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【映画】『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』/セカンドチャンスを与えられることで人は変われる

皆さん、こんにちは、こんばんは。
ついに公開されました!『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』!!

今回は深夜最速上映にて鑑賞した後、すぐさま2回目鑑賞も決め込んできたMCUきってのはみ出しものたちのストーリー完結編です。

noteでMCU作品について触れるのは初めてになりますが、細かい考察や原作アメコミとの比較などは詳しい人に任せましょう。

ファンムービーとして優れながらも、大切な人を亡くしたならず者ヒーローたちが紛うことなき家族になる物語に心突き動かされること必至。

では、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』について、私の感じた良かったポイントなどを紹介していきましょう。

※前半はネタバレなしであらすじの紹介、後半はネタバレありで解説していきますが、過去の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズやMCU作品のネタバレに繋がる小ネタに触れる部分もあるかもしれないのでお気をつけください。

①『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』/作品紹介(あらすじ)※ネタバレなし

アベンジャーズの一員として世界を救った《ガーディアンズ》の、最後にして最大のお祭り騒ぎ!サノスとの戦いで最愛の恋人を失ったショックから立ち直れないピーターが率いるガーディアンズに、銀河を完璧な世界に作り変えようとする最凶の敵が現れ、ロケットは命を失う危機に...。大切な仲間の命を救うカギは、ロケットの過去に隠されていた。全銀河の運命とチームの存続を懸けた、最強の落ちこぼれチームvs最凶の完璧主義者の感動のラスト・バトルが今、始まる──。

MARVEL公式サイト『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』作品紹介より

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』では、インフィニティ・ストーン争奪戦の末、強敵ロナンを倒し、その後はみ出し者チームを結成。
続編の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』では、チームリーダーのピーター・クイルの父親エゴと対峙。驚異的な力を持つエゴを前に苦戦を強いられたガーディアンズの面々だったが、なんとかエゴを凌ぎ惑星を脱出。
それから、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』や『アベンジャーズ/エンドゲーム』では、アベンジャーズの一員として宇宙を脅かす存在であるサノスを打ち破り、世界を救うことに成功しました。

しかし、クイルは恋人のガモーラを失い、失意と絶望から酒に溺れることになります。スピンオフ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル』で、チームのみんなからクリスマスプレゼントとして尊敬するケヴィン・ベーコンを贈られた(地球から拉致してきた)のも束の間、彼の傷は完全に癒えることはありませんでした。

そして迎えた最新作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』は、彼らの完結の物語であり、チームメンバーのロケットの過去が明らかになる切ない話
さて、今回彼らはどんな苦難や強敵に立ち向かうのか、というのが簡単なあらすじです。

②『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』/監督とメインキャストの紹介

◆ジェームズ・ガン(監督・脚本)

ジェームズ・ガンは、1966年にアメリカのミズーリ州セントルイスで生まれ育った脚本家・映画監督。
これまでの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの監督を担ってきたお馴染みの人ですが、実はこの3作目を監督するにあたり紆余曲折がありました。
左派でドナルド・トランプ元大統領の批判を繰り返していながら、小児愛やレイプ、ホロコースト、人種差別、エイズなどにまつわる不謹慎ジョークを繰り返しており、それが原因でMCU作品を手がけるディズニーから解雇を言い渡されるのです。
クリス・プラットやデイヴ・バウティスタら主要キャストが、彼の発言については肯定しないながらも復帰を求める公開書簡に署名。2019年3月には、作品の監督復帰が決まったのです。

こんなお騒がせエピソードがありながらも、そんな最中マーベルのライバルアメコミでもあるDC作品『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』やドラマ『ピースメイカー』でも監督を担い、作品を成功させてきました。

◆クリス・プラット(ピーター・クイル/スター・ロード役)

クリス・プラットは、1979年、アメリカのミネソタ州バージニア州出身の俳優。
テレビドラマ俳優としてキャリアをスタートさせ、『マネーボール』への出演をきっかけに話題映画にも出演するようになります。
2014年に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の主演としてチームリーダーのピーター・クイル役に抜擢。以降、『ジュラシック・ワールド』シリーズや日本でも話題沸騰中の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』などに出演。

主人公のスター・ロードことピーター・クイルは、地球人として生まれ育ちながらも出生は謎に包まれたまま、ラヴェジャーズに誘拐され宇宙海賊として育てられます。
映画では1作目にラヴェジャーズと決別し、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーを結成。その後、父親のエゴと対立し、”アベンジャーズ”の一員としてサノスを打倒し、ガーディアンズの面々と変わらず新たな冒険に旅立つことになります。
戦い方は近接戦闘や銃の射撃を得意とし、ラヴェジャーズに育てられたことにより身についた身のこなしや盗みの技術を駆使します。類まれな戦闘センスで、様々な特殊道具を使って戦うことを得意としています。

