【アメリカ】言えない胸の痛み。ルーツが同じだから
第二次世界大戦時。アメリカ軍の電波受信部隊のコードトーカーには、ネイティブアメリカンのナバホ族が起用されていた。盗聴されたら情報が漏れる英語に比べ、他国にはナバホ語を理解する者は皆無。その都合の良さから、アメリカ軍は通信をナバホ語で行なっていたのだ。
南米から北米にかけて旅をしている私は、モニュメントバレーの案内所に飾られているナバホ族やホピ族の写真を見て、ペルー人やボリビア人と顔が似ていることに気がづいた。なんなら、肌の色さえ違えど、日本人とも似ている気がする。欧米人に比べ、背丈が低く、いろんな顔のパーツがコンパクトにまとまり、のっぺらしている。
聞くと、モンゴロイド(黄色人種)が、アジアからアラスカ、そしてアメリカ南西部に渡り、住み着いた人がネイティブアメリカンとなったと言う。さらに、南下した人たちが今のペルー人やボリビア人の起源となっている。
湿度がない・標高が高くて太陽が近い、などの環境に馴染み、肌の色が変化しただけで、ルーツは同じモンゴロイド。
戦時中、アメリカ軍により、サイパンや沖縄に派遣されたナバホ族は、アメリカ人より自分と顔が似ている敵の日本兵に驚き、親近感を持ったと言う。
ナバホ語の通信がなければ、硫黄島はアメリカの手に落ちなかった。でも、部族の言葉が戦争に取り入れられた為に、多くの日本人の犠牲を出したことに、ナバホ族は口外できぬ胸の痛み感じていたと言う。
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