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<書評>「トウィッケナムの隠された日々」

“The Secret Life of Twickenham(トウィッケナムの隠された日々)” Chris Jones クリス・ジョーンズ著 2015年 Aurum Press オーラムプレス社

『トウィッケナムの隠された日々』

去年ロンドンへ行ったときに、ちょっと面白そうだと思って購入した本。在宅勤務で時間的余裕ができたので、最近読んでみた。内容はトウィッケナムラグビー場の開設や改築にまつわるビジネスの話や、ラグビー場のマネージメントにまつわることばかりで、もっとラグビー自体が書かれた内容を期待していたので、正直つまらなかった。

だから、感想としては、5点満点で2点といったところだが、ラグビー関係の知識を増やすためには、いくつか気になったポイントがあったので、それをご紹介したい。

1.トウィッケナムをホームとしているのは、ピエロ柄の多色ジャージを使用しているハーレクインクラブ(地理的近さからは、リッチモンドクラブも使用)。しかも、開設当初から使っているので、現在も使用料金が安い。また、今のような近代的なスタジアムでなかった時代は、試合をするたびにロッカールームをプレーするチームのカラーで表示していたが、ハーレクインが多色ペイントを使っていたおかげで、その都度ペイントするのが楽だった。

2.トウィッケナムの南スタンドには、ラグビープレヤーの銅像がある。そこには、イングランド協会の5つの信条が書かれている。それは、team works(チームワーク), respect(全てを尊敬), enjoyment(エンジョイすること), discipline(規律・自律), sportsmanship(スポーツマンシップ)。

3.現在のトウィッケナムのチケットには、ワイン付きの3種類のコースによるランチ、バー利用券、試合プログラム、試合後の懇親会、選手が着替た後の懇親会への参加、元選手による講演を一括したものがある。これは、日本でも導入して欲しい。

4.トウィッケナムにはホテルレベルの施設がある。130人のシェフ、32のキッチン、12,500人分の食事、155室の特別室、36ヶ所のファストフード、58ヶ所のバー、120人のビール販売の売り子。
2014年のアイルランド戦では、48,323パイント(1パイントは、日本の中ジョッキぐらいの大きさ)のベックスビール、18,560パイントのIPA(インディアンペールエール)ビタービール、4,048パイントのストロングボウサイダー、89,616パイントのギネスビールの、計160、547パイントが販売された。これは、80,000人の観客が1人2杯(パイント)を飲んだ計算になる。ラグビーとビールは切っても切れない縁があるのです。

5.他の歴史について
1910年 最初の国際試合のプログラムが1ペニーで販売された。
1921年 国際試合で最初の背番号をジャージに付けた。
1952年 南アフリカ戦のプログラムが1シリングで販売された。
1958年 ジャージ供給会社のミスで、ウェールズがエンブレムなしのジャージでプレーした。
1970年 現在のような、プレヤーの詳細を記載したプログラムを販売。
1988年 オーストラリア戦のレセプションに、初めて女性が招待された。

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