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<ラグビー>2024年シーズン(7月第一週)

(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)

 最近図書館で「National Geographicナショナルジオグラフィック」誌を英語の勉強を兼ねて読もうとしても、いつも貸し出し中になっているため、その隣の「Newton ニュートン」誌を読むことが多い。先日地球の構造に関する特集を読んでいたら、LLSVPというマントル深部にある「巨大低速度領域」というのが面白かった。昔学校で教わった地球の構造は、地殻・マントル・核ぐらいしかなかったが、その後の研究で、マントルが三層に分かれているほか、核も外核と内核に分類されている。そしてLLSVPというのは、このマントルの外核に近い深部にある限定された領域で、地震波の伝わり方が遅くなっているため、流動しているマントルではない何か固いものがあると推測されており、アフリカ東部と南米東部付近にそれぞれ一つの大陸規模であるらしい。
 
 ここで私の想像は一気に飛躍する。LLSVPというのは、地球奥深くに位置する一種の「大陸」であるから、当然そこに何かがいる。それは地底人という名称が適当かも知れないが、私は宇宙人だと思っている。よくUFOは大洋の底から出現しているという事例があるが、LLSVPから通常の大陸へ抜け出るには、特定の穴を人類が居住する地域に作る必要があるため、そうした必要がなく、また地殻の層が薄くなっている大洋に出入口を作っているのだと思う。もちろん、マントル対流の高温対策は、星間移動をするようなUFOの技術を持っていれば対応可能だ。・・・さらに私の想像は飛躍する。この二つのLLSVPは、実は古代に「ムー」及び「アトランティス」と呼ばれたものではないか、と。そうであれば、もうひとつの「レムリア」という第三のLLSVPが発見されるだろう。
 


1.テストマッチなどの結果


ジャパンXV26-14マオリオールブラックス


 ジャパンは、引き続き練習試合のような経験値のないメンバーを中心に構成したが、22番BKに大ベテランの立川理道を入れる不可解な23人となっている。マオリは、第1戦からほとんど変更のないベストメンバーで臨み、よりチームとして熟成した成果を発揮することが予想された。しかし、試合が始まってみると、マオリは得意のアンストラクチャーの場面を作り出せない他、ハンドリグエラーを多発した一方。ジャパンは第1戦で課題となったエラーを改善し、ほとんどミスのないプレーで終始得点で先行していき、最後は快勝した。マオリに対して、若手主体のメンバーで初めての勝利を得たことは、特筆すべき結果となった。一方、負けたマオリとしては、バーバリアンズのような見て楽しい、プレーして楽しいラグビーをすることの限界を感じることとなった。

オールブラックス16-15イングランド


 イングランドは、日本戦から1番PRジョー・マーラーと3番ウィル・スチュアートを入れ替えただけのメンバーとした。リザーブの17番PRフィン・バクスターと23番BKオリー・スレイトホルムがそれぞれ初キャップとなった。18番PRダン・コールは、ジェイソン・レナードと並ぶ、イングランドで二番目の最多記録となる114キャップを達成した。

 オールブラックスは、スコット・ロバートソン監督としての初戦を、手堅いメンバーで固めてきた。初キャップは一人もおらず、6番FLサミペニ・フィナウの1、FBスティーヴン・ペロフェタの3が少ないものとなっている。多いのは23番ボーデン・バレットの123,HOコーディ・テイラーの85、NO.8アーディ・サヴェアの81、SHのTJ・ペレナラの80である。総キャップ数は934。32歳のペレナラは、2022年にイングランドと25-25で引き分けた試合以来のテストマッチとなった。また、14番WTBセヴ・リースは、今シーズンのスーパーララグビーのトライ王だが、FBペロフェタとともに2022年以来のテストマッチとなった。

 なお、この試合は、エベレストを最初に登頂したNZ人(英国隊に参加)サー・エドモンド・ヒラリーを記念して、ヒラリー・シールド(楯)となっている。

 試合は、前半を10-10で折り返した後、イングランドが二つ目のトライで10-15とリードするが、その後オールブラックスが2PGを刻み(3つ目のPGはキッククロックで無効とされてしまった)、16-15で辛勝した。試合後のキャプテンのスコット・バレットのコメントでは、ブレイクダウンでの攻防が課題となったと言っており、苦戦したことを物語っている。一方イングランドとしては、アウェイでのオールブラックス戦勝利に向けた自信を持つ結果となった。来週の第二戦で、両チームがどこまで改善できているかが注目される。

