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「初めての人生の歩き方――毎晩彼女にラブレターを」(有原ときみとぼくの日記) 第252話:帰るべき場所にその電車は辿り着くのか。

「創造力は知識よりも重要だ。知識には限界があるが、創造力は世界を覆う」アインシュタイン

★今日は #オカルト


 未来がなに一つ予期できないということは、もしかしたらぼくたちは常に未来人として過去をみているのかもしれない。
 そんなことをふと考えたのは、今日一日があまりにも予定外過ぎることのオンパレードだったからだ。
 職場のスイミングスクールでは受付での慣れない対応に子供のテストなどある程度予測はしていたものの、それらを軽く凌駕するほどの疲れることがたくさん起きたのだ。
 そして最近読んだオカルト雑誌の影響からぼくの頭は仕事と未来人のことで一杯になっていた。
  
 だからきっと今、電車の中から見たこともない駅が次から次へと通過していくのだろう。

 未来人がもしもいるとしたら、その未来人がぼくたちの世界に干渉した時点でその未来人がいた世界とは違う世界になってしまう。
 これがパラレルワールドの考え方だけど、果たして本当にそれでいいのだろうか。
 いや、とりあえずはなんでもいい。
 そんなことよりもぼくが今乗っているこの電車が何線でどこ行きかということだ。

 きさらぎ駅。

 昔、そんな名前のオカルトが2ちゃんで流行ったことがある。
 いつもの電車に乗っていたら見たことも聞いたこともない駅に辿り着き、そこで降りたのはいいけれど携帯の充電はなくなりそうでとにかく掲示板に投稿しながらなんとか帰ろうとする内容だったが、投稿主の充電が切れたのか掲示板への書き込みはそこで終わってしまったのだ。
 その話が嘘かどうかは分からないけど、もし本当だとしたらその人は果たして帰れたのだろうか。

 だからぼくはふと考えたのだ。

 予期できないことが起きる度に、ぼくたちはもしかしたら別の世界に移ってしまっているんじゃないだろうか、と。
 ずっと仲良くしていた先輩が急に不機嫌になって人が変わったかのように豹変してしまったとこや、今までずっと好きだったお菓子が急に嫌いになったりとか、そんな些細なことが起こるたびに前いた世界は消滅しており、そして新しい世界が生まれているのかもいしれない。

 そんなことを思いながら、ぼくはただ電車に揺られている。彼女にラインを送りたくてももう充電がない。
 見たこともない駅をまた一つ通り過ぎた。
 どこで降りればいいのだろうか。
 それともこのまま最終まで乗ってしまえばもしかして家に帰れるのかも、なんて考えながら車窓から外を眺めるとそこにはなにもない暗闇が広がっていた。

 明日は雨か。
 なんとくそんな気がした。
 ぼくはとりあえず目を閉じることにした。

帰る場所があるということ、

当たり前なんかじゃない。

きみと一緒に暮らすようになってからは特にそう思うんだ。

いつもありがとう。

だからぼくは頑張れるんだ。

愛してるよ。

また近々デートしたいです。

初めての人生、いつの間にかぼくたちは未来に来ていた。

子供の頃は大人になんてならないと思っていたのに、気がついたら大人になっていた。

人生は気がつかないうちに流れていく。

それもまた人生の醍醐味かもしれない。

今日もありがとう。

今年も、残り99日。

またね。

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