【創作絵本公開!】いのちのてがみ。
こんにちは!今回、私が初めて創作した「いのちのてがみ。」という絵本を公開しようと思います😊
私はカナダを旅していた19歳のとき、VEGANのドイツ人女性と出逢いました。そこから私自身も、動物を食べないという選択をする人生を歩むことに決めました。
この絵本を描いた理由は二つのあります。
一つは、『動物のいのちとは』を皆で改めて考え直せる機会を作りたかったからです。※VEGANになろう!と押しつける気はありません😊
もう一つの理由は単純に、自分が旅を終えたあとに創った作品を見てもらい、感動してもらいたい。と思ったからです。
この2つの想いから、物語は生まれました。
この絵本は、仔牛のコーがママを探しに大冒険する、愛の物語になっています。そんなに長いお話ではないので、是非最後まで読んでみてください🌱
【いのちのてがみ。】
あるところに、牧場で育った牛のコーがいました。コーはママの顔を見たことがありませんでした。
だからコーは、牧場を抜け出して、ママを探す旅に出ました。
目的地は『ちきゅうのもり』
大きな山を3つ変えた先に、すべての生きものが 仲良く平和に暮らしている森があるのです。
コーはママが、ちきゅうのもり にいることを信じて旅に出ました!
旅を始めたコーでしたが、そんなに簡単ではありませんでした。
「ぐー、ぐー、おなかすいたよ。」
牧場にはいつも食べものがあったけれど、旅中は 自分で探さなければいけません。
そんなとき、1匹のウサギさんが現れました。
「きみ、おなかすいたの?おいしい草がたっくさんあるところに、つれていってあげるよ。」
コーはおいしい草をたくさん食べて、いっきに元気になりました。
「ありがとう、ウサギさん。今までで いちばんおいしい ごはんだったよ!」
「どういたしまして。」
そのあと、コーとウサギさんは沢山遊びました。
しかし、お別れの時がやってきました。
コーは、泣きました。
優しくしてくれたウサギさんと、お別れするのが 寂しかったのです。
すると、ウサギさんが言いました。
「コー、あなたなら きっと大丈夫。この先つらいことがあったら、これを見て元気を出して。」
ウサギさんはそう言って、コーにお花をプレゼントしました。
コーはそのお花を大切にもって、また前に進みました。
ウサギさんとお別れしたあと、空は暗くなり、夜になりました。
「ううう、、さみしいよ。ウサギさん、ママ、会いたいよ。」
コーは丸くなって木のそばに座り込み、そのまま 眠ってしまいました。
だけど、大きな木はコーを温め、たくさんのお星様はコーをキラキラと照らしていました。自然もコーを守っているのです。
朝目を覚ますと、自然のパワーでコーはすっかり元気になっていました。
そして、山をよいしょ、よいしょと登っていき、沢山の動物たちや景色と出会っていきました。
シカの夫婦におもしろいお話を教えてもらったり、
ネズミの家族に温かいベッドの作り方を教えてもらったり。
コトリさんには歌を教えてもらいました。
コーは、沢山のことを知りました。
そして、お別れするときは皆、お花をプレゼントしてくれました。
コーはそのお花たちを無くさないように、大切にリュックに入れて、旅を続けました。
ゴールはもう、すぐそこです。
10日間 旅をつづけたコーは、やっと ちきゅうのもりの入り口にたどり着きました。
その先は、トンネルが続いていました。中は真っ暗で怖かったけれど、コーにはもう自信がありました。
皆からもらったお花をお守りに、一歩ずつ前へ進んでいったのです。
「ようこそ!コー、皆待っていたよ。」
コーは、ちきゅうのもりに着いたのです。
初めて会った動物たちに迎えてもらって驚きましたが、コーは、大きな愛を感じていました。
「みんな、ありがとう。ぼく、うれしいよ!」
コーは、目の前にいるみんなの顔を順番に見て、ママを探しました。
すると、リーダーのクマさんがコーに近づいてきて、ある手紙を渡しました。
コーはその手紙をゆっくりと開いて、読み始めました。
『コーへ。よくここまで来てくれたね。これを書いているのは、あなたのママです。
1番さいしょににハグをしてあげたかったけれど、ママはもうすぐ、にんげんのところに行かなくてはいけません。
実はね、ママもちきゅうのもりをめざして、旅をしていたの。
コーと暮らせる場所なのか、たしかめるためにね。
だけど、旅のとちゅうで にんげんにつかまってしまいました。
このてがみを書いたのは、どうしてもコーに、メッセージを のこしたかったからです。
ママはもう、もどってくることはできないけれど、さいきんはね わたしたちを食べないにんげんがふえてきて すくわれるどうぶつが たくさんいるのよ。コー、わたしたちも
「かなしい」「しあわせ」「くるしい」「たのしい」を かんじるよね。
だからコーには、ほかの生きものも 大切に、いっしょに 幸せに生きてほしい。
「いのち」をたいせつにね。
ママは このちきゅうで どんな生きものも なかよく くらしていけることをねがっています。
コー、うまれてきてくれて、ありがとう。
あなたのことがだいすきな、ママより。』
コーは この手紙を読んで悔しくて、悲しくて、泣きました。泣いても泣いても、涙は止まりませんでした。
そんなとき、クマさんがコーにこんなことを言いました。
「ぼくはね、このてがみを 道で ひろったんだ。そして、ちきゅうのもりについたとき、このてがみの話をみんなにした。
すると、たくさんのどうぶつたちが、旅をしていたきみのママを知っていたんだよ!そしていま、きづいたんだ。
いまきみがもっているお花はね、ママがのこした、もう一つのプレゼントだったんだよ。きみのママは、旅のとちゅうで出会ったどうぶつたちに、お花をプレゼントしていたんだ。
そして、きみがこの旅で出会ったどうぶつたちは、きみのママから 愛 のお花をもらったなかまだったんだよ。
だからみんなも、旅をしているコーを見てお花をプレゼントしたんだ。
つまり、そのお花たちは きみのママの 愛 がつまった お花なんだよ!」
これを聞いたコーは、泣き止みました。
「そうだ、ママはぼくの心の中にいる。このお花たちがそうなんだ。
ママ、ぼくもっと強く、やさしく、りっぱにせいちょうするよ。
どんな生きものも大切に、ママのように 愛 を広げられる子になるね。ママ、だいすきだよ。」
コーは目をつむり、心の中でささやきました。
コーは、お花たちをていねいに土に埋めて、毎日お水をやりました。
そして、仲間たちと幸せに、強く生きていくのでした。
おわり。
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