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廃工場のティンカー・ベル



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あらすじ

廃工場、廃線、廃校……etc.人けなくうち捨てられた廃墟には、何かの気配が残っている。いつまでも消えることなく、時間を経るほどにむしろそれは強く漂う。人生に疲れたら、うら寂しい場所に行ってみよう。その何かが足下を照らし、背中を押してくれる。閉じこもりOL、家出少年、行きづまった事業主──彼ら彼女らの今を劇的に変化させる6つの物語。心に響く短編集。

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感想

どの話も心にくるものがあった。
この人の紡ぐ言葉は、心にすっと落ちてくる。

廃線跡と眠る猫、廃園に薔薇の花咲く、が特に好きな話だった。
廃園は共感するところが多くてもう読んでてなんとも言えない気分になった(苦笑)
あの年頃に誰もがって訳じゃないけど、多くの人が経験して持つ感情が詰まった話だったと思う。


印象に残ったフレーズ

なのに、変えられない。笑顔の裏側で冷静に相手との距離を測る習慣を捨て去ることができない。

一年間、がんばってきたよっていう報告が一周忌。それでも気持ちの整理がつけられなかった分は三回忌に持ち越し。七回忌にはもう大丈夫だよっていう確認

遅くなってごめんねって言っちゃだめですよ。待っててくれてありがとうって、言わないと


読了:2012/09/26 🌟🌟🌟



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