<ラグビー>スーパラグビートランスタスマン,第3週結果
ハリケーンズ43-6フォース
ハリケーンズHOダン・コールズが休養し,アサフォ・アウムアが先発,16番リザーブにリッキー・リッチテリが入った。キャプテンは,6番FLリーズ・プリンセップが代行する。4番LOにイサイア・ウォーカーリーウェアが戻り,8番NO.8にガレス・エバンスが先発する。9番SHにルーク・キャンベルが戻り,10番SOは,ルーベン・ラヴが肩の怪我で欠場するため,オルビン・リージャーが引き続き努める。決定力あるサレシ・ラヤシが11番WTBに戻り,13番CTBにはピーター・ウマガジャンセンが戻った。リザーブには,23番BKにヴィンス・アソ,また膝の怪我から復帰のアーディ・サヴェアが20番FLに入っていることからも,ジェイソン・ホランド監督は3連勝に自信を深めている。
ウェスタンフォースは,23番BKにワラビーズのテヴィタ・クリドラニが戻り,14番WTBのトニ・プルは50キャップを迎える。10番SOにはアルゼンチン代表ドミンゴ・ミオッティが先発に戻った。ティム・サンプソン監督は,なんとか一矢を報いたいところだろう。
6分,フォース10番SOドミンゴ・ミオッティがPG,0-3。
11分,ミオッティがPG,0-6。
13分,ハリケーンズ2番HOアサフォ・アウムアがトライ。15番FBジョルディ・バレットのコンバージョン成功で,7-6。
21分,ハリケーンズ11番WTBサレシ・ラヤシがトライ。バレットのコンバージョン成功で,14-6。
38分,ハリケーンズ7番FLデュプレッシー・キリフィがトライ。バレットのコンバージョン失敗で,19-6。
前半ハリケーンズ19(3T2C)-フォース6(2P)
46分,ハリケーンズ14番WTBウェス・ウーセンがトライ。バレットのコンバージョン失敗で,24-6。
58分,ハリケーンズ11番WTBラヤシが2つ目のトライ。バレットのコンバージョン成功で,31-6。
73分,ハリケーンズ12番CTBナガニ・ラウマフィーがトライ。バレットのコンバージョン成功で,38-6。
81分,ハリケーンズ15番FBバレットがトライ。コンバージョンは失敗して,43-6。
後半ハリケーンズ24(4T2C)-フォース0。
合計ハリケーンズ43(7T4C)-フォース6(2P)。
ハリケーンズの圧勝。HOアサフォ・アウムアが期待通りのBK並の脚力を発揮してトライを取ったが,脳震盪になって退場したのは残念。また,FBジョルディ・バレットは,好調さを取り戻し,才能の赴くままかつ好き放題にプレーしていた感がある。WTBサレシ・ラヤシは,もともとセブンズで活躍していたが,このまま15人制でも才能を発揮して欲しい。ただし,オールブラックスのWTBには,才能溢れる選手が非常に多いので,現時点ではヨーロッパのクラブチーム行きが現実的かも知れない。
ワラターズ28-54クルセイダーズ
クルセイダーズのスコット・ロバートソン監督は余裕がある。FLイーサン・ブラカッダーが脳震盪でNZに戻ったものの,7番FLにはシオネ・ハヴィリタリツイが戻った。またHOブラッドレイ・スレイターはNZに返し,アンドリュウ・マフィレオが怪我をしたこともあり,16番HOにはネイサン・ヴェラを入れた。ヴェラは,プレーすれば,クルセイダーズのデビューとなる。キャプテンのLOスコット・バレットが5番に戻り,サムエル・ホワイトロックを19番に下げて,5番LOにクインティン・ストレンジが先発する予定だったが,ゲーム前に外れて20番ミッチェル・ダンシアが4番に入り,バレットが5番になった。リザーブ20番には,リアム・アレンが入った。BKでは,13番CTBブライドン・エンノーがメンバー外となったたため,11番WTBに23番のマナサ・マタエレが入り,11番WTBのレスター・ファインガアヌクが13番CTBへ移り,13番だったダラス・マクロードが12番CTBになった。また,23番BKにはデイヴィット・ハヴィリが入った。12番CTBダラス・マクロードは初先発となる。
国内リーグからの連敗が止まらないワラターズの,監督代行クリス・ウィタカーとジェイソン・ギルモアは,4番5番の両LOにジェレミー・ウィリアムスとジャック・ウェットンを戻した。7番FLジャック・デンプシーは50キャップを迎える。13番CTBにイザイア・ペレセが,15番FBにウィル・ハリソンがそれぞれ戻っている。NO.8はウィル・ハリス,FBはウィル・ハリソン,実に紛らわしい。
