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薪、古民家、道場

今年新たに開拓したサウナ特化施設で気に入った3店。

毎日サウナ八王子

薪サウナ室に入ると暗く、熱源以外が判別できず、目が慣れるまで先客がいるかどうかもわからない。そろりそろりと歩き空席を見つけ座る。不思議なもので数秒もすると室内の様子が把握できるようになる。薪ストーブの炎の揺らめきと仄かなパチパチ音が深いリラックスにいざなう。

ガスや電気ストーブに比べて柔らかい肌触りの熱で、かつバッチバチに熱い。檜の水風呂は深く身が清まる冷たさで神々しさすら感じる。外気浴スペースは緑が多く、日当たりのよい椅子に寝そべると、周囲の植物に同化して光合成しながら太陽だけを感じていたくなる。

ゆげ蔵

鶴見の古民家サウナ。木の香りが引き立つサ室。周りに人がいるとロウリュボタンの押すタイミングが計りかねるが一人占有状態になったときの高揚感がたまらない。水風呂の後はレンタルポンチョ着て庭へ出てゴザに思いきりねそべる。見えるのは大きな木と空、聞こえるのは鳥と虫。太陽がまぶしく、サングラスがほしくなった。

普通のサウナの外気浴でフルチンサングラスは想像するのも滑稽だが(欧州のヌーディストビーチなら普通の光景だろうが、わが国ではキツイ)、ポンチョサングラスは粋かもしれない。私はアウトドア、キャンプ系サウナはまったくいかないので、鶴見の駅近でこんな体験ができることに感動した。ふろ国、ユー鶴、RAKUSPAの鶴見御三家に挑む彗星の魔サウナか?

渋谷サウナ道場

場所がセンター街ど真ん中で客層がひどそうな先入観を持っていたがそんなことはなかった。スタッフが黙浴を徹底していて、ロウリュの前口上で「この中でお連れ様で御来客のかたいらっしゃいますか」から、私語は即退店と言い渡す。男塾みたいないで立ちで厳粛なオーラを出しているからか、ドラクエさん達も注意を素直に受け入れるマインドになるのかもしれない。

サ室は天井低い分、上下段での体感格差は少ないが熱源が近くかなり熱い。そして「押忍!」というまで扇ぎ続けてくれるのでつい頑張ってしまうと乳首がもげそうなほど痛くなり、堪らず飛び出して頭上にぶら下がっているロープを引くと桶がひっくり返り修行僧のように水を浴びる。そしたらもうあとは、グルシンのブロミズにダイブしてチンカチンカにクールダウンしちゃってさ。

これが修行の1サイクル。チェア数が多いので難民になりにくく、しびれ切った体が回復するとまた貪るように修行を反復する。間違いなく脳からドバドバっと化学物質が出てる。報酬系をうまく利用したサウナ。

三店ともしっかりしたコンセプトに基づき、列挙すればきりのないほどディテールまで手抜きのない設計。サウナを愛するがゆえの本物の顧客志向で差別化に成功している。

関東に旅行される方はぜひ渋谷→横浜→八王子のラインで満喫していただきたい。と書いて、基本的には男性オンリーな施設であることに気づく。上二つはLDをやっているが、道場の男くささだけはガチである。川崎ビッグと並んでLDを期待できそうにない施設だろうか。



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