低血糖で救急車を呼んだ話
みなさん、低血糖って知ってますか?
一般的には、糖尿病の人がなりやすいと言われています。
▪️低血糖とは
血糖値が正常範囲以下にまで下がった状態のことをいい、冷や汗、動悸、意識障害、けいれん、手足の震えなどの症状があらわれます。低血糖は最初に症状が起きた時にきちんと対処すれば、回復します。
引用:日本イーライリリー(株)HP
先日、私(37歳女、糖尿病歴なし)が低血糖症状で震えが止まらなくなり、外出先で、1人であったことから救急車を呼び、救急病院に運ばれる、という事態がありました。
結論から言うと、私はインスリンの出るタイミングが遅い「反応性低血糖」という、稀にある体質であることが検査の結果わかりました。
有効な薬はなく、2~3時間おきに食事を取る「分割食」で対応するしかありません。
原因不明の、食前の「脱力感」や「震え」などでお悩みの方、もしかするとそれは低血糖症状かもしれません。
糖尿病でない人の低血糖の記事がnoteでは見当たらなかった為
✔︎低血糖症状に悩んでいる
✔︎妊娠糖尿病になっちゃった
という方のご参考になれば幸いです。(4637文字。長文です)
1、2人目妊娠時に妊娠糖尿病と診断された
2020年5月、2人目妊娠時の血糖検査で、食前の血糖値が以上に低く(49mg/dL)、かつ砂糖水を飲んだ1時間後の血糖値が基準値よりも大幅に高く(166mg/dL)「総合病院で再検査が必要」との診断を受けました。総合病院で再検査するも、やはり結果は同じで、めでたく「妊娠糖尿病」との診断を受けました。
「妊娠糖尿病」は分かりやすくいうと、糖尿病ではないが、妊娠中は体に負荷がかかり、インスリン(血糖値を下げるホルモン)の効きが悪くなる為、一時的に糖尿病のような状態になっている、ということです。産後しばらくすると元に戻る場合が大半とのこと(糖尿内科の先生より)
妊娠糖尿病に対する私の治療方針は、薬で血糖値を抑えるまでひどくはない為、血糖値を上げないように、3度の食事とは別に2~3時間おきに少量の炭水化物を食べる「分割食」で対応することになりました。
おにぎり100g、ヤマザキのクラッカー1袋、soyjoy1本、などを2時間おきに食べ、3度の食事のご飯の量を減らしました。
血糖値は食後1~1.5時間後に最も高くなります。中でも、
・白砂糖(ケーキや菓子パン、清涼飲料水なども)
・炭水化物(食パン、白米、うどん、餅)
・ハチミツ
などが急激に血糖値を上昇させます。
それらを口にする場合は一度に沢山食べるのではなく、少量ずつ、時間を置いて食べるのが望ましい、ということです。
下記のような低GI食品を取ることも大切です。
・玄米 ・全粒粉パン ・さつまいも ・バナナ ・チーズ
・納豆 ・ナッツ類 ・卵
2、一度だけひどい低血糖になる
妊娠中は甘いものが食べたくなります。それも食後に。
後から考えるとこれが一番やってはいけないことなんですが(血糖値の上昇を加速させるため)
ある日、家で昼食をとり、食後にパンケーキを食べ、その1時間後に甘いあんみつのようなものを食べました。食べ過ぎはだめ、と分かっていながら「たまにはいいか」と。
そしてその3時間半後。
保育園に息子を迎えに行き、帰宅して夕飯の準備をしている時。
「あ、これあかんやつかも」
実は小学生の頃から、低血糖が原因の手の震えや空腹感、脱力感を感じることがありました。大人になって、うどんやパン、白米やブラックコーヒーをやめたら症状の頻度が激減したので、今思うと低血糖だったんだなって分かります。
これと同じ症状が出始めました。
しかし、甘いものを食べると血糖値の急上昇を招き、その後の急降下を遅れていたため、目の前にあった惣菜パンを食べて凌ごうと思いました。
でも症状はひどくなるばかりで・・・
脚に力が入らなくなってきた笑。
「うわっこれやばいわ」
早く血糖値測ろう!!