9分,クルセイダーズ9番SHミッチェル・ドルモンドがトライ。10番SOリッチー・モウンガのコンバージョン成功で,0-7。
16分,ワラターズ15番FBウィル・ハリソンがPG,3-7。
22分,ワラターズ5番LOジャック・ウェットンが,チームの反則繰り返しでシンビン。
26分,ハリソンがPG,6-7。
30分,クルセイダーズ2番HOコーディ・テイラーがトライ。モウンガのコンバージョン失敗で,6-12。
36分,クルセイダーズ14番WTBセヴ・リースがトライ。モウンガのコンバージョン成功で,6-19。
39分,ハリソンがPG,9-19。
40分,クルセイダーズ13番CTBダラス・マクロードがトライ。モウンガのコンバージョン成功で,9-26。
前半,ワラターズ9(3P)-クルセイダーズ26(4T3C)。
クルセイダーズは,最初に得点した後にリズムを自ら乱している他,スクラムが安定していない。しかし,要所毎のプレーで個人技を元に得点している。
41分,クルセイダーズ4番LOスコット・バレットがトライ。モウンガのコンバージョン成功で9-33。
52分,ワラターズ14番WTBジャック・マドックスがトライ。ハリソンのコンバージョン成功で,16-33。
54分,クルセイダーズ18番PRオリヴァー・ヤーガーが,チームの反則繰り返しでシンビン。
55分,ワラターズ13番CTBイザイア・ペレセがトライ。ハリソンのコンバージョン成功で,23-33。
58分,クルセイダーズ13番CTBレスター・ファインガアヌクがトライ。モウンガのコンバージョン成功で,23-40。
64分,クルセイダーズ21番SHブリン・ホールがトライ。モウンガのコンバージョン成功で,24-47。
75分,クルセイダーズ15番FBウィル・ジョーダンがトライ。モウンガのコンバージョン成功で,23-54。
78分,クルセイダーズ23番BKデイヴィット・ハヴィリが故意のノッコンでシンビン。
80分,クルセイダーズ16番HOネイサン・ヴェラがシンビン。
80分,ワラターズ11番WTBアレックス・ニューサムがトライ。ハリソンのコンバージョン失敗で,28-54。
後半,ワラターズ19(3T2C)-クルセイダーズ28(4T4C)。
合計,ワラターズ28(3T2C3P)-クルセイダーズ54(8T7C)。
クルセイダーズが完調とは言えない状態であっても,実力差はいかんともしがたく得点差に表れている。後半にワラターズが,相手のシンビンを利用して連続トライしたプレーを,チーム復調の契機にしたい。クルセイダーズは,3人のシンビン(特にノーサイド直前の2つは不要なもので要反省)を出しながらも,まずは順当に3連勝としたが,首位に上がるのは得失点差の関係で難しそうだ。
個人のプレーでは,引き続きレスター・ファインガアヌクがCTBでも良いプレーをしており,オールブラックス入りが現実的になっている。
ブルーズ38-10ブランビーズ
快調に首位を維持しているブルーズとしては,ホームで相性の悪いブランビーズ相手に,リザーブにPRネポ・ラウララ,LOパトリック・ツイプロツ,FLアキラ・イオアネのオールブラックス3人を入れた,選手層の厚さで圧勝したい。
4分,ブルーズ15番FBザーン・サリヴァンがPG失敗。
16分,ブルーズ2番HOカート・エクランドがトライ。10番SOオテレ・ブラックのコンバージョン成功で,7-0。
23分,ブランビーズ10番SOノア・ロレシオがPG,7-3。
34分,ブランビーズ2番HOコンナル・マキナーニーがトライ。ロレシオのコンバージョン成功で,7-10。
37分,ブルーズ3番PRマルセル・レナタがインゴールに入り,TMOの結果,ノートライ。
38分,ブラックがPG,10-10。
39分,ブルーズ9番SHフィンレイ・クリスティーがトライ。ブラックのコンバージョン成功で,17-10。
前半,ブルーズ17(2T2C1P)-ブランビーズ10(1T1C1P)
ブルーズは,最初にトライを挙げたものの,その後に得点機を逃すことが続き,点差は開かずに,34分に逆転される始末。その後再逆転したが,スクラムはやや劣勢。後半は圧倒したい。
48分,ブルーズ14番WTBブライス・ヒームがトライ。ブラックのコンバージョン成功で,24-10。
