<ラグビー>2024年シーズン(12月第四週)
(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)
○ ある秋の日の朝だった。救急車の音が妙に近いな、うるさいなと感じたが、その後止んだので気にしなかった。午後、管理員さんのところへ用事があって行ったところ、午前中に亡くなった人がいて、棺桶を出すのにはエレベーターの壁を拡張する鍵が必要だが、いつ入用になるかわからずに困っているとのことだった。
夕方、玄関の外に管理員さんがいたので、声をかけたところ、今ちょうど棺桶を搬出するところだと言っていた。そういえば、ついさっき若い女性が慌てて玄関の外に出て、じっと駐車場出入口を見て、携帯電話で写真を撮ろうとしている。その傍で管理員さんが見送りをしていた。
私も、このマンションで死んだら、そして管理員さんがまだ仕事をしていたら、同じように見送ってもらうことになるのだろうな、とふと思った。
○ 英語で亀のことは、一般的にTurtleタートルと思われているが、正確には海亀のことで、陸亀はTortoiseトートイズという。これは、恥ずかしながら、最近『不思議の国のアリス』を原書で読んだときに気づいた。しかし、アニメの「忍者タートル」は、どうみても陸亀だが、タートル=海亀の名前を使用している(英語原題も同じ)。ちなみに、海亀は手足が鰭状になっている上に、甲羅に収納できない。もちろん陸を自由に歩くのは大変だ。従ってアニメの忍者は、明らかに陸亀でしかない。
それから、アリスのこの陸亀と海亀の掛け合いは、原語でないと面白さがわからないので、翻訳は大変だと思うし、他にもPurposeパーパス=目的とPorpoiseパーパス=まいるか(真イルカ)との掛け合い等もあって、翻訳するとその面白さがわからないから、「アリス」シリーズは、英語圏以外では大人向けの物語だと思う。
1.リーグワンディビジョン1結果
三重ヒート23-21ブラックラムズ東京(HT6-14)
ヒートはSOのマヌー・ヴニポラ、ブラックラムズは、SHのTJ・ペレナラと、本来SOの伊藤耕太郎がFBで先発するのが楽しみ。
試合は、地力に優るブラックラムズが前半をリードするが、後半失速してしまい、81分にヴニポラにPGを決められて逆転負けした。
静岡ブルーレヴズ15-13神戸スティーラーズ(HT3-13)
ブルーレヴズの11から15番は全てカタカナ系というのはなかなか面白い。最も、カテゴリーAが3人だから、日本代表には協力している。スティーラーズは、昨年と余り変わらないメンバーなので、コミュニケーションは良い筈。
スティーラーズは、前半をリードするが、後半62分にレッドカードが出て、ブルーレヴズに追い上げられる。そして、83分にはシンビンを出してしまい、15人対13人の数的不利から、85分にブルーレヴズがトライ、さらにコンバージョンを決めて、劇的な逆転勝利となった。負けたスティーラーズは、続けて出した反則で自滅した結果となった。
東京サンゴリアス12-33埼玉ワイルドナイツ(HT0-13)
サンゴリアスは、SHに福田健太、ワイルドナイツは、松田力也が抜けたSOに山沢京平、FBに山沢拓也という陣容。
試合は、サンゴリアスが繰り返しアタックを試みるが、ワイルドナイツが堅いディフェンスで得点を許さない。そして、一度アタックのチャンスを得れば確実に得点するという、ワイルドナイツの勝ちパターンが最後まで続いた。サンゴリアスは、SH福田、FB河瀬諒介、5番LOハリー・ホッキングスらの期待された選手が活躍できなかった。
一方、ワイルドナイツは、山沢兄弟に加えて、6番FLベン・ガンター、NO.8ジャック・コーネルセン、20番FL大西樹らが活躍した他、12番CTBダミアン・デアレンデ、7番FLラクラン・ボーシェーが世界トップのプレーでチームをけん引した。もしワイルドナイツが、2024年の日本代表と試合をすれば、ワイルドナイツが確実に勝利すると思われる程チームが熟成している。今年も断トツの優勝候補ではないか。
また、SOとFBに人材を欠いている日本代表は、ワイルドナイツの山沢兄弟をそのまま代表としてプレーさせれば良い結果につながると思う。また、ガンター、コーネルセン、大西、WTB竹山晃暉、FB野口竜司を代表入りさせるべきではないか。
スピアーズ船橋東京ベイ30-27トヨタヴェルブリッツ(HT10-21)
スピアーズは、12番CTBに廣瀬雄也、ヴェルブリッツは、SHにアーロン・スミス、SOに松田力也と豪華なメンバー。
試合は、75分に27-27の同点になり、82分にスピアーズが劇的なDGを決めて勝利した。ヴェルブリッツに移籍した松田は良いプレーを見せていた。また、アーロン・スミスがリードしていた時間帯はヴェルブリッツが良い内容だった。
相模原ダイナボアーズ31-19浦安D―Rocks(HT9-11)
ダイナボアーズFBカートリー・アレンゼ、D―RocksはSOオテレ・ブラック、12番CTBサム・ケレビ、FBイズラエル・フォラウと豪華。