オーストラリア25-16ウェールズ


 7連敗中のウェールズは、カーディフのCTBベン・トーマス(3キャップ)をSOに抜擢する想定外のメンバーとした。トーマスは、カーディフでも今シーズンは1試合しかSOをプレーしていない。また、スピードのある20歳の前U20代表ジョシュ・ハサウェイを14番WTBに入れた。

 オーストラリアは、7人の初キャップとなる選手を入れた。その先発は、4番LOジェレミー・ウィリアムスと13番CTBジョシュ・フルックの二人。リザーブからは、17番PRアイザック・カイレア、19番LOアンガス・ブリス、20番FLチャーリー・ケイル、22番SOトム・ライナー(マイケル・ライナーの次男)、23番WTBディラン・ピーチとなった。また、リザーブ16番HOビリー・ポラードは1キャップのみである。キャプテンは、5キャップのFLリアム・ライトを指名した。LOラッカン・サラカイアロトは、2021年以来のテストマッチとなった。SHはジェイク・ゴードン、SOはノア・ロレシオが復帰した。いずれも、今シーズンのスーパーラグビーでのプレーを適切に評価したものとなっている。

 試合は、前半を13-8とリードしたワラビーズが、後半もそのままリードし、対ウェールズ戦8連勝を達成し、NZ人ジョー・シュミット監督のワラビーズとしての初勝利となった。また、前任者エディー・ジョーンズが崩壊させたチームの立て直し第一歩でもあった。ウェールズは、シックスネーションズからの不調から抜け出せないでいる。

南アフリカ27-20アイルランド


 南アフリカは、試合メンバー23人中20人を昨年のRWC優勝メンバーで固めた。アイルランドは、FBに初キャップとなるレンスターのCTBジェイミー・オズボーンを入れ、対スプリングボクス4連勝を目指す。

 スプリングボクスは、カートリー・アレンゼとチェスリン・コルビの両WTB世界ランク1位のアイルランドに対して、前後半ともに優勢にゲームを進めて完勝した。アイルランドは、アウェイのゲームとはいえ課題が残る結果となった。来週の第二戦が注目される。

アルゼンチン13-28フランス


 アルゼンチンは、4位となった2023年RWCから先発9人を入れ替えた。キャプテンは95キャップのHOのフリアン・モントーヤ、SOは引き続きサンチャゴ・カレーラスとなっている。リザーブの19番LOフランコ・モリーナと20番FLバウスティタ・ペデモンテが初キャップとなった。フランスは、先発に7人、リザーブに2人の初キャップとなる選手を入れた。そのうちの一人である12番CTBアントワーヌ・フリッシュは、フランス生まれながら祖母がアイルランド人であることから、2022年にアイルランドの選抜チーム(エマージング・アイルランド)でプレーしていたが、最終的にフランス代表を選択した。

 若手主体のフランスが、前後半ともにリードを保ち、世代交代を図るアルゼンチンに完勝した。アルゼンチンとしては、第二戦での巻き返しを期したい。

カナダ12-66スコットランド


 スコットランドは、先発に5人、リザーブに5人と計10人の初キャップとなる選手を入れ、Bチーム主体のメンバーとしている。また、スコットランドは、この後にアメリカ、チリ、ウルグアイとティア2国チームと対戦するため、若手育成の機会となっている。(参考:ジャパンXVは、こういう試合でプレーするためのメンバーであり、世界のトップ10に入るマオリオールブラックスを相手にするべきチームではない。)

 試合では、スコットランドが格下相手に順当に圧勝した。一方のカナダは、チームの低迷状態からなかなか抜け出せない状況となっている。

2.U20世界大会結果(二試合目)


 南アフリカで開催されている、U20世界大会の二試合目の結果は以下のとおり。強豪が順当に勝利したが、南アフリカがアルゼンチンに、オーストラリアがイタリアに負けたのが、それぞれアップセットとなった。

アイルランド22-16ジョージア
ウェールズ31-10スペイン
フランス26-27NZ
  NZは、前半を11-0とリードされ、その後逆転したが、77分には26-24と再逆転された。しかし、80分のSOリコ・シンプソンのPGで劇的な勝利となった。FWの奮闘、BKのタレントそしてSHディラン・プレッジャーの優れたプレーが勝因となった。

