何者かになんてなれないよ。
あなたは、あなたになるんです。
グサッと胸を刺された感覚と同時に、
救われたような気もした。
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コピーライター、デザイナー、Webディレクター。並べられた耳触りのいい肩書きだけが、ぽかんと宙に浮いている感覚だった。
取材をして原稿も書く、サイトのディレクションもデザインもする、人手が足りなければコーディングだってする。
部署が変わる度、
仕事内容が大きく変わり肩書きも変わる。
人数が少ないからなんでもできなくちゃ、と付け焼き刃でスキルを身につけた結果、
「なんでも屋さん」とも呼ばれている。
「キミってなんでも平均的にこなせるけど、飛び抜けてコレだってものがないよね」
そう言われるのがお決まりの上司との面談。
そんなことは自分が一番知ってる。
何においても中途半端なんだ。
何者かにならなくちゃ。
何者かにならなくちゃ。
呪文のようにぐるぐると頭の中を巡る思いと一緒に、企画メシに飛び込んだ。
何者かになんてなれないよ。あなたは、あなたになるんです。
冒頭の言葉は、
『企画メシ』主宰の阿部広太郎さんから
32人の企画生へ向けたメッセージ。
外へ外へと見せかけのハリボテを作ることに必死になって、ちっとも内側を見れていなかった自分を恥じる一方で、
もう流されなくてもいいんだ、という不思議な安堵感もあった。
周りから見てどうこうじゃなくて、自分がどうしたいのか。
これから12回の講義を通して、今まで見てきたもの感じてきたこと、
あらゆる経験という名の辞書をしつこく引いて、その中に自分がもっと自分になるための言葉を見つけていく。
それは思考の海を奥深く潜っていくような感覚なのだろうか。
果たして、僕に見つけることが出来るのか。
期待と不安の波に押し戻されるけど、
何度も書き直したエントリーシートが、
きっと道しるべになると信じて
半年間、思い切り潜ってみよう。
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