◆ブラッドリー・クーパー(声の出演:ロケット役)

ブラッドリー・クーパーは、1975年、アメリカのペンシルバニア州フィラデルフィア出身の俳優・映画監督。
ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』で俳優デビューし、2012年公開『世界にひとつのプレイブック』では作品も演技も共に評価され、アカデミー賞やゴールデングローブ賞などで主演男優賞にノミネートされました。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのロケットの声としてもお馴染みとなりますが、2018年には『アリー/スター誕生』で監督デビュー。自身も主演し、素晴らしい歌声も披露しました。

ロケットは今作の実質的な主人公。遺伝子改造されたアライグマの姿をした生き物で、被験対象“89P13”と呼ばれています。これは1作目の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』でもノバ軍に捕えられた際に「89P13、武器を捨てろ」と呼び掛けられています。
気性が荒く口が悪いアライグマですが、とても仲間想い。彼のルーツやなぜこんなに仲間想いなのかは今作で語られるのでしょうか。
頭脳明晰で銃火器の扱いに慣れており、小さい体ながら戦闘能力は高いです。宇宙船の操縦もでき、様々な道具の修理などができることからエンジニアとしての能力にも長けているチームになくてはならない存在。

◆ヴィン・ディーゼル(声の出演:グルート役)

ヴィン・ディーゼルは、1967年、アメリカのニューヨーク州ニューヨーク出身。
やはり彼の代名詞といえば『ワイルド・スピード』シリーズの主人公ドム役でしょう。ほか、『トリプルX』や『シュガー・ラッシュ:オンライン』などに出演しています。

グルートは樹木型ヒューマノイドで、「ボクはグルート」の言葉しかしゃべりません。1作目では大型の樹木型怪物としてロケットの相棒として初登場しましたが、惑星ザンダーでの戦いで粉々になってしまい、2作目以降では2代目グルートとして活躍しています。可愛らしいベイビー・グルートから『アベンジャーズ』シリーズへの出演を経て成長しており、今作では1作目同様の大型樹木怪物になっています。
戦いでは、変幻自在に自分の枝を伸び縮みさせることができ、とてつもないパワーを誇ります。剣などで欠損されることもありますが、自然再生できるのが強み。

◆デイヴ・バウティスタ(声の出演:ドラックス役)

デイヴ・バウティスタは、1969年、アメリカのバージニア州アーリントン出身。
2000年にWWE(当時WWF)に入団しプロレスラーとして活躍。パワータイプのスターレスラーとして活躍し、WWE王座2回、世界ヘビー級王座4回と世界王座に複数輝きました。2020年にはWWE殿堂入り。
レスラー時代から映画出演を重ね、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のドラックス役でブレイク。その後、『ブレードランナー2049』や『DUNE/デューン 砂の惑星』、『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』などの話題作に立て続けに出演しています。

ドラックスは、正確にはドラックス・ザ・デストロイヤーと名乗っています。
サノスに妻と娘を殺害された過去(実際に手をかけたのはロナン)を持ち、復讐心が行動原理でしたが、ガーディアンズの面々と行動を共にすることで穏やかさを取り戻していきます。ちょっと天然なところもあり、シリーズのコメディリリーフとしてなくてはならない存在。
戦闘では、弾丸に耐えうる強靭な肉体と破壊的なパワーを持ち合わせており、無鉄砲で俊敏。愛用の短剣の二刀流を得意としています。

◆ポム・クレメンティエフ(マンティス役)

ポム・クレメンティエフは、1986年、カナダのケベック州出身のフランス国籍の女優。
2013年に『オールド・ボーイ』でハリウッドデビューし、そこですでにアクションができる女優としての腕前を披露。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』への出演を機にMCU作品の仲間入り。

マンティスは、ドラックスとの凸凹コンビとしてコメディリリーフとしても活躍。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル』では、クイルの妹だということが明かされました。
触れた人の心を読んだり感情を操ったりするエンパシー能力が彼女の持ち味。作中であえて語られることはありませんが、落下してきた宇宙船の破片が当たっても無傷なほど頑丈な体でもあります。

◆カレン・ギラン(ネビュラ役)

