イタリア人とロンドンのイタリアンでイタリア料理を食べる
語学学校へ行き初めて1~2週間もするといろんな友達ができる。特に人数の多いクラスになってからは知った顔が何人もできた。人数が多いと言っても、良い学校ってのは上限が少なめで、教室が溢れ返るようなことはない。聞くところによると、ちょっと費用の安めな学校はこのへんがけっこう違っていて、1クラスの人数がとても多いんだそうだ。クラスだけじゃなく、ラウンジで知り合う生徒もいたりして、顔見知りはだんだんと増える。わたしは相変わらずロシア人の子と仲良しだったが、そこにイタリア人のクールビューティーが加わった。最初に授業以外での時間を共にしたのは、ランチだった。最初の頃はみんなランチもどこで調達すれば良いのか、どこか外で食べるのか、よくわからない。そこで、3人揃って近くのレストランに行ってみようということになったのだ。学校からものの数分のところにイタリアンレストランがある。他の子も数人誘って、わたしたちはそこでランチを取ることにした。
みな何も言わないけれど、イタリア人と一緒にロンドンのイタリアンに行くわけだから、そのへんは何となく気になる。わたしたちは大きなピザやパスタを頼んでシェアした。前に書いたけれど、その輪の中でイタリア人の彼女は一番英語がわからない。だけど、多分一番たくさん喋っていた。よく、外国語をマスターするためには、間違いなど気にせずどんどん喋るべきだと言われたりするし、日本人はそこが苦手だなんて言われたりするけれど、そういう意味で言ったら、すべての日本人のお手本になりそうなほどの気にしないっぷりだった。だけど、喋りたい、伝えたい、っていう気持ちだけはなんのストッパーも介さずに溢れ出てるわけで、何を言いたいのか周りが汲むのには十分だった気がする。もちろんそれは他愛もない話だからだけど。
言葉が通じない何人かが集まって通じない話をする。でもみんなガールズだから発する言葉の量は多い。つまり通じてない音だけがやたら飛び交っているテーブル、というわけだ。お喋りはそれでよかった。お互いわからないってことが前提でお喋りしているのだから。問題は味だ。そう、イタリア人がイタリアンでイタリア料理のピザを食べている。お眼鏡に敵うのだろうか。結局、彼女はそれを全部は食べなかった。曰く、「こんなのピザじゃない」・・・やっぱりか。
お昼休みは1時間。わたしたちは毎日外食はできないという調査結果を得て、明日からはテイクアウトの何かを探そうと思いつつ学校に戻った。ロンドンの物価は高い。しかも、1ポンド○○○円、みたいにちゃんと換算して考えると、とんでもなく全てが高く思える。わたしが渡英した時はたしか130円~140円くらいだった気がするけど。1ポンド100円、くらいにザル換算で割り切らないと何も買えないな。
これが最初にロシア人の子とイタリア人の子と外に出る機会だったのだが、この2人とはまた学校以外の時間を共にすることになる。そして、なんともインターナショナルなトラブルが起きてしまうことをこの時はまだ知らない。続く。
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