みなさん、こんにちは、こんばんは。
今回はウィル・スミス主演最新作『バッドボーイズ RIDE OR DIE』の公開を記念して、「#あなたにとってのベストウィル・スミス映画」特集をいたします。
大人気シリーズついに完結か!?
そんな新作公開に備えて、ウィル・スミスのこれまでの勇姿を振り返っていこうではないですか。
2024年6月16日(日)22時〜𝕏のスペースで配信した「#EDDIEのかく語りき」第29回目のトークテーマについてまとめていきます。
細かい話は配信の方で語っていますので、アーカイブを聴いていただけると幸いです。
①EDDIEのピックアップ映画/映画『蛇の道』『あんのこと』
◆『蛇の道』
いやぁ柴咲コウが素晴らしかった!
正直、本作はリメイク前のオリジナル版に引っ張られないほうが楽しめるなとは感じました。それだけオリジナル版が異質なものだったからです。
哀川翔の醸し出す異様な雰囲気と不可解さ、香川照之の取り憑かれたような異常性など、この2人のアンサンブルが素晴らしかったのは僕もそう感じていました。
ただ、今回はオリジナル版から主人公を女性に変更して、フランスという土地に場所を移して撮ったわけなんですが、内容がとても洗練された印象でした。一つの復讐劇として一本筋が通っていて、非常に観やすかったなと。
だからこそ、フレッシュな状態でこの作品を観ることを個人的にはお勧めします。
たぶん映画に何を求めているかでこの映画の評価って、180度変わると感じていて、おそらくオリジナル版に魅了された人たちはあの作品にこそ感じさせるその異質さや異様さに魅力を感じていたのかなと。
一方、僕はこのリメイク版には洗練された感覚すら覚え、オリジナル版の不可解さはなりを顰めながらも、とても理解しやすい復讐劇になっていたなと。
黒沢清監督自身のセルフリメイクということで、どれだけオリジナル版を意識したのかというと、まず完全に初見の人のために作られたということ。スタッフにも「絶対にオリジナルは見ないでくれ」とお願いしたほどです。
そして、今作で異質さを放っていたのは間違いなく西島秀俊演じる患者・吉村の存在でしょう。
一体、彼の役割とはなんなのか。物語のメインストリームには絡まずに退場していく模様に多くの人たちは驚かされたはず。
とはいえ、僕自身は今作における吉村の存在は必要不可欠だと考えています。
今作の主人公は柴咲コウ演じる精神科医の小夜子。彼女はダミアン・ボナール演じるアルベールの復讐に手を貸していますが、基本的に1人の時は無力です。いや、無気力なのです。
それを表す象徴的なシーンが自宅でルンバを空虚な表情で見つめるだけの小夜子の姿。ルンバは汚れているところを掃除するという目的のもと、延々と床を掃除し続けます。そこに感情はありません。
一方、小夜子は同じようにある目的のためだけにアルベールの復讐に手を貸しているのですが、彼女もこの目的を失った瞬間に精神科の患者である吉村と同じ状態に陥ってしまうのです。つまり、復讐を遂げている小夜子が普段精神科医として働いている姿を見せる上での患者としての役割を果たすのが吉村であり、彼女の対比となる存在として登場するのが吉村です。
黒沢清監督がオリジナルを観ないことを前提に作った作品のため、僕個人としてもオリジナル版を観ずに鑑賞することをおすすめします。
ただ、あえてオリジナル版と比較して、本作が素晴らしいと感じたのは主人公のキャラクターの違いです。オリジナル版では前述の通り、哀川翔が見事な怪演を見せてくれていますが、一方で柴咲コウの新島小夜子は女性であり、異国の地で働く精神科医であり、日本に夫の存在があり、日常は自転車で移動するなど、彼女自身のパーソナルな部分がこれでもかと描き出されています。
さらには、一見冷静に見える彼女の性格も、復讐を果たしていくにつれて真実に近づき感情が昂ってしまうシーンがあります。それを冷静であるはずの彼女自身の意思で止めるのですが、その後も大柄な男性との格闘で苦戦するなど、哀川翔の新島とは異なる人間的な弱さを多く見せているのです。
アルベールも同じくですが、彼女たちはプロの殺し屋でもなんでもないわけですから、用意周到に復讐を遂げていくのではなく、どこか行き当たりばったりだったり、一つ間違えれば警察に捕まるのも時間の問題だったりと犯罪の不完全性が表出するのです。そのあたりの人間的な欠陥として映るからキャラクターとして魅力的になり、映画も面白いと感じさせると言えるでしょう。
◆『あんのこと』
日本社会の闇、なんでこんなに辛い物語ばかり…しかしそれが現実なんです。
というのも一部の脚色を除き、この映画はほとんどが実話に基づいて作られています。ネタバレになるので、記事の内容にも言及は避けますが、2020年にとある事件が起こります。
その話を知った國實瑞惠プロデューサーが企画を持ち出し、入江悠監督が脚本から手がけていったとのこと。
この物語が導き出す役割としては大きく2つあります。
