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上司と部下のコミュニケーション解像度を上げる7段階の権限委譲のレベル

こんにちは峯です。
今回は、普段の業務の中で、「部下の成果物が意図したものになっていない」という上司の悩みや、「成果物に対する上司からのフィードバックでやっと認識齟齬に気がつく」という部下の悩みを解消するコミュニケーションの方法を紹介します。

ソース元は、エンジニアリング組織論への招待という書籍で紹介されている、権限委譲のレベルについてです。さらに詳しく知りたい方は、是非書籍をお読みください。

自分の役割、行うべき範囲を本書で紹介されている権限委譲のレベルに当てはめて、上司と部下が共通認識を持ってコミュニケーションをとることで、業務の遂行がよりスムーズになります。

権限委譲コミュニケーションの失敗

繰り返しになりますが、みなさんは以下の悩みを持っていませんか?

  • 「部下の成果物が意図したものになっていない」

  • 「理解しているつもりだったが、上司からのフィードバックで認識齟齬に気がつく」

  • 「上司からのフィードバックで自分のスキルに自信を無くしてしまう」

このような悩みの原因はどこにあるのでしょうか?
上司の依頼が抽象的過ぎたのでしょうか?それとも、部下のスキルセットが原因なのでしょうか?

本書の一節を引用すると、以下のように述べられています。

経営陣の「従業員が経営者意識を持って動かない」という愚痴や、従業員の「自分に権限がないので問題点を改善できない」という愚痴は、「権限委譲のコミュニケーションが失敗しているか、委譲ができないができない組織しか作れていない」

出典:エンジニアリング組織論への招待

後者は、組織形態の問題点ですが、今回は、前者の「権限委譲のコミュニケーションが失敗している」という部分に着目したいと思います。

上司と部下の関係性上、部下が自分のスキルに対して負い目を感じてしまうケースが多いと思いますが、まずは権限委譲のコミュニケーションを疑ってみるべきです。

権限委譲のレベルについて

本書では、7段階のレベルを設定することで、曖昧な権限に関するコミュニケーションを明確なものにしています。

7段階の権限委譲のレベル

レベル1 命令する
上司が全てを決定して部下に対して命令する。上司に全ての権限がある

レベル2 説得する
上司が部下に対して「なぜするのか・どうしてするのか」を説明して説得する。部下は説明を理解し趣旨に合うように実施を行う

レベル3 相談する
上司の提案を部下に相談する。最終決定前に部下に意見を求める

レベル4 合意する
上司と部下が合意して遂行する。上司と部下の権限は同じ

レベル5 助言する
部下が提案を行い、それに対して上司が指摘を行う。上司の指摘は提案であって命令ではないので、部下は全て聞き入れる必要はない

レベル6 尋ねる
部下に決定権が委譲されている。上司から報告が求められた時には説明を行う責任がある

レベル7 委任する
部下は上司の確認なしに実施可能な権限。上司が尋ねたときのみ、回答する。イレギュラーのない日常業務などは、この権限が部下に渡されていないと上司は確認作業を行わないといけなくなる

出典:エンジニアリング組織論への招待

この権限委譲のレベルに現在の業務を当てはめてみましょう。上司の方は、部下にどのレベルを委譲しているのか。部下の方はどこまで権限が委譲され、どのレベルで業務を行なっているのか。

コミュニケーション解像度を上げる権限委譲のレベル

上司は抽象的なタスクを依頼する場合でも、レベルを明確にして任せることで、部下のアクションに対して明確なフィードバックが可能になります。

適宜、委譲レベルを変更することで、進行がスムーズになることもあるのではないでしょうか。

また、部下は自分に委譲されたレベルを認識して、委譲レベルに沿った行動を徹底します。
上司と部下で、7段階のレベルに対してコミュニケーションを取ってみると、齟齬があったのか無かったのかがわかります。

双方の認識レベルに齟齬がなければ問題ありませんが、もし、齟齬があればすぐに解消しましょう。

さいごに

今回紹介した権限委譲のレベルについてより詳細に知りたい方は、エンジニアリング組織論への招待を読んでみてください。

機能的な組織を築いていくために、共通言語でコミュニケーションを取れている状態を目指すヒントがたくさんあります。

私自信、今回の権限委譲のレベルをベースとした考え方を取り入れて業務に取り組むことで、心理的にも余裕が生まれました。

悩むべきところで正しく悩むということも大切なのかもしれません。

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