あらためて、井上ひさし作『父と暮せば』とは?
雨の季節、6月になりました。
芝居屋ゆいまの「読み語り『父と暮せば』」は、4月の京都公演を終えて、8月の習志野公演まであと2か月!ちょっとそわそわ。
あらためて、『父と暮せば』という作品についてご紹介します。
作者は小説家、劇作家、放送作家として著名な井上ひさし氏。
その創作のモットーとするのは
「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」だそうです。
言葉に関する知識が「国語学者も顔負け」と称されるほど深く、日本各地の方言にも造詣が深い作家です。(一部Wikipediaを参照しました)
そのような作家性は、「ひょっこりひょうたん島」や「国語元年」など
映像化もされた作品でも顕著に表れていると思います。
『父と暮せば』は、井上ひさし氏の主宰する劇団「こまつ座」で1994年9月に初演された戯曲です。
第2回読売演劇大賞優秀作品賞受賞作で、ドイツ語・イタリア語・中国語・アラビア語など8か国語に翻訳出版もされています。
また2004年には黒木和雄監督によって映画化もされました。
原爆投下後3年の広島を舞台に、被爆した娘と父を描いた二人芝居で、『木の上の軍隊』『母と暮せば』へと続く、こまつ座「戦後“命”の三部作」(山田洋次監督が命名)の第1作と位置づけられる、井上ひさし氏の代表作です。
「衛星劇場」サイトに掲載された、こまつ座「父と暮せば」(2021年版)の 【あらすじ】↓↓↓
舞台は、原爆投下から三年後の広島。図書館で働くひとり暮らしの福吉美津江のもとへ、父竹造があらわれる。竹造は、美津江がほのかに抱いた恋を実らせようとして、美津江の「恋の応援団長」としてあらわれたのだという。
「うちはしあわせになってはいけんのじゃ」と父の言葉を拒絶する美津江と、娘のかたくなな心を解き放とうとする竹造。
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芝居屋ゆいまのでは、この戯曲を〝動きをつけた朗読劇″として上演するので、「読み語り」とつけています。
これまで3回の公演と、そこに至るまでの稽古を重ねて、『父と暮せば』は、力のあるすぐれた戯曲だとつくづく感じています。
京都公演をご覧になったお客様がアンケートに書いていただいた中にも、
作品の力を受け取られた感想が多くありました。一部抜粋いたします。
↓↓↓
「お二人の熱演に圧倒されました。井上ひさしさんのシナリオのすごさに胸打たれました。」
「原作者の想いをお二人がとても良く表現表出させていました。すばらしい時間でした。」
「すばらしい上演でした。俳優としての声の質がすぐれているだけでなく、
役がらや作者が伝えようとしていることをよく理解されていると思います。
井上ひさしのユーモア感覚も含めて。」
「おふたりのお声に迫力があり、途中、涙がこぼれることもありました。
一方、ユーモアも感じられ、「生きること」「死ぬこと」の境があるのかなあ、と思ったり…心が揺さぶられました。ありがとうございました。」
「井上ひさしの戯曲は過不足なく心にひびくものがありました。それを具現化したお二人の力演もよかったです。」
「題名は聞いたことありましたが、今まで内容は知りませんでした。あの戦争から79年… ちっとも世界は変わっていませんね。相変わらず、人間は愚かです。でも悲しくつらい中でも最後は少し明るい気持ちになれました。井上先生はすごい。ありがとうございました。」
また、京都公演の直前2024年3月29日に日本で公開された映画「オッペンハイマー」と関連して、
↓↓↓
「映画オッペンハイマーが公開された中、とても感慨深いものがありました。とてもよかったです。」
「1週間前、くしくも映画オッペンハイマーを観たばかりで、心が動いています。原爆開発者と市井の犠牲者。巨大ハリウッド映像・ドルビーサウンドと演者2名の朗読劇。この対照的なエンターテイメント。私は、でも後者に心をゆさぶられ、涙しました。ありがとうございました。」
また、広島在住の方から
「お芝居が進むにつれてどんどん引き込まれていきました。「オッペンハイマー」と一緒に世界の人に観てほしい。ヒロシマを伝えていただき、ありがとうございました。」
とのコメントもいただきました。
他にも、
「原爆のことは本で読んだり 広島へ原爆ドームも見学に行ったことはありますが、頭の中だけの知識だったような気がします。今日 この朗読劇を見て、それがついそこで起こったような身近なことと感じることができました。」
「原爆のおそろしさ、戦争のこわさ、その後を生きていくむづかしさ、親の愛、いろいろなものが押しよせてきました。」
「この時期にとても響く内容でした。二度と繰り返さない思いを強くしました。」
とのお声もあったように、『父と暮せば』は、どうしても原爆、戦争について思いを致さないわけにはいかないという、重たいテーマを持つ作品ですが、井上ひさし氏のユーモアがそれを受けとめやすくしてくれています。
また、何人もの方が「これからも上演を続けてほしい」「次の公演を期待しております」と書いてくださいました。本当にありがたいです。
那須塩原市図書館「みるる」公演でも、同様の感想をいただいたのに力を得て、京都公演をいたしました。
そしてまた、8月に習志野でも再演させていただきます。
関東近郊の方、是非足をお運びください。よろしくお願いいたします。
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芝居屋ゆいまの「読み語り『父と暮せば』」
作:井上ひさし
出演:桜井由利子 岩渕健二
日時:2024年8月3日(土)開場13:00(開演13:30)
上演時間:約1時間40分
会場:キリスト聖協団 習志野教会(千葉県習志野市本大久保2-7-21)
最寄り駅:京成大久保駅 南側出口から徒歩約5分 または
京成バス 津田沼駅~幕張本郷駅路線(津61・津65・幕66)
「郵便局」バス停下車すぐ
料金:500円 中高生無料 当日受付にてお支払い(現金のみ)
定員:50名 (お申し込み先着順) *全席自由
お申し込みGoogleフォーム↓↓↓
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