試合は、キックオフからPGを重ねる堅い展開の後、ダイナボアーズにシンビンが出て、D-Rocksがその間にリードする。しかし、シンビンが明けた後は、地力に優るダイナボアーズがトライを重ねて完勝した。
横浜イーグルス21-28ブレイブルーパス東京(HT16-7)
イーグルス6番FLビリー・ハーモンは良い選手。SHはファフ・デクラーク。ブレイブルーパスは、ワーナー・ディアンズの出場停止で、4番LOは伊藤鐘平、6番FLシャノン・フリッゼル、SOリッチー・モウンガと役者が揃っている。
試合は、ブレイブルーパスにシンビンが出て、イーグルスがリードする。しかし、シンビンが明けた後、ブレイブルーパスの反撃が始まり逆転して、16-21とする。ところが、イーグルスがトライを返して、64分に21-21の同点。勝負は混沌としたが、70分にブレイブルーパスが鮮やかなサインプレーからのトライを挙げて勝負を決めた。シンビンになったとはいえ、良いタックルだったフリッゼルは、シンビンから戻った後はトライを挙げるなど、攻守に目覚ましい活躍をしていた。オールブラックスに是非戻したい選手だ。負けたもののイーグルスは、ベテランSHデクラークとベテランSO田村優のHB団は安定しているので、今シーズンも上位に実力を見せた。
2.主なニュースなど
(1)グローバルユースセヴンズで、日本の女子代表が優勝
NZのオークランドで行われた、18歳以下の女子セヴンズ代表(NZ及びオーストラリアは複数チームを登録)で、日本代表が準決勝でNZ代表を28-19で破り、決勝はオーストラリア代表に26-15で勝利して、見事な優勝を果たした。日本が年齢別レベルとはいえ、海外の大会でNZやオーストラリアの強豪相手に勝利して優勝したことに、世界が驚いている。また、ベストチームに、日本の木川海(キャプテン)、レイラニ・ナイヤガ、大内田葉月(BKバイスキャプテン)の3人が選出された。
(2)ワールドユース大会で、NZのケルストン・ボーイズハイスクールが優勝
アブダビで開催されたワールドユースラグビーフェスティバルで、ケルストン・ボーイズハイスクールが、決勝で南アフリカのポール・ルース・ギムナジウムを20-12で破り、NZ勢として三連覇を達成した。
3.大学選手権準々決勝結果
早稲田53-10近畿(HT24-5)
早稲田はキャプテンのHO佐藤健次がハットトリックをするなど、格下相手に圧勝した。
大東文化12-59京都産業(HT0-40)
前半京都産業が大きくリードして早々に勝負を決めた。実力差は大きかった
天理21-24明治(HT0-10)
明治は、ゴールキッカーでもあるCTB平翔太とトライゲッターのWTB海老澤琥珀を欠く布陣となったが、キャプテンのNO.8木戸大士郎が戻って来た。そして、BKプレー中心の天理に対して、ブレイクダウン及びFW戦で優位に立ち、モールから3トライを挙げるなど、59分までに0-24と大きくリードした。しかし、その後は攻守に奮戦したFW陣に疲れが出てしまい、天理に3連続トライを取られたものの、最後に逃げ切った勝利となった。最後の20分間は良くない部分が多かったが、他の時間帯のディフェンスは、天理に得点チャンスを与えない良いプレーを連発し、特にMOMになった6番FL最上太尊は、素晴らしいプレーぶりだった。こういう地道なプレーをする選手がいるときの明治は強い。なお、伊藤龍之介はランが武器なので、SOより12番CTBが適任だと思うのだが・・・。
関西王者として臨んだ天理だったが、スクラムが安定しなかったため、アタックの起点ができなかったことに加え、反則の多さが明治にゴール前のラインアウトからのモールで攻められる原因となっていた。しかし、最後に地力をあるところ見せられたのが、慰めとなっていた。
明治は、東海と天理を撃破し、次は対抗戦で完敗した帝京との再戦となる。天理戦を見れば、スクラムに不安定さが残るものの、ラインアウトを支配し、ブレイクダウンは圧倒、また60分までのディフェンスは非常に良かった。しかし、アタックについては、フィニッシュのところで孤立してしまうなど、詰めの甘さが見えていた(さらに2トライは取れていた)ので、こうした部分の修正が必須となるだろう。また、平と海老澤が復帰してくれば、BKのアタック力は倍増するので、対抗戦のようなゲームにはならないはずだ。そして、早稲田が決勝に出てくれば、対抗戦のリベンジが待っている。
帝京73-24慶應(HT38-14)
帝京は11番WTB日隈太陽がハットトリックの活躍で、対抗戦同様に圧勝した。力の差があり過ぎる試合を、シーズンに二回やるのは楽しくない。
準決勝の組み合わせ
早稲田対京都産業
順当なら早稲田だが、京都産業の外国人パワーは侮れないので、数年前の再現があるかもしれない。
明治対帝京
対抗戦では帝京が完勝した。しかし、ここまでの道程を比べれば、帝京は厳しい試合をしていないのに対し、明治は天理との激戦を経験しているのがチームとしての強みになるだろう。