カレン・ギランは、1987年、イギリスのスコットランド・インヴァネス出身の女優。
2006年に探偵シリーズの出演で女優デビューし、2014年『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』1作目からサノスの娘ネビュラ役としてMCUの仲間入り。
以降も『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』や『ガンパウダー・ミルクシェイク』などに出演し、アクション俳優として活躍しています。

ネビュラは、サノスの義娘として育てられ、サイボーグに改造されました。シリーズに登場するガモーラの義理の妹でもあります。
ガーディアンズに時折協力するようになり、サノスの”指パッチン”以降も生き残ったため、アベンジャーズの一員として宇宙救出に一役買いました。
サノスの英才教育により戦闘能力に長けており、徒手空拳による格闘技術はかなりのもの。サイボーグの全身を道具として使うことができ、変幻自在な戦闘を得意としています。「そんなこともできるんだ!」という驚きを毎回与えてくれます。

◆ゾーイ・サルダナ(ガモーラ役)

ゾーイ・サルダナは、1978年、ニュージャージー州パセーイク出身の女優。
『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』や『ターミナル』などの話題作にも出演していますが、やはり代表作は『アバター』のヒロイン・ネイティリ役でしょう。

ガモーラは、サノスの娘で殺し屋として育てられ、ネビュラの義姉。しかし、今作のガモーラと過去作に登場したガモーラは別人です。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のガモーラは、クイルらと共にガーディアンズの一員として活躍するようになりますが、『アベンジャーズ エンドゲーム』ではサノスがソウルストーンを手に入れるために生贄として崖から突き落とされ絶命。その後、アベンジャーズが最終局面で戦うのが過去からタイムスリップしてきたサノス軍でした。今作に登場するガモーラはこの一員の生き残りで、もともとクイルが恋していたガモーラとは別人なのです。
戦闘はネビュラ同様にサノスから受けた英才教育で培った徒手空拳を使った暗殺術。ゴッドスレイヤーという愛剣を装備しての剣術にも定評があります。

◆ショーン・ガン(クラグリン役)

ショーン・ガンは、1974年、アメリカのミズーリ州セントルイス出身で、その名の通り、ジェームズ・ガン監督の血縁者。弟ですね。
俳優として活動しており、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのほか、テレビシリーズなどでもバイプレイヤーとして活躍。

クラグリンは、ラヴェジャーズの一員で一等航海士兼船長補佐という肩書きでした。最初は脇役でしかありませんでしたが、活躍の場を広げていき、正真正銘ガーディアンズの一員に。元船長のヨンドゥの片腕として活動しながら、彼の死後はヨンドゥの武器ヤカの矢を引き継ぎます。いまだうまく扱えませんが、今作では上達した姿を見せてくれるのでしょうか。

◆マリア・バカローヴァ(声の出演:コスモ役)

マリア・バカローヴァは、1996年、ブルガリア出身の女優。
ブルガリア映画に出演していましたが、2020年にはモキュメンタリー『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』に、600人以上の女優オーディションを勝ち抜いて役を手にしました。アカデミー賞でも助演女優賞にノミネートされるなど、突如スターダムに躍り出ています。

コスモは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』1作目から登場しており、コレクターのラボにコレクションの一つとして幽閉されていました。今作から本格的にセリフが与えられ、クラグリンとのコンビで楽しませてくれる存在に。
ソ連によって宇宙に送られた過去を持ち知性を持った犬です。念力を操ることができ、今作ではその能力でガーディアンズの助けになるのでしょうか。

◆ウィル・ポールター(アダム・ウォーロック役)

ウィル・ポールターは、1993年、イングランドのロンドン出身俳優。
『メイズ・ランナー』や『レヴェナント:蘇えりし者』、『ミッドサマー』など話題作に立て続けに出演しています。

アダム・ウォーロックは、今作が初登場ですが、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』のエンドクレジットで、ソヴリン人のアイーシャが新たに開発したバース・ポッドに”アダム”と名付けた意味深なシーンがありました。
満を持しての登場となりましたが、彼は強大なパワーを秘めています。映画ではアイーシャを母と慕いますが、宇宙エネルギーを使い、飛行能力もあるため、ガーディアンズの強敵として立ちはだかることでしょう。

◆チュクウディ・イウジ(ハイ・エボリューショナリー役)

チュクウディ・イウジは、1975年、ナイジェリア出身の俳優で舞台メインで活躍しています。
『ジョン・ウィック:チャプター2』への出演のほか、テレビシリーズにも多数出演しており、今回『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』でMCU初出演となりました。

ハイ・エボリューショナリーは、今作のヴィラン
彼はマッドサイエンティストで、全ての生物を強制的に進化させ理想郷を作ることを夢見ています。ロケットの誕生と何らかの関係があると言って間違いないでしょう。

