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「初めての人生の歩き方――毎晩彼女にラブレターを」(有原ときみとぼくの日記) 第267話:さようなら先輩。

「人生とは、その時々に自然に変化し、移りゆくものだ。変化に抵抗してはならない。それは悲しみを招くだけである」老子


 すごく好きだった先輩がある日を境に豹変して周囲から孤立するだけではなくこちらにも敵意を向けてきた。だから今日はその人を含め上層部とミーティングがあった。

 重たい空気。主任が口を開く。開口一番その先輩を問いつめるような言い方で場の空気は更に重くなる。みんなが青筋を立てる。誰かがつばきを飲み込んだ音が響く。当の本人は左腕を痙攣させている。その緊張感が伝わると、ぼくはもう我慢できなかった。

 いやいや、こんなん笑うやん!!

 ま、そんな感じでその先輩に対してみんなで意見を出し合い、話し合い、ときに笑い、ときに真剣になり、そしてミーティングは終了した。
 時間にして約1時間30分。

 成果はなし!!
 残念!!
 人を変えることは不可能!!
 よし!!
 解散!!

 そんな感じで溜飲を下すことはなく、ぼくは電車に乗り込んだ。

 その先輩は初めてあったときから確かに変わった人だった。しかし、仲良くなるにつれておおらかで優しい人だと分かった。のに、その人はコロナが流行り出したころから豹変した。いやもうほんとにびっくらぽんだった。急にキレだすし、急に攻撃するし、急に不機嫌になるし。

 もしかしたらコロナのせいかもしれない。

 畜生!
 コロナめ!
 あの頃の優しい先輩を返してくれ!!

 と、叫んだところでなにも変わらない。
 

 人生とは、その時々に自然に変化し、移りゆくものだ。
 変化に抵抗してはならない。
 それは悲しみを招くだけである。

 まったくもってその通りだ。
 その人が変わったのではなく、変わったのはぼくなのだろう。
 世の中は常に変化している。
 良くも悪くもそれは受け取り方次第だ。

 変化する世の中で、変化を拒もうものなら、それはきっと反抗なのだ。

 ぼくはそんなことを考えながら家に帰った。
 その先輩とはきっとまた以前のようには遊んだりはしないだろう。
 ただそのことに悲しみを覚えるわけではないのだが、それでも少しだけお酒が飲みたくなるのは、いくら老子でも勘弁してくれると思っている。

きみがいないと寂しい。

だから気をつけて帰ってきてね。

また楽しいお話をたくさん聞かせてね。

初めての人生、順調なときに限って荒波が起こる。

ただその波を起こしているのはきっと自分自身で、

そしてその波が来ることを心の底では望んでいる自分がいるんだと思う。

だから乗り越えられる。

絶対に。

今日もありがとう。

今年も、残り84日。

またね。

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