結び目を解けば、いつも同じ場所に辿り着く
人は触れてきたもので出来ている
先週歩いた道に咲いていた彼岸花が枯れていた。ただ枯れているのではなく、鮮やかな赤が抜けるように白くなっていた。花弁の先に僅かな薄桃が残っている。茎は茶褐色、水分を失っていた。
彼岸花ってこう枯れるんだ。思わず足を止めた。咲き誇る姿しか知らなかったから、こんな風に色彩を失って枯れるなんて思わなくて、美しいと感じた。
だって真っ白になっていた。色水を吸わせて虹色に変わったカーネーションが、ただの水につけたら元の色に戻っていくのと同じように。繊