③チームとして成長し真の家族になる物語(※ネタバレあり)

ガーディアンズのメンバーは、天界人と地球人のハーフであるクイルや喋るアライグマのロケット、樹木型ヒューマノイドのグルート、緑色の肌のガモーラ、サイボーグのネビュラ、灰色の肌に赤い部族紋様の入った筋肉質なドラックス、カマキリのような見た目のマンティスなど、よく言えば個性豊か、悪く言えば奇抜なメンバーで構成されたヒーローたちです。

これまでのシリーズで、彼らはガーディアンズのチームを結成したことにより、それぞれを助け合いながら生活してきました。

しかし、今回はチームの中核であるロケットが死の瀬戸際とも言えるピンチに陥り、全員でロケットを救おうとする物語になっています。
そもそも彼らは大切な人を失った過去を持っており、なかでもクイルは8歳の頃に母を病気で亡くし、『エンドゲーム』では最愛のガモーラを失いました。自らの手でとはいえ、実の父であるエゴも打倒しました。
そんな彼にとって、ガーディアンズは家族同然。もちろん他のメンバーにとっても同様です。

今作では冒頭からアダム・ウォーロックが、ガーディアンズが復興させているノーウェアに襲撃してきて驚異的な戦闘能力で彼らを陥れていきます。直接的に攻撃を受けてしまったロケットは瀕死の状態に陥り、キルスイッチが埋め込まれていることにより救命措置でも助けることができません。

ロケットは壮絶な誕生と実験の過去があり、クイルたちはキルスイッチを解除するためにもハイ・レボリューショナリーがいる星に向かう必要があったという具合です。

このようにクイルをはじめとしてガーディアンズの面々は、大切な仲間であり家族であるロケットを救うために、危険でいっぱいの敵の本拠地に乗り込むのです。

しかし、敵は凶悪な組織。力と恐ろしい野望を持って人々を支配するハイ・エボリューショナリーにくわえ、高等技術を駆使する戦闘要員が多数存在する”カウンター・アース”。
ガーディアンズはこれまで以上に結束力を強め、力を合わせなければこの数ある強大な敵に勝つのは至難の業なのです。

ただそこはシリーズを重ね、結束を強めていったメンバー。阿吽の呼吸で決まったフォーメーションがあるかのように、攻め込む要員を決めていき、テンポよくことを進めていきます。
MCUは”アイアンマン”や”キャプテン・アメリカ”、”ソー”、”スパイダーマン”など、単独のヒーローを主人公に据えた作品を多く生み出してきました。”アベンジャーズ”として結集するまでは、単独作で強力な”個”に対峙するのが基本でした。

しかし、”ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”は違います。最初から完結編となる今作まで、”チームとしての成長”を描いているのです。
最初は個別の考えでバラバラに動いていた彼らも、大切な仲間を救うためという共通の目的に向けて互いを補い合い行動しています。
誰一人として欠けては目的が達成できないのです。

これは会社という組織にも似ています
もちろん営業にはエースという存在がいますが、エース営業の能力は替えが効かないからこそエースなのです。そんなエースが病欠する、退職する、それだけでエース依存の組織は弱体していきます。
だからこそ、仕組みを作ることが必要ですし、チームとしての強固な関係づくりが必須なのです。もちろん営業に限った話ではありません。
組織という”個”で活動するものではない以上、会社の成長には全員で弱点を補い合うことが重要になってくるのです。

”ガーディアンズ”の面々はそれぞれが足りないところだらけ。だからこそ助け合うし、私たち現代人でも共感できる部分が多分にあるのだと思うのです。

私が特に感動したのは、終盤の沈みゆく敵の本拠地に向けて、まだ助けなきゃいけない子供たちがいるとロケットたちが脱出とは逆の方向に向かうところです。
これが彼らガーディアンズのヒーローとしての在り方なのです。利己的ではなく、利他的で、自分よりも他人。助けられる命があるのならば、命を賭けてでも助けに行く、ということです。
今作の中で語られるロケットの悲しい過去。ライラをはじめとしてティーフスやフロアと、仲間を誰一人として救えなかった後悔があります。

今回、ロケットの壮絶な過去を知るにあたり、私が思い出したのは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』1作目に、ロケットがドラックスに向けて放ったひと言。

