炊飯器を買った話
こんばんは。
家の炊飯器の蓋が閉まらなくなっていたので、せっかくだから部屋の感じに合った良い炊飯器を買おうと思い、先日ヨドバシカメラへ行ってきました。
私が購入したのは、タイガー社の圧力IHというタイプの炊飯器です。
炊飯器は、5年より長い周期で一回買う程度のものなので、良いやつを買おうと思って行ったのですが、圧力IHというタイプの炊飯器は、最も安価なタイプのマイコン式と呼ばれる炊飯器の4倍以上の値段がするので、理由を知りたいなと思い、店員さんに色々質問しました。
今回は、その質問で得た知見を書き留めておくノートです。
店員さん、とてもわかりやすい説明でした。長い時間お付き合い頂き、ありがとうございます。
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【炊飯器の仕組みの違い】
炊飯器には、
・マイコン式
・IH
・圧力IH
という三種類のものがあります。
炊飯ジャーを取り外すと、炊飯器の真ん中にボタンのようなものがついているのがわかると思います。
炊飯器というのは、基本的に、このボタンから炊飯ジャーに熱を加えています。
・マイコン式は、これ以外に熱を加える部分が存在しないタイプの炊飯器のことです。
・IHは、これ以外に、炊飯ジャーの側面からも熱が加わるようなタイプの炊飯器のことです。
・圧力IHは、蒸気の力によって上からも熱が加えられるようにした炊飯器のことです。
つまり、単純に言ってしまうと、炊飯器の3種類の分類は、お米に熱を加える方向・手法の多さによる分類であるということです。
【どのようにすればお米は美味しく炊けるのか】
お米を水にさらして放置していても、基本的にはお米の芯まで水分が入って膨らむということにはなりません。
つまり、お米を炊き上げるためには、熱を加えることが重要になります。
従って、熱が加えられる場所が多ければ多いほど、お米に均一に熱が加わることとなり、「炊きむら」ができにくくなります。
さらに細かい蒸気によって米を熱することで、より米の芯まで水分を届けてふっくらとした仕上がりにすることができるそうです。
お米は十分な水分量を持ってふっくら仕上がった方が美味しいとされていますから、蒸気のパワーを用いて炊き上げる「圧力IH」だと、より美味しくお米を炊くことができるようになるわけです。
(一方で、これは食戟のソーマに書いてあったことなのですが、人間は均一な食べ物よりも不均一な食べ物の方が美味しいと感じる、みたいな性質があったはずで、これを念頭におくと炊きむらは炊きむらで美味しいんじゃないかみたいな話にもなると思うのですが、ちょっとここまでくると好き嫌いとかもあるかもしれないので、疑問として書き留めておくだけにしておきます。いずれこれについて知る機会があればいいなと思います。)
【炊飯ジャーの違いについて】
マイコン式の炊飯器ではあまり炊飯ジャーに違いは見られませんが、圧力IHなどのように高級になってくると、炊飯ジャーにも様々な工夫がされています。
基本的に、金属の間を熱が伝わるときは、金属と金属の境界の部分で熱がより拡散して伝わるそうです。
高い炊飯器の炊飯ジャーに「n層!!たくさん層になってます!!」みたいに書かれることが多いのは、たくさん層になっている方がより熱を拡散しやすく、従って均一に窯全体に熱を加えることの一種の理由なわけですね(これはフライパンや鍋なども同じ構造になっています)。
さらに、お米がくっつきにくいように表面にフッ素加工が施してあるものや、お米を炊飯ジャーで洗うときにお米によってジャーが傷ついてしまうのをなるべく軽減するためにダイアモンド加工が施されたりするものもありました。
ダイアモンド加工はやりすぎじゃないですか?と店員さんに聞くと、
どうやら炊飯器の中でお米が炊かれているときは、お米が炊飯器の中でかき混ぜられているようで、例えば炊く前にお米を水にさらしていなかったりすると、お米が硬いままの状態で炊飯ジャーの中でかき混ぜられることになり、これによって徐々に表面が劣化していくことになる、というのもあるそうです。
私はお米をざるで洗うタイプの人間で、炊くときは予約をする(つまり実際にお米が炊飯ジャーの中でかき混ぜられる時刻には炊飯ジャーの中で水を含んで表面のふやけた状態になっている→硬くないのでジャーの耐久性はそこまで必要ないと考えた)ので、ダイヤモンド加工は必要ないかな、と判断しました。
ちなみに、同じ圧力IHの炊飯器でも、このダイヤモンド加工がされているものとされていないものでは3万円くらい値段が違っていたので、びっくりしました(炊飯ジャーの層の多さもメーカーも違っていましたので、この部分だけに注目するのは無意味なことかもしれません)。
【メーカーによる強みの違い】
炊飯器のメーカーというと、色々あると思いますが、まず大手家電メーカーの三菱やPanasonicなどの炊飯器がありました。
アイリスオオヤマなどのメーカーさんもあったのですが、炊飯器のシェアはタイガーと象印が2トップだそうです。
タイガーの炊飯器と象印の炊飯器では、目指す方向性が違うそうです。
違いは以下のようになっています:
・タイガーの炊飯器は「炊きたて」が最高に美味しくなるように力を入れている。
・象印の炊飯器は「保温」して置いていてもお米の美味しさが保たれるように力を入れている。
また、タイガーの炊飯器は、より「土鍋」感?「自然」っぽさ?を重要視しているそうで、タイガーの炊飯ジャーは「土鍋」推しです(もちろん機械なので土鍋な訳ないですが)。
私の場合は基本的に長く保温したお米を食べないので、炊きたて重視のタイガーの炊飯器を選ぼうと思いました。
また、こういうことを書くのは良くないかもしれませんが、大手家電メーカーの炊飯器よりも象印やタイガーの炊飯器の方が、「性能の割に安い」的な現象が起きているそうです。
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さて、以上が私がヨドバシカメラの店員さんから聞いた炊飯器に関するお話の全てです。(全てだと思います。思い出したらその都度追加します。)
正直、きれいになった部屋の見た目に合う炊飯器ならなんでもいいや〜くらいの気持ちでヨドバシカメラに行ったので、炊飯器の奥深い世界をこんなに知ることができるなんて思っていませんでした。
ヨドバシカメラは立地が良いので、暇な時にたまに無意味に立ち寄ったりしていたのですが、店内放送で「商品知識豊富な販売員による〜」とよく耳にしていました。
ちゃんと物を買う立場になることで、今まで聞き流していたこの店内放送の意味を痛感しました。
長く使うことを念頭におくならせっかくなら良いのを買おう〜くらいのことは思っていましたが、その気持ちで、きちんと性能を知らずに「最高の値段のものの中で家の雰囲気に合うもの」という適当な選択をせずに、自分の生活スタイルにあったものの中で最高の性能のもの(これは必ずしも最高の値段のものと一致しない)を選択ができたことを、嬉しく思っています。
ちなみに、私は最近ずっと玄米に十六穀とじゃがいもを小さく切った物を混ぜたものを炊いているのですが、炊飯器を変えてから玄米がふっくらして十六穀に含まれている固かった豆(何かわからない...)が柔らかく美味しくなりました。
この素晴らしい選択ができたことで、日々の生活が少し豊かになりました。
私の理解の浅さからくるたくさんの滅茶苦茶な質問に一つ一つ丁寧に答えてくださったヨドバシカメラの店員さんと、その店員さんとの運命的な巡り合わせに感謝して、今回のノートを終わろうと思います。
ありがとうございました。
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