59分,ブルーズ11番WTBのAJ・ラムがトライ。ブラックのコンバージョン成功で,31-10。
71分,ブランビーズ16番HOファラウ・ファインガアが,チーム反則の繰り返しでシンビン。ブルーズ20番FLアキラ・イオアネが,ラックで相手選手の足を持って逆さまにしたプレーは,お咎め無し。ただし,今後裁定委員会で罰則が出る可能性がある。
71分,ブルーズ12番CTBのTJ・ファイアネがトライ。22番SOハリー・プランマーのコンバージョン成功で,38-10。
後半,ブルーズ21(3T3C)-ブランビーズ0。
合計,ブルーズ38(5T5C1P)-ブランビーズ10(1T1C1P)。
後半に,右PRネポ・ラウララとLOパトリック・ツイプロツが交代でプレーしてから,ブルーズのアタックは良くなった。セットプレーが安定すれば,得点力あるBKがトライを取り切ってくれる。また,これでブルーズは,トランスタスマンシリーズ首位を維持した。残りは2試合となったので,決勝戦に出場する切符をほぼ確定したと思われる。
レッズ40-34チーフス
チーフスは,勢いにのってオーストラリア優勝チームに勝利したい。レッズは,オーストラリア優勝チームの維持を見せたい。
16分,レッズがペナルティートライ。7-0。
16分,チーフス11番WTBチェイス・ティアティアが,インターセプトに失敗したところ,これを故意のノッコンとされてシンビン。
19分,チーフス10番SOダミアン・マッケンジーがPG,7-3。
22分,レッズ12番CTBアイザック・ヘンリーがトライ。10番SOジェイムズ・オコナーのコンバージョン失敗で,12-3。
22分,チーフス10番SOダミアン・マッケンジーが,レッズ9番SHテイト・マクダーモットの顎に肩を当てるタックルをして,レッドカード=退場!!
25分,レッズ14番WTBスリアシ・ヴニヴァルがトライ。オコナーのコンバージョン成功で,19-3。
31分,レッズ1番PRフィアオ・フォツアイカがトライ。オコナーのコンバージョン成功で,26-3。
36分,レッズ12番CTBヘンリーが2つ目のトライ。オコナーのコンバージョン成功で,33-3。
前半,レッズ33(5T4C)-チーフス3(1P)。
ダミアン・マッケンジーのレッドカードが全て。せっかくの良い試合が台無しになってしまった。しかし,今大会特別ルールにより,レッドカードから20分後にリザーブから補充できるため,後半は15人に戻れる。そして,チーフスは23番ショーン・スティーヴンソンをマッケンジーの代わりに入れたので,FBトラスクがSOになり,ティアティアがFBとなった。
52分,チーフス6番FLピタガス・ソワクラがトライ。15番FBカレブ・トラスクのコンバージョン失敗で,33-8。
57分,レッズ11番WTBフィリポ・ダウグヌがトライ。オコナーのコンバージョン成功で,40-8。
64分,チーフス5番LOツポウ・ヴァアイがトライ。トラスクのコンバージョン成功で,40-15。
68分,チーフス17番PRルーベン・オニールがトライ。トラスクのコンバージョン成功で,40-22。
76分,チーフス14番WTBバイリン・サリヴァンがトライ。トラスクのコンバージョン成功で,40-29。
78分,チーフス21番SHザヴィエール・ロウがトライ。トラスクのコンバージョン失敗で,40-34。
後半,レッズ7(1T1C)-チーフス31(5T3C)。
合計,レッズ40(6T5C)-チーフス34(5T3C1P)。
チーフスは,トランスタスマンシリーズでNZ勢初の負けを喫した。レッズは,オーストラリア優勝チームとして,漸くNZ勢に一矢報いたが,チーフスSOダミアン・マッケンジーのレッドカードと,時間切れに助けられた辛勝だった。レッズにとっては,実に嬉しい勝利だが,今後のNZ勢との対戦に自信となりえるだろうか。
チーフスは,マッケンジーのレッドカードがなければ,他のNZ勢同様にレッズに完勝していた可能性が高かった。また,前半はティアティアのシンビンと合わせて13人で戦う時間帯があったなど,数的不利の影響を最後まで覆せなかった。しかし,今大会の特別ルールで,レッドカードの後20分間過ぎれば代替メンバーを入れられるため,これに大いに助けられ,あと5分あれば大逆転勝利になっていたかも知れなかい,惜しい負けとなった。