(妊娠糖尿と診断されてから血糖値測定器を貸し出しされていました)
ピッ・・
「47mg/dL」
めちゃくちゃ低い。
引用:日本イーライリリー(株)HP
急いで冷蔵庫の中を見回し、砂糖の入った炭酸飲料(キレートレモン)を一気飲みしました。その間もゼェゼェと息切れがして手足が震えます。
何も知らない息子がママ〜と寄ってきます。
やばいやばいやばい。家で1人で死んでしまう。
程なくすると血糖値が上がってきたのか、症状が落ち着き、ことなきを得る。
という事象がありました。
それ以後、食後に甘いものを食べたくなった時は必ず2時間は開けるようにするか、低血糖が来ることを予め予想して、コントロールできる環境にいる場合のみ、食べるようにしました。本当に怖かったのです・・
3、産後も問題なし、のはずが・・・
産後3ヶ月が経過し「妊娠糖尿病」が治っているかの検査をしました。空腹の胃に75gの砂糖が入った炭酸水を一気飲みし、30分おきに4回、2時間後まで採血をし血糖値の動きを見る、という検査です。
結論、問題なし。
血糖値の上昇もひどくなく、インスリンが正しく分泌されて、2時間後に血糖値が下がっている、という結果で、私はホッと胸を撫で下ろしました。
翌日、私は所用で大阪のビジネスホテルに1人で一泊していました。
当日の夜、いつもより早い17:00頃に外食をし(体に優しい食材を使った低GI食でした)いつもは寝るまでに何度か牛乳を口にするのですが、その日は水だけを飲み、やや夜更かしをして就寝。(長時間水以外を口にしなかった)
翌朝8:00、宿泊先の近くのパン屋さんのイートインスペースで
・ブラックコーヒー1杯
・紅茶1杯
・サンドイッチ、菓子パン
を食べました。いつもはカフェイン入りの飲み物は口にしないのですが、外泊しているということもあり、授乳の必要がなく、解禁しました。
宿泊先に戻り、部屋で事務作業をしていたところ・・・
例の低血糖症状がで始めたのです。反射的に時計を見ると11:00。
朝食のちょうど3時間後です。
4、低血糖症状で救急車を呼ぶ
もしもの時のために常備しているブドウ糖をすぐには食べず、例の如く、朝食のサンドイッチの残りや牛乳で凌ごうとしました。(学習しない・・)
程なくしてガタガタと震え出し寒気がやってきました。
「やばい」
急いでブドウ糖を3つ(9g)口に含みます。
それでもおさまらないのでさらに2つ(6g)。
なぜか、それでもおさまらないので、部屋の外に出て、自動販売機のジュースを買って一気飲みします。
なぜ?それでも震えが止まらない・・・
「アカン。私、大阪のビジネスホテルの一室で誰にも気づかれずに死んでまう」
一向におさまらないので、救急車を呼びました。フロントにも電話。
「すみません。低血糖で倒れそうなので救急車呼びました・・」
10分後、救急車が到着し、その頃には、震えているけど自分の足で歩けるくらいにまでは回復していて、自力で救急車に乗る。
近隣の病院がどこも忙しく、なかなか受け入れ先が決まらない、とのことで30〜40分は救急車の中で待機しました。
その間にも、寒気、震え、あとは息切れ(マスクがピタッと顔につくくらい)がひどく、この間に死んでしまうのでは、と思うほどでした・・
その後すぐ近くの救急病院に運ばれ、血糖値を図ると「260」でかなりの高血糖。先生曰く、糖分を過剰摂取したから、とのこと。
血糖値が上がっているのに寒気、震え、息切れが治らなかったのはなぜ・・
後日、別の医師の診断では、低血糖症状がきっかけでパニック発作を起こしていたとのこと。妊娠中の低血糖症状がトラウマになっていたんですね。
その日は点滴をして、2時間ほどでかなり落ち着いたので、自分の足で歩いて宿泊先まで帰り、自宅までも自力で帰りました。本当に怖かったです。
