外資系マーケティング会社を退職してスタートアップで事業の立ち上げを行った話
このNoteについて
はじめまして、ナウキャストでMarketing Support事業の責任者を務めています萩原です。
2021年5月に外資系マーケティング会社を退職し、ナウキャストにジョインしました。
このnoteでは、前職では中堅以上のポジション経歴となり、会社にも収入にも大きな不満や心配事のなかった自分が、なぜナウキャストに入社したのかや、僕が感じたナウキャストの魅力、さらに入社してから新規事業を立ち上げるまでと今後の事業の可能性についてもお話しできればと思います。
自己紹介
和歌山県出身。(東京に出て16年目ですが、全く関西弁が抜けてません・・。)
趣味は、お酒、漫画、キャンプ、野外フェスと結構いろいろです。
京都大学農学部でゆるゆると学生時代を過ごし、保険会社、コンサル会社、外資系マーケティング会社からナウキャストと、職種はパッと見結構バラバラですが、ビジネスモデルのユニークさと自分自身の成長性という軸で、常に転職先を選んできました。
なぜナウキャストだったか
特に現状の環境に大きな不満のなかった僕が、なぜナウキャストに転職しようと思ったか。
そもそもの転機になったのが、前職で行っていたスーパーやメーカー向けのPOS/IDPOSのビッグデータ分析を、POS以外の分野でもチャレンジしてみたい、いろんなデータに触れてみたいと思ったことでした。
転職活動を始めた当初はナウキャストの社名も事業内容も全く知りませんでしたが、知れば知るほど自分の転職軸(ビジネスモデルのユニークさと自分自身の成長性の2つ)とのマッチを強く感じるようになっていきました。
まずナウキャストがAlternative data(今まで投資判断に活用されてこなかった新規性の高いデータ)を使ってビジネスを展開している会社だという切り口から、ナウキャストのユニークネス(競争優位性)に触れられたらと思います。
Alternative dataといってもいくつも種類があります。例えば、買い物をした際にレジで記録されるPOSデータや、ポイントカードデータ、クレジットカードで決済をする際の決済データ、携帯電話の位置情報のデータなどもAlternative dataのひとつです。
これらのデータは、コロナ禍やインフレなど、市場の状況が不安定になって先を見通すことが難しくなった今だからこそ、機関投資家(金融機関)の素早い投資判断のサポートや、店舗出店の商圏分析など、様々な用途で急速に活用が進んでいます。
ナウキャストのユニークネスはこれらのAlternative dataを複数扱っているというところにあります。
私たちは既に、POS、クレジットカード、位置情報などのデータを自社で分析し、プロダクトとして展開しています。単一のデータを扱う会社や、プロダクトとして展開するまでの一部分を担う会社は他にもありますが、複数のデータの取得からプロダクト開発までを一気通貫で実行し、ビジネスを展開している会社は日本にはほとんどありません。
さらに、ナウキャストはまだ30名ほどの少数精鋭の組織で0→1の部分が多く、こういったフェーズで関わることができる点、また複数回面接を重ねる中で感じたカルチャーへの共感、体現しているメンバーの多さも転職を決意する上で重要な要素となりました。
Finatextグループのカルチャーについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
入社後は、昨年12月に親会社のFinatextホールディングスの上場もあり、入社前に想像していた以上のスピードで自身の成長実感も大きく、やりがいを日々感じています。
僕のミッションと現在の取組
僕のミッションは、事業会社におけるマーケティング目的でのデータ活用を推進することです。その中でも今最も注力しているのは、クレジットカードデータと位置情報データを使ったマーケティング支援(分析支援、販促支援)の推進です。
最近はコロナの影響もあり、アパレルや飲食店の経営環境が芳しくなく、駅ビルやアウトレットモールなどの商業施設ではテナント出店の契約を更新しないケースが増えています。これは商業施設側からすると、次のテナント先が決まっていない=空きが出るということになります。
加えて、特徴的なテナントの契約(誘致・リーシング)ができないと、施設としての独自性がなくなり、利用者から飽きられ、やがて売上が減るという悪循環に陥ってしまいます。
そこで活用されるのが、クレジットカードの決済データです。
クレジットカードは複数の店舗で利用されるという特徴があるため、その施設のロイヤルユーザーの、施設外の買い回りを把握できます。施設外ではどのようなブランドで購買活動をしているか、一般的なユーザーと比べてどのような嗜好性があるかなどを、経験則ではなくデータで捉えることにより、新たなブランド誘致の際に精度の高い意思決定ができます。これにより施設の独自性とユーザーのエンゲージメントの両方を高めることができます。
