それ子どもに読ませちゃう!? 愚行録
今日の本は貫井徳郎の「愚行録」です。
貫井徳郎さんは、私が一番好きな作家さん。
「プリズム」を読んでから、とにかくはまりました。
今回は愚行録ですが、こちらの本はインタビュー形式で物語が展開されていく長編ミステリーです。
一家惨殺事件の被害者と関りのある人たちが事件について語るのですが、インタビュー形式なのでとても読みやいです。
ただ、最初は普通に読めるんですが、だんだんインタビューを受けている人の底意地の悪さ?悪意?が文面から感じられるようになります。
そして、人間の良し悪しって、見る人からしたらこんなに違うんだな…と、改めて気づかされます。(これはプリズムでもそうでした。また今度ご紹介します!)
被害者だからといって悪い人ではないってことではないですもんね。
インタビューの間にはある女性のモノローグが挿入されていて、これが事件とどう繋がるのかと先がとにかく気になります。
読後感は正直あまりよくありません。
題名が「愚行録」ですからね。
いったい誰が愚行を行ったのか…。
ぜひぜひ読んでいただきたい1冊です。
子どもが読むときに気になる表現ですが、うーーん…これは中学生にはおすすめできないかな。
人は自分が見てる面だけでは決してない…という教訓を得ることはできますが、人を貶める(それも殺人事件の被害者)感じが、まだ子どもには早いというか、せっかくの純粋な心が疑心まみれになってしまうんじゃないかと心配するというか…。
本の内容としては面白いんですが、もっといろいろなことを実際に経験して、せめて高校生くらいで読むといいのかな…と思います。
よって貫井徳郎「愚行録」の子どもへのおすすめ度は
中学生へのおすすめ ★☆☆☆☆
小学生へのおすすめ ☆☆☆☆☆
中学生なら読めない内容ではないですし、おもしろいと感じる子ももちろんいるでしょう。
でもまだ早いかな…。
貫井徳郎さんは大好きなので他の本もまた紹介しますね。