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「初めての人生の歩き方――毎晩彼女にラブレターを」(有原ときみとぼくの日記) 第247話:ただきみを守りたい。

「恋愛の真の本質は自由である」シェリー


 お昼まで眠ってから彼女と娘とご飯を食べてみんなで映画を見てみんなで晩ご飯を食べて、そして一緒の部屋で眠りにつく。
 その当たり前の生活が当たり前にならないように、ぼくはときどき悪夢を見る。不幸に慣れてしまうと不幸が幸せだと勘違いしてしまうのだ。だから幸せな生活を無意識のうちに壊してしまいそうになるのだが、自殺願望のある男がなかなか死なないのと同じで、結局なんだかんだ言ってもぼくは幸せに対して前向きな信用もしているのだ。

 それは現に幸せだという理解があるからだろう。

 彼女と一緒に住む前はすぐに会えない存在だった。一緒に住んでからは常に傍にいる存在になった。しかし本当は知っている。傍にいるのが常ではなく、傍にいるのは奇跡なんだということを。

 幸せとはその小さな連続のことだとぼくは思う。

 けらけらと笑うその声が部屋中に響き渡るとき、ぼくは自分の罪が少しづつ溶けていくような錯覚を覚える。
 罪などもとからどこにもないはずなのに、潜在的に作り上げようとするのは、それはぼくたちは罰を欲しているからからだ。

 罪がある世界は生きやすいのだ。

 彼女に出会ってからぼくは罪を償うように生きようと決めた。彼女は白かった。だからぼくは汚れを落としたかったのだ。ときどきふと、彼女を遠くに感じるときがある。なんて返事をしたらいいのか、なんて声をかけたらいいのか分からなくなるのだ。ぼくはきっと怯えているんだ。彼女の大きな愛に包まれることに。

 ぼくは彼女が心から好きだ。
 だから彼女を心から愛したい。

 彼女の髪が揺れる。掃除をしている彼女の首筋から汗が流れるのが見えた。ぼくはリビングもソファで寝転がっている。彼女の掃除している姿はとても儚い。まるで海に書いた砂絵のように風に吹き飛ばされてしまいそうなほど儚い。

 ぼくは立ち上がって彼女を抱きしめる。

 愛とは意思だ。
 ぼくはただきみを幸せにしたいんだ。

掃除も、夜ご飯も、ほんとうにきみは尊い。

だからぼくは怖くなる。

急に逃げたくなる。

でももう逃げない。

きみのように、

少しでもきみのようになれるように、

ぼくもしっかりと前を見つめるよ。

本当にありがとう。

不甲斐ないぼくでごめんね。

愛してるよ。

初めての人生、いつだって絶好調なわけがなく、ときにはどうしても失敗ししたり調子の悪いときだってある。

それは波のようだ。

ぼくたちはその波をなるべく静かにさせようと日々頑張っている。

しかし凪が本当に幸せかと言われたら、

それは分からない。

波があるから人は成長するし、

きっと人生も面白いのだろう。

だから大丈夫。

きっと大丈夫。

今日もありがとう。

今年も、残り104日。

またね。

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