直近僕のチームが推進した案件のプレスリリースもようやく世に出すことができました。
上記に加え、例えば銀座、渋谷などのエリア毎の消費行動の違いを分析したり、新しい施設を建てる際のテナントMIXの判断材料として活用したり、ユーザーへの広告配信にそのペルソナを活用することができれば、データをCRMや販促手段として活用することもできます。
現在、このように商業施設のライフサイクルにおける各フェーズにおいて価値の提供ができるSaaS型のプロダクトの開発にも取り組んでいます。
直近は3rd party dataの流通も進んでいますが、データというのは活用ができて初めて価値が発揮できるものです。
データを活用するためにはリソースの確保はもちろん、個人情報保護法やプライバシー問題等の理解やデータ自体の特徴の理解など、多くのクリアすべき要素があり、現場の最前線に立ちビジネスをスケールさせる重みを日々感じています。ただ、僕自身この領域に飛び込んだからには、データの価値を適切に届けることで、データという切り口からさまざまな事業会社のビジネスの推進をサポートできる存在でありつづけたいと考えています。
ナウキャストが事業会社向けのデータマーケティングの領域で勝てる理由
データマーケティングの領域はかなりのレッドオーシャンです。そんな領域で金融領域を主戦場としてきたナウキャストが勝てるのか?
僕は勝てると思っています。
以下が、僕が信じている、ナウキャストが勝てる理由です。
①特定のデータだけでなく、複数のデータを組み合わせて提案が可能
②投資家向けビジネスで行なっているデータクレンジング(アノテーションや表記ゆれの対応など)に関するノウハウがそのまま活用できる
③徹底的に顧客起点でプロダクトを作った実績があり、これまで複数のデータプロダクトを金融機関やシンクタンク・大学のような公的機関向けにPMFさせた実績がある
例えば、位置情報から来店の有無はわかっても、消費金額(深さ)までは追うことができません。その点ナウキャストは、両方のデータを組み合わせることができるので、単に来店の有無だけでなく、来店した人がどの程度消費しているかといった消費行動までをインサイトとして提供することが可能になるのです。
さらにナウキャストは、データのdemand sideとsupply sideの両方の間を取り持つTwo-Sided Platformというビジネスモデルを長年推進しており、その経験とノウハウを持っています。
これまで、主軸である投資家向けのビジネスにおいて、データのクレンジングを行い、活用できるデータとして提供し続けてきた実績があります。データのビジネス活用という上流のビジネスイシューに対して、データの下流にあたるローデータの段階から関わることができるからこそ、高い品質を保ちながら自在にデータを組み合わせて正しい意思決定を促すインサイトを提供することができると考えています。
例えば、「JCB消費NOW」というJCBと共同事業で運営しているプロダクトは検討開始から足掛け5年で官公庁から事業会社までご活用いただくビジネスにすることができただけでなく、最近では日銀や内閣府、メディア等にも取り上げていただけるような信頼のあるデータとして活用いただいています。
これからの課題
入社から約1年、Marketing Support事業は立ち上がりましたが、課題はまだまだ山のようにあります。
前述のプレスリリースの通り、クレジットカードデータを起点にした分析支援・販促支援の取組を開始しましたが、それ以外のAlternative dataを組み合わせたインサイトの提供にも、まだ大きな可能性があると思っています。また、現在立ち上げを行っているSaaSプロダクトは、現在まだアドホックな分析POCを実施している段階ですが、正式にローンチできた暁には売上10億円以上のビジネスに育てていくつもりで、大きな目標に向かっていろいろと模索を続けているところです。
最後に
そんなナウキャストのMarketing Support事業ですが、現在ちょうどビジネスのSeed期から拡大期に差し掛かったタイミングです。
大きな目標に向け、課題は多くあるものの、やりがいも大きく、改善すべき業務が常にある状態のため、一緒にビジネスを推進してくれるメンバーを募集しています。もし少しでも興味をお持ちいただけたら是非カジュアルにお話ししましょう!
ちなみに、僕自身noteはこれが初投稿です。
Like(スキ)をいただけると、泣いて喜びますので是非ぽちっとお願いできればと思います。
長くなりましたがここまで読んでくださってありがとうございました!
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