イングランド48-11フィジー
南アフリカ12-31アルゼンチン
オーストラリア12-17イタリア
 

3.その他のニュースなど

 

(1)マイケル・フーパーがオーストラリア協会からの引退を表明

 オーストラリアのラグビー史上数々の記録を持っているオープンサイドFLのマイケル・フーパー、32歳は、自らのインスタグラムで、パリオリンピックへ向けたセヴンズへの挑戦を終えた(メンバー外となった)ことから、オーストラリア協会でのラグビーから引退することを表明した。しかし、ラグビーから完全に離れることになるのか否かは確認されていない。

 フーパーは、15人制で数々の記録を持っている。ワラビーズとして125キャップ、スーパーラグビーでは、ブランビーズで31キャップ、ワラターズで141キャップの計172キャップに加え、ワラビーズの第82代目のキャプテンとして、2014年から69試合を重ねた。ワラビーズのデビューは、2012年のスコットランド戦で、翌年のブリティッシュアンドアイリッシュ・ライオンズを迎え撃ったメンバーとなった。また、最初の6年間では6試合しかテストマッチを欠場しなかったことは、フーパーがいかに重要なメンバーであったかを証明している。

 2015年RWC準決勝では、23歳61日という最年少での50キャップを達成した。2020年には12人目となる100キャップを最年少で達成した。その年の南アフリカに30-18で勝利した試合で、ジョージ・グレーガンが持っていたキャプテンとしての最多試合記録を更新した。オーストラリアの選手が選ぶ最優秀選手賞であるジョン・イールズ・メダルを、2013、2016、2020、2021年の4回受賞している。また、ワールドラグビーの最優秀選手賞に二回候補となった。フーパーの持つ125キャップは、ワラビーズで4番目となるが、最後の試合は2023年の南アフリカ戦である。この試合の後、前監督エディー・ジョーンズによってスコッドから除外されたため、フーパーは15人制のキャリア継続が難しくなり、セヴンズに転向して、2023年の香港セヴンズからオーストラリアチームに参加していた。

(2)ポーシャ・ウッドマンウィクリフがオリンピック後に代表からの引退を表明


 NZ女子ラグビー史上最高の選手といっても過言でない、WTBポーシャ・ウッドマンウィクリフが、今回のパリオリンピックのセヴンズ終了後、全ての代表レベルから引退することを表明した。クラブレベルなどでのゲームには、引き続きプレーすると思われる。

 15人制及びセヴンズでプレーしたウッドマンウィックリフは、当初ネットボールで活躍していたが、その後2012年にラグビーに転向し、ブラックファーンズセヴンズの一員となり今や伝説的な選手となっている。15人制の女子RWCでは2017年と2022年に優勝、セヴンズRWCでは2013年と2018年に優勝、オリンピックの金メダルと銀メダル、コモンウェルスゲームの金メダルと銅メダルをそれぞれ獲得した。また、女子RWCで最多の20トライ、ブラックファーンズのテストマッチ最多となる8トライ、セヴンズワールドシリーズでは通算258トライをそれぞれ記録している。

 2015年にはワールドラグビーの最優秀女子セヴンズ選手、2017年と2020年には15人制の女子最優秀選手、そしてこれまでの10年間にわたって、セヴンズの世界では最高の選手の一人として大活躍してきた。今回のパリオリンピックは、彼女にとって三回目かつ最後のオリンピックとなる。

<個人的見解>
 彼女は、女子ラグビー界のジョナ・ロムーに匹敵するスーパースターだったと思う。そして、ロムー以上の、フィジカルの強さ、スピード、切れ味あるステップ、固いディフェンス、強い精神力を持っており、ラグビー選手としてこれ以上のものは望めないほどの素晴らしい存在だった。彼女がボールを持った瞬間、セヴンズでも15人制でも、一瞬で相手を抜き去り、タックラーを弾き飛ばしてトライを重ねるイメージを期待してしまうが、、彼女はそれを十中八九実現してくれる、まさに無敵・無双とは彼女のためにある言葉だった。こんな素晴らしい選手のプレーを、同時代の人間としてライブで体験できたことを感謝したい。

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