「甘ったれるな。みんな大切な人を失ってる。他人を巻き込む言い訳にするな」

この言葉には彼の体験してきた後悔と悲しい過去があったからなのだと納得しました。

この時からずっとロケットの行動は一貫しているんですよね。
こうやって彼らは真の家族になっていったのです。

④人間は不完全ーだからセカンドチャンスを与える必要がある

今作で特に刺さったシーンが、アダム・ウォーロックに対するグルートの振る舞いです。

アダムは驚異的な力を持って、ノーウェアの”ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー本部”を襲撃し、ロケットに瀕死の致命傷を与えます。
ハイ・エボリューショナリーと対抗する今回の戦いにおいて、アダムは何度も彼らの前に立ちはだかります。

物語の終盤、アダムは致命傷を負ってしまい、滅びゆくカウンター・アースに取り残され死亡する、というシナリオでもおかしくありませんでした。
しかし、そこでグルートが手を差し伸べ、彼の命を救ったのです。

「俺はお前らを殺そうとしたんだぞ」

アダム自身、ガーディアンズを何度も追い込んだことを自覚しているからこそ、不思議で仕方ありません。
ただ、グルートはこう返します。

「ボクはグルート(訳:誰もがセカンドチャンスを与えられるべき)」

素晴らしいじゃないですか。

その後の展開で、リーダのクイルが脱出に間に合わず、宇宙空間に取り残されてしまいます。唯一、宇宙空間でも飛行することができるアダムが、クイルに手を差し伸べ、彼を救ったのです。

人は不完全だからこそ間違いを犯します。アダムは成長過程の途中でバース・ポッドから生み出され、中身が赤ん坊のまま世に解き放たれました。

彼は暴力でしか物事を解決してこなかったところを、セカンドチャンスを与えられたことにより、人の命を救うという正しい行動をとったのです。
結果的に、アダムはガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーとなり、新たな道を歩み出したのです。戦力的にもかなりありがたいことですが、今後の彼の再登場が楽しみですね。

⑤誰一人として捨てキャラを出さない手腕に脱帽

今作は150分という長尺でした。近年の大作映画は長尺になることが多く、なかでもMCU作品はここ最近のフェーズ4〜5は150分超えがかなり多くなっています。

体感時間の感じ方は人それぞれですが、やはりキャラクターの多さも相まって長さを感じざるを得ないというのが本心でした。

ただし、『アベンジャーズ エンドゲーム』が182分という長尺に感じないほどあっという間だった感覚に似ていて、今作については150分という長尺が苦に感じませんでした。

『ガーディアンズ』シリーズは登場人物が多いため、それぞれに活躍の場を作るとなるとどうしても長尺になるということでしょう。
しかし、この長尺をうまく活かして、本当に捨てキャラがいないというほど、全員に見せ場がありました。

クラグリンとコスモの見せ場を終盤にもきちんと持ってきてくれたのは良かったですね。
序盤では、クラグリンがコスモに対して「悪い犬だ」と揶揄するシーンが描かれ、コスモはそれに怒り「訂正して!」と懇願します。
終盤クラグリンがヨンドゥの教えをもとにヤカの矢を見事に操ってピンチを脱したかと思いきや、最後の一体に避けられてしまいます。絶体絶命のピンチにコスモが救出に現れ、彼女の念力で敵を叩き潰したのです。
ここでクラグリンが「良い犬なんだ」とセリフを放つのが実に熱いじゃないですか。

その後、物語のラストではガーディアンズの中核メンバーが解散することに。クイルとマンティスはそれぞれの人生を歩み、ドラックスとネビュラはノーウェアの復興に力を注ぐことに、ガモーラはラヴェジャーズに自分の居場所を見つけ、ロケットとグルートだけが残されることになります。
彼らは引き続き”クソ”ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーを率いることになりますが、そのメンバーの中にクラグリンとコスモがいるんですよね。さらにはアダムまで。

この新生ガーディアンズも今後活躍の場はあるのでしょうか。気になって仕方ありません。

⑥おわりに

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』はCome and Get Your Loveで始まり、Come and Get Your Loveで終わる、というこの音楽構成も実に素晴らしかったですね。

シリーズを通して、プレイリストムービーとしても秀逸で、これはジェームズ・ガンがかなりこだわったのでしょう。
だからこそ、監督は3作品とも変わらずにガン監督であり続けてくれたのは本当に嬉しかったですね。

まだ今作の見どころや語りたいポイントはいくらでもありますが、以下のツイートの通り【5月9日(火)21:30〜】は、ネタバレ感想スペースをTwitterで開催するので、お時間ある人は聴きにきてください。録音も残す予定です!

ではでは、長々と読んでくださった皆様、ありがとうございました!
アディオス!!

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