べによると、世界には推計2億5300万人以上の視覚障害者がいるとされています。カミュ氏がデバイスの開発に至った背景としては、経済的な事情や犬アレルギー、家庭環境など様々な理由で、盲導犬を頼ることができない視覚障害者もいるという現実。これからプロトタイムの実証を重ねて実用化を目指すそうで、今後の展開が気になります。
ホームドアの設置
また、ホームからの転落や列車との接触事故防止などの安全対策として設置が進められているホームドア。東京メトロでは2025年までに、180駅ある全ての駅にホームドアを設置する計画を掲げています。(2020年8月末時点で約8割達成済みだそう)すでに、丸ノ内線、有楽町線、南北線などの6路線は全駅に設置されているようです。