[メモ]映画100本ノック~「ローマの休日」「カサブランカ」~
『3年でプロになれる脚本術』尾崎将也著 の中に、映画100本ノックというのがあって、脚本技術に役立つような名画が100本並べられています。このnoteでは、脚本の勉強の観点から、その映画100本ノックで観た映画のストーリーをまとめ、印象に残ったシーンとその理由を言語化していきたいと思います。本日は「ローマの休日」と「カサブランカ」
以下、ネタバレ(?)注意です
1. ローマの休日
ストーリー
王女であることを窮屈に思うアンと金儲けにのためにアンの記事をスクープしようとする新聞記者が、ローマの街で共に1日を楽しく過ごし、アンは王女としての任務を全うすることを、新聞記者は欲のためにアンを売らないことを自ら選ぶお話。
印象的なシーン
アンがバイクをうばって自ら運転するシーン。街の中をかき回すように、通行人も車も関係なく暴走する。さすがにやりすぎ、危ないな、と思いつつ、とても微笑ましくて可笑しいシーン。その理由としては、王女としてのアンの窮屈さが観客側にも伝わっているからかもしれない。王女としての責任や周囲の期待が想像できるからこそ、天真爛漫、自由奔放に憧れのローマの街を駆け巡るアンの姿に、フレッシュさや爽快感を感じる。やりすぎ、ぐらいがちょうどいいのかな?
その他
この映画のテーマはきっと「欲に勝つこと」。アンは王女という責務を放棄したいという欲に、新聞記者は金儲けという欲に、それぞれ打ち勝った。そして、たった一日の想い出を心に刻み、それぞれの人生に戻り再び歩きはじめる。お茶目さや可笑しさをちりばめながら、欲に打ち勝つふたりの心の強さと切なさが描かれている。
2.カサブランカ
ストーリー
かつての恋人とカサブランカで再会し、自分の中にうごめく愛情と憎しみに振り回されながらも、最後は彼女のことを想い自ら身を引く物語
印象的なシーン
ん〜、やはり最後、リック(主人公)が身を引くシーンかなあ。あえて嘘をついたのは相手に気を遣わせないためにだったのかな、とか。そういう嘘つける人かっこいい。やり手なビジネスマンで心が薄情なのかと思わせといて、実は情にもろいという伏線が劇中でずっと貼られていたけど、その伏線が最後回収され心地よい感じ。
その他
テーマは「純愛」かなあ。リックも旦那も、彼女への純愛っぷりがすごい。信じる男性、信じられる女性。主人公の感情にゲスい部分が見えない綺麗な映画。大きな展開もないけれど、「純愛」という壮大なテーマが描かれている。
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ちなみに、ローマの休日が重要なキーワードになってくる金城一紀さんの『映画編』も非常に良くて好き。