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ブランドの成功を決める「Point of X」とは? #D2Cのイロハ vol.05

自己紹介

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今回のD2Cのイロハ

5回目を迎えたD2Cのイロハ、今回はD2Cブランドの顧客獲得のキー、つまり成功を決める「Point of X」のお話です。

皆さんは「Point of X」というのを聞いたことありますか。「Point of X」とは、差別化を定義するフレームワークです。
自身のブランドを始めるとき、他のブランドとは違う何か、独自の価値を持たせたいと誰もが思うものです。でも実際どのように考えればいいのか?その差別化をどのように考えれば良いのか?このあたりまとまらないことが多いですよね。今回はそんな話ができればと思います。

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D2Cブランドの成長ドライバーを決めるPoint of Xとは?

かつて、大量にモノ作って、大量にモノ売るという時代がありました。いわゆるモノを消費する時代です。それが、現代ではモノが溢れ、商品・サービス特有の価値がなければ、選ばれない時代となりました。

D2Cブランドに限らず「差別化せよ」とはよく言いますが、本当に差別化だけで良いのでしょうか?
そんな時に使えるのが「Point of X」フレームワークです。

Point of X(