夏に観たい映画「ブロークバック・マウンテン」
6月のテーマ、#夏に観たい映画 企画に乗っかってみます。
一生忘れられない、二人だけの夏。
「ブロークバック・マウンテン」
最後の数十秒で、こんなに胸が熱くなった映画は他にない。
同性愛が許されない時代に、密かにお互いを思い続けるイニスとジャック。
叶わないからこそ純度を保って切なく消えないふたりの夢と、あの夏の日々の記憶。
そんな普遍の感情が浮かびあがってこころに強く響きます。
↓ここであらすじ
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1963年、ワイオミング州のブロークバックマウンテン。
羊の放牧を行う夏だけの季節労働者として雇われた、イニス(ヒース・レジャー)とジャック(ジェイク・ギレンホール)。
過酷な環境の中、お互いを知るうちにふたりは一線を越えてしまう。
やがて労働期間の終了とともにふたりは別れ、それぞれ家庭を築くも、お互いを忘れることはなかった。
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ブロークバックマウンテン(ロケは違うところのようだけれど)の美しいけれど厳しい自然が、ふたりの一番幸せだった"ひと夏"を鮮やかに浮かび上がらせる。
ヒース・レジャーの抑えた無骨な演技も、ジェイク・ギレンホールの切ない表情(長い睫毛も)も、素晴らしい。
というか彼らの演技のおかげでこの映画が陳腐なものにならずにいられていると思う。
口コミに多いのは、「同性が好きなんだったら結婚しなければよかったのに。」というもの。
口で言うのは簡単だよね。でも、時代も今とは違う。
同性愛というだけで今では考えられないようなひどい差別にあった時代。
もちろんこの映画の中の妻たちの悲しみは計り知れない。
同性だから堂々とふたりで出かけて行ってしまうのを止められないし、誰かにばれたら家族みんなが差別されてしまうから相談もできない。
こんな出口のない悲しみは妻たちの心を容赦なく、すり減らしただろう。
でもこの映画は、同性愛や不倫を軸においた物語ではない。
たくさんのしがらみの中でも失うことができなかった人を愛する気持ち。
それが自分の中の記憶や想いに共鳴して、心が底から揺さぶられる。
まっさらな気持ちで観て欲しい、#夏に観たい映画 です。
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[小話]
イニスを演じたヒース・レジャーは、ダークナイト(バットマン)でジョーカーを演じたことでも有名です。
ところがその公開を待たず、薬物の併用による急性中毒で亡くなっています。
彼といい、リヴァー・フェニックスといい、若くして亡くなってしまったのが残念でなりません。