空腹の状態に、カフェインを摂ったことが、低血糖の原因と考えます。
(カフェインは血糖値を下げます)
5、後日4時間の糖負荷検査実施
このことがきっかけで、妊娠中に通院していた総合病院へ行くと「インスリンが過剰分泌される"反応性低血糖症"かもしれないので、再度、糖負荷検査をしましょう」と担当医に言われます。
また、食後の低血糖の原因には他にも
✔︎インスリノーマ(膵臓の腫瘍)
✔︎ホルモンバランスの崩れ
が考えられ、ホルモンの数値をみる採血と、腹部エコーも同時に行うことになりました。
この、4時間の糖負荷検査が本当に恐怖でした。
空腹の状態に砂糖水を流し込み、その後4時間絶食なんです。
前回救急車を呼んだ時、低血糖症状が出たのは食後3時間後。
んもう、低血糖症状が出るのがわかっているからです。4時間もたないと思う、と担当医に伝えたとこと、症状が出そうだったら、その旨看護師に伝え、その時点の血糖値を測りそこで終わりにしましょう、とのことでした。
前日の夜から緊張で眠れませんでした。
そして検査当日、フラフラの体に朝から砂糖水を流し込む。
砂糖水を飲む前と、後は30分、1時間、2時間・・と合計6回採血をします。ルートはとらず、都度針を刺したので、終わった後は両腕穴だらけ笑。
予想通り、3時間をすぎたあたりからぐんぐん血糖値が下がってきているのが分かり、自前の血糖測定器で図ると「72mg/dL」と出て、動悸などの症状が出始めていました。看護師さんに相談し、3.5時間時点の血糖値測定を最後に、検査を終えました。やはり、4時間もたなかったのです。
6、検査の結果
後日、結果を聞きに行きました。血糖値の推移は以下のようでした。
インスリン分泌量はここには記載がないのですが、血糖値が60分後に最も高い値を示しているにもかかわらず、インスリン分泌量は2時間後が最大でした。要するに、血糖値の山とインスリン分泌量の山がずれていたのです。
血糖値が下がり始めてからインスリンが出るので、必要以上に血糖値が下がってしまっていたのです。
これが、私が低血糖症状に長年苦しんでいた原因です。
なお、インスリノーマ及びホルモンバランスは一切問題なしでした。
結果を聞いた後、自分にお疲れ様を言いました。
そして上記のような体質「反応性低血糖症」とこれからも付き合っていく覚悟を決めました。
7、まとめ
心のどこかで、一時的な病気であって欲しい・・なんて考えていました。
でも、違ったのです。体質。これから良くなるかもしれないし悪くなるかも、もしくは変わらないかもしれない。
血糖値の知識を深め、うまく付き合っていく他、方法はないと思いました。
同じような悩みをお持ちの方、一度検査を受けることをおすすめします。(反応性低血糖は女性に多い気がすると担当医が言っていました)
私が低血糖症状を引き起こさないために気をつけている事等は以下のとおりです。
《引き起こさないために》
✔︎主食は白米と玄米を混ぜた物
✔︎うどん、パスタを食べない(そばはOK)
✔︎食後には甘いものを食べない
✔︎ジュースを飲まない
✔︎コーヒー紅茶は全てカフェインレス
✔︎クラッカーや小さなおにぎり、ソイジョイを常に持ち歩く
✔︎血糖測定器を常に持ち歩く
✔︎週一の筋トレ及びランニングを欠かさない(筋肉は血糖の調整を行う働きがあるそうです)
《引き起こした時のために》
✔︎ブドウ糖を持ち歩く(緊急時以外は食べませんが)
✔︎身内に低血糖持ちである旨公言しておく
長文にもかかわらず、ここまでお読みくださり、ありがとうこざいました。
私の経験が、どなたかのお役に立ちますように。
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