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つれづれ、北野坂探偵舎 著者には書けない物語



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あらすじ

大学に進学した小暮井ユキが出会ったのは、「ラバーグラス」という演劇サークル所属の大野さんと、シーンごとにバラバラとなった脚本にとり憑いているという幽霊の噂。「その事件、解決しちゃいませんか?」ユキは、サクッと持ちかけるが、駆り出されるのは、もちろんあの2人の“探偵さん”で…。“小説家”と“編集者”のコンビが、幽霊にまつわる謎を、物語を創るように議論しながら解き明かす、異人館の街をやさしく彩る探偵物語。

紀伊国屋書店オンライン


感想

今回は雨坂自身、雨坂と佐々波の過去、ノゾミちゃんが何者か、について色々と判明した巻だった。

朽木続の方が、朽木が本当の苗字なんだよな、雨坂?
雨坂という姓は、高校時代佐々波と親交のあった大学教授の助手をしていた雨坂の姉の姓。
それも結婚したから、朽木から雨坂に変わってた。
その結婚後の姓を何故弟である続が名乗っているのか、そこがまだ分からないとこだな。
それに、恐らく本名である朽木続を存在しない者といい完全にペンネームと思っての作者は本の中だけに留まるべきという発言。
教授と雨坂姉と雨坂とノゾミと佐々波を乗せた車が交通事故に遭って、雨坂と佐々波以外死亡した。
雨坂に至っては6年間眠り続けて、奇跡的に目を覚ました。
そして、雨坂の母親と思われし紫色の指先の霊。
その過去の亡霊、過去に囚われ続けている自身と周りの者のストーリー、そこには過去に囚われているのはあくまでも朽木続であり、6年後に目覚めた自身は雨坂続と名乗って区切っているのかなと考察。
ノゾミは雨坂姉の娘で、雨坂の姪っ子に当たる。
これには納得した。
あの聡明さと関係の深さを思わせる雰囲気、親族だよなやはり。

それにしても、雨坂は高校の頃から天才だったんだな。
五十音順からの逆五十音順で小説を書き上げてしまうなんて…。
それも内容が深くまだ読書に造詣の無かった読み手であるレイニーと佐々波を引き込むほどの力。
そして、結末はノゾミの読み物になるからとノゾミ向けのハッピーエンドにされた。
雨坂、ほんと天才だったんだな元々。

今回のキーとなるレイニーが、その頃の佐々波と雨坂にタイムリーで関わってたとはな。
偶然にしては凄いな。
レイニーと言えば、何故佐々波達を呼び出したのか気になるところ。
もしも、あの呼び出しに応じていなければ事故に遭わなかったのでは?
この部分、いつか分かるのかな。

そのレイニーが今回もう一人のキーである、ユキの進学した大学にある劇団サークル、ラバーグラスの全盛期時の脚本家宵野ランだったとは。
そのゴーストライターをしていたのは、依頼者大野の兄という(笑)
この合せ具合は少しこじつけすぎかなと思ったけど、色々と噛み合う気持ち良さがこのシリーズの良い所なのかな。
てっきり大野兄は亡くなったのかと思ったら、ちゃんと生きてた良かった。
レイニーも、これで報われたかな。
レイニーの心霊現象は自分の才能を継げる者に姿が見える、佐々波みたいな例外除く。
だから、レイニーが見えた大野兄にはそれだけの才能がちゃんとあって、ただゴーストライターに留まるだけの存在ではないことをレイニーも理解してた。
そして、本物になることを望んでもいた。
けど、それは宵野ランには通じてなかったのかもな。通じていたら、違った未来があったのかも。
宵野ランは彼なりにレイニーがより自由に才能を発揮出来る者とであってほしかったから、あの舞台と脚本をレイニーに捧げたんだな。

レイニーが最後にノゾミになんて伝えたのか気になる。
母に合う手段なんてあるんだな。
ノゾミの心霊現象はどんな感じなのだろう。


印象に残ったフレーズ

指先ひとつで世界を描写できる職業病かもしれない。

ページ数で本を選ぶのは、多くの読書好きが一度はおちいる病だと雨坂さんから聞いた。


読了日:2015/11/14 🌟🌟🌟


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