ケーキの切れない非行少年たちを読んで

男だったら犯罪者だったかもしれない

「ケーキの切れない非行少年たち」を読んだ。
精神科医から見た未成年の犯罪者についての書籍だ。この書籍では未成年の犯罪者と発達障害、または知的障害や境界障害を絡めて詳しくその接な関係性が書かれている。

これを読んでまず思ったのは
私が男なら確実に性犯罪者になっていた
という事だ。

流し読みなので間違ったところがあれば許してほしいが(ここからは読者が本書を読んでいる前提で話す)未成年の性犯罪の(本書で書かれた)理由は「我慢ができなかったから」=「いじめや家庭内のストレスの発散として自分より弱い幼女を狙った」かららしい。

気持ちはわからなくはない。なんてったって私は性犯罪すらしなかったものの、未成年の頃、物に当たったり6つも下の弟に当たったりしていたからだ。

ここで問題なのが、(当時の加害者である私も含め)何が悪いのかわかっていない点である。
本書では度々「子供達は何が悪いのかわかっていない」ということが書かれていた気がする。(気がするというのはそこそこ長い本なので記憶があやふやだからだ)

それは病気ゆえに共感性などが欠如しているからだ。相手の気持ちが分からないからだ。
これもわかる。私は他人の気持ちが全く分からない。話も聞けない。それで何度も仕事でトラブルになった。

そして本書で語られる「物事が歪んで見える」という現象。これもわかる。なぜなら私は統合失調症だからだ。語ることもないだろうが、基本的に世界は敵に見えているし、世界は都合が悪く見えている。

その他、物を壊しやすい、計算ができない、見通しができない、対人スキルがない、不器用さ……etc


全てが他人事に思えなかった。
これはもう1人の私だ。


そして逆に若い時に犯罪さえ犯せば私は理解者を得られたのかと絶望した。

私は大学生の時に発達障害の一連の検査を受けている。結果は上100前半、下は80後半とかだったと思う。(詳しくは忘れた)でも健常者ですねーと言われたので(あぁこれでも健常者なのか)と絶望した覚えがある。

私は手足がうまく動かせない。走るのも下手だし、頭も悪いし、なんなら失敗経験はあれど成功経験はない。(前回の記事に詳しくは書いてある)

きっと犯罪を犯していたら、著者の方に出会っていたら、私の人生も変わっていたと思う。
それほどにこの本に書かれた犯罪者は恵まれていた。(勿論だがこれは発達障害など生きづらい人間に犯罪を勧めるような記事ではない。なんなら私は一度軽い性被害に遭っているので性犯罪者を嫌悪しているまである)ただ、私たちのような生きづらい人間は理解を得られないことが多い。どんなきっかけであろうと(被害者の気持ちを思うとやるせないが)理解者に出会えることは幸せなことだと思う。ただ犯罪者はきちんと刑を受けて反省して欲しい。私たちはその反省ができないのだけど。

大人の私にはもう後がない。犯罪なんか犯したら一気にニュースだ。

おそらくなんらかの障害を持っているのだろうが、それが表に出ることはない。
何故なら今の精神科医との相性が最悪だからである。

ある意味本書に出てくる彼らは救われているだろうな。犯罪を犯した方が救われるなんて皮肉な話だ。

と思ったそんな午後。

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