ハイランダーズ42-27レベルズ
ハイランダーズは,新型コロナウイルスがレベルズのホームであるメルボルンで発生し,ロックダウンとなったため,試合会場がNZのクイーンズタウンから,シドニーに移動した。それでも,監督代行クラーク・ダモーディの戦う気持ちに変わりはない。先発には,2番HOリアム・コルトマン,1番PRイーサン・デグルート,5番LOジャック・ディクソン,7番FLジェイムズ・レンチースが入った。レンチースは50キャップを迎える。リザーブには,16番HOアッシュ・ディクソン,18番PRジェフ・スワイテス,19番LOマナアキ・セルビーリキッティが移動した。日本代表姫野和樹は,20番のリザーブ。リザーブは,FW6人+BK2人となっている。
新型コロナウイルスの影響を受けているレベルズのアシスタントコーチであるジェフ・パーリングは,チームの動揺を抑えるように努めている。FLジョシュ・ケメニーの怪我により,7番FLにバイスキャプテンのマイケル・ウェルズを入れた。6番FLにはロブ・レオタが復帰している。14番WTBにラッチ-・アンダーソンが戻ってきた。19番LOのスティーヴ・カミンズは,プレーすればトランスタスマンシリーズの初出場となる。キャプテンは,12番CTBのマット・トゥムーア。試合直前の選手交代で,13番CTBキャンベル・マグナイが外れ,22番のステイシー・イリが先発。22番にはトム・ピンカスが入った。
2分,ハイランダーズ13番CTBマイケル・コリンズがトライ。10番SOミッチェル・ハントのコンバージョン成功で,7-0。
15分,ハイランダーズ14番WTBパテレシオ・トムキンソンがトライ。ハントのコンバージョン成功で,14-0。
27分,レベルズ11番WTBマリカ・コロイベテがトライ。12番CTBマット・トゥムーアのコンバージョン失敗で,14-5。
39分,レベルズ3番PRカボウス・エロフがトライ。トゥムーアのコンバージョン成功で,14-12。
前半,ハイランダーズ14(2T2C)-レベルズ12(2T1C)。
レベルズ11番WTBマリカ・コロイベテは,ディフェンスの弱さが出て,ハイランダーズBKを止められない。しかし,その後ハイランダーズの反則が続いて,レベルズに逆襲されている。
44分,レベルズ15番FBジョージ・ワースが49mのPG成功,14-15。
47分,レベルズ2番HOジョーダン・ウエレーゼが,自身の反則繰り返しと停止したボールを遠くに蹴り込んだ非紳士的行為でシンビン。
48分,ハイランダーズがゴール前のスクラムを押し込んで,ペナルティートライ。21-15。
52分,ハイランダーズ5番LOジョシュ・ディクソンがインゴールに入り,TMOの結果,トライ。ハントのコンバージョン成功で,28-15。
56分,ハイランダーズ11番WTBジョナ・ナレキがトライ。ハントのコンバージョン成功で,35-15。
60分,ハイランダーズ23番FWビリー・ハーモンが,チーム反則の繰り返しでシンビン。
62分,レベルズ17番PRマット・ギブソンがトライ。トゥムーアのコンバージョン成功で,35-22。
76分,レベルズ11番WTBコロイベテが2つ目のトライ。トゥムーアのコンバージョン失敗で,35-27。
79分,ハイランダーズ23番FWビリー・ハーモンがトライ。ハントのドロップキックによるコンバージョン成功で,42-27。ハイランダーズは,さらに1トライを重ねて,ボーナスポイント獲得を狙っている。
82分,ハイランダーズ9番SHアーロン・スミスがインゴールに入ったが,TMOの結果ノッコンが確認されてノートライ。
後半,ハイランダーズ21(4T4C)-レベルズ15(2T1C1P)。
合計,ハイランダーズ42(6T6C)-レベルズ27(4T2C1P)。
ハイランダーズは,後半レベルズがシンビンで1人少ない時間帯を有効に使うとともに,BKの個人技の差を見せてトライを重ね,点差を引き離した。しかし,ホームゲームからアウェイに相当するシドニーに移動した影響(実質レベルズのホームゲーム)が,79分までの得点差に出たように思える。ハイランダーズWTBジョナ・ナレキの,セブンズ仕込みの個人技は素晴らしい。
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