「伝わる広報紙」ってどんな広報紙?
大切な情報、読者に伝わってますか?
こんにちは! 広報うちこの中の人、兵頭です。
今回は私が広報紙を作るときに大切にしていることを書きます。
それは、住民の皆さんに「伝わる広報紙にする」ということです。
あなたは、「伝わる」ってどういう状態か、深く考えたことはありますか?
会話なら相手が目の前にいるから反応などで分かります。でも紙面で伝える相手は読者。ほんとに伝わっているかどうかは、一人一人に感想などを聞かないと分からないですよね。だから、作り手側が「伝わる広報紙」と言っても、独りよがり、一方的になっている場合があるので注意が必要です。
伝わるの定義
自治体広報の担当者さんが、これから「伝わる広報紙」を目指すなら、私は次の「伝わる」の定義を大切にすればいいと思っています。
一番大切なのは、住民の皆さんから「広報紙を読む時間をいただいている」という考え方だと思います。もう少し言うと、「行政側に伝えたい情報がどれくらいあるか」ではなく、「住民側がどのくらいの情報量なら受け取れるか」なのです。細かい情報を詰め込んだ結果、全然読まれない、ということが多々あると思います。
👆 私の尊敬する元広報担当者の記事です。こちらも合わせて読んでいただくと、より理解が深まると思います。
「受け取れる情報量」は人それぞれ
自分の町の人たちを思い浮かべてください。どれくらいの時間、読まれていますか。「持ちタイム」って言ったら分かりやすいかもですが、人によっては数十秒ですかね。パラパラとめくって見る感じの人が多いのではないでしょうか。手に取ってもらえればまだましで、ポストに入ったままとか最悪です。広報担当者がこれを見ると大ダメージをくらいます。
話がそれました。
では、普段は全然読まない「持ちタイム0秒」の人を想像してみてください。その人には、どうやったら情報が伝わるのでしょうか?
例えば、こんなことがあるかもしれません
たまたま表紙が目に入って、手に取った → 5秒獲得
パラパラとめくって中身を見てみる → さらに15秒獲得
知り合いが出ていて記事を読んだ → さらに40秒獲得
との想像ですが、興味が増えるたびに持ちタイムが増えるはずです。
トータル1分使ってもらったのですが、大事なのは次。「この人が満足したかどうか、内容が伝わったかどうか」です。1分が無駄じゃないと判断してもらえた場合のみ、もしかしたら「次のページも見てみよう」「来月号から見るようにしようかな」と、「持ちタイム0秒の人」じゃなくなるかもしれません。つまり、
「伝わる広報紙」というのは、この積み重ねができている広報紙なのです。
っって想像したら「伝わる」状態にするのは、すぐに情報が伝わる工夫が必要ということ、興味を持ってもらえる紙面を作り続けることが大切、ということが分かってもらえると思います。「読者の時間をいただいている」と考えると、見やすさ、読みやすさは、ホントに大事。なんの工夫もない広報紙のお知らせ記事までをじっくり読んでくれる人は、ほんとに稀です。
じゃあ、どうやって作る「伝わる広報紙」
紙面を構成する要素には「テキスト(本文)」「写真」「タイトル」などがあります。大変なのは、特集記事やお知らせ記事で行政が伝えたい要素と、読者が目にする要素の順番が逆になっていることにあります。
◎行政が伝えたいこと
テキスト(本文) > リード文 > タイトル > 写真 > レイアウト
◎住民が見る(見るかどうか判断する)順番
レイアウト → 写真 → タイトル → リード文 → テキスト(本文)
要は、一番大事な本文を読んでもらうためには、細部まで手を抜けない! ってことです。本文の書き方一つとっても、読みやすい文章にする技術があります。もう、深すぎます。沼落ちです。
ただ、全部のページを細部まで凝るのは時間的に難しいのが実情です。なので、次の3つほどから取り掛かってみてはどうでしょうか。
子どもが出るページを増やす
お知らせ記事は、重要度で大きさを変える
写真がメインの見開きページを作る
広報うちこでは、上の3つに加え、毎月特集を組むことを心掛けています。
少しずつ変えていくことで、効果が目に見えてくるというのは、広報紙作りの仕事のいいところなので、焦らず、負担をかけ過ぎず、できることから少しずつ変えてみてください。
担当10年目の私も技術的にまだまだですが、「伝わる広報紙」を作るために学んできたことを、要素ごとに少しずつ伝えられたらと思います。一緒に深い沼に入ってくれるという人がいたら、ご案内します(笑)ので、次回からもよろしくお願いします。
広報うちこの最新号も出ています。「伝わる広報紙」になっているか、ぜひご確認ください。
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