1つは確かにこんな事件があったんだという事実を知ること。僕たちは起きてしまったことをやり直す事はできません。ただ、事件を知ることでこれから起こる何かの抑止力にはつながるのではないか。詭弁かもしれませんが、そうやって目の前の一人ひとりに向き合い、手を差し伸べることで救える命があるかもしれないと気づくことがこの映画を制作したこと、観客が観ることの意味や意義なのかなと感じました。
もう1つは河合優実という実力ある役者の存在を知ること。
パンフレットでも書かれていましたが、「杏の人生を生き返す」という意気込みで役に入り切ったとのこと。そんな彼女の演技が本当に素晴らしくて、観ているこちら側はあっという間に彼女に魅了されてしまいます。
義務教育すら受けられなかった厳しい現実と、しかしほんの少しだけ差し込んだ光に希望を持って笑顔を見せる瞬間。現実に諦めを持った表情から希望とちょっとの喜びを知った時の表情の違いが彼女の今作における演技での魅力だと僕は感じました。
②AppleTV+最前線
今回のAppleTV+最前線では、ウィル・スミス特集を企画しているということでAppleオリジナル映画『自由への道』をご紹介します。
■映画『自由への道』
【近日配信の新作】
■ドラマ『サニー』/2024年7月10日配信開始
③7月期待の新作映画
隔週第3日曜日の恒例である、「来月の注目新作映画」についてまとめていきます。
本コーナーはリスナー参加型で実施しており、まずは私が観ようと思っている次月の注目新作映画を紹介していきます。
その間にリスナーの方々にコメントをいただきながら、次月にどんな映画を観るかの参考になるような時間にできればと考えているコーナーです。
私の趣味嗜好だけでなく、リスナーさんからの注目映画を教えてもらうことで、「そんな映画があったんだ!」「それ面白そう!」とかの発見になれば嬉しいと考えて設けています。
【EDDIEの7月公開の注目新作映画】
●『ビバリーヒルズ・コップ アクセル・フォーリー』/2024年7月3日配信開始
●『フェラーリ』/2024年7月5日公開
●『ブリーディング・ラブ はじまりの旅』/2024年7月5日公開
●『SCRAPPER スクラッパー』/2024年7月5日公開
●『メイ・ディセンバー ゆれる真実』/2024年7月12日公開
●『キングダム 大将軍の帰還』/2024年7月12日公開
●『大いなる不在』/2024年7月12日公開
●『怪盗グルーのミニオン超変身』/2024年7月19日公開
●『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』/2024年7月19日公開
●『怨泊 ONPAKU』/2024年7月19日公開
●『デッドプール&ウルヴァリン』/2024年7月26日公開
●『ロイヤルホテル』/2024年7月26日公開
【リスナーさんの6月公開の注目新作映画】
●『先生の白い嘘』/2024年7月5日公開
●『DitO』/2024年7月26日公開
④「#あなたにとってのベストウィル・スミス映画」特集
さて、今回のメイン企画「#あなたにとってのベストウィル・スミス映画」特集です。
まずは俳優ウィル・スミスについて簡単にご紹介しましょう。
元々、ラッパーとして音楽の世界でエンターテイメントの道に足を踏み入れた彼も、気づけば誰もが知るハリウッドのスーパースターです。
今回はそんな彼のフィルモグラフィをたどりながら、Xで投稿してもらった「#あなたにとってのベストウィル・スミス映画」のタグを集計し、ベストウィル・スミス映画のランキングを発表いたします。
まずは2票を集めて同率6位だった作品から紹介していきます。
■同率6位『ドリームプラン』/2票
■同率6位『エネミー・オブ・アメリカ』/2票
■同率6位『バッドボーイズ』/2票
■同率6位『幸せのちから』/2票
■同率6位『アイ・アム・レジェンド』/2票
■同率6位『ALI アリ』/2票
続きまして、ベスト5を一気に発表してまいります!
■5位『ハンコック』/3票
◆同率3位『アイ,ロボット』/5票
◆同率3位『インデペンデンス・デイ』/5票
◆2位『メン・イン・ブラック』/6票
👑1位『バッドボーイズ2バッド』/10票
◆最新作『バッドボーイズ RIDE OR DIE』/2024年6月21日公開
◆まとめ
配信コラムは以上です。
改めてウィル・スミスの映画を振り返ってみると、どの作品でもカッコよさが際立っていながらも、コメディ俳優として笑わせる演技も忘れない、そんな彼の姿勢が多くの人に愛される所以なのかもしれませんね。
さらには『アイ・アム・レジェンド』の続編まで製作発表されています。同作1作目ではDVD版にのみ収録された別エンディングがあり、その後の物語を続編として描くそうです。さらにマイケル・B・ジョーダンの共演も決まっており、新旧スター俳優の共演には心躍るものがありますね。
次回の配信は七夕の7/7(日)22時〜、いつも通りXのスペースよりお送りします。次は記念すべき第30回目。特集コーナーなどはXでまた告知しますので、お気軽に聴きに来てもらえたら嬉しいです!
今一度、今回配信のアーカイブを貼り付けておきます。
ではまた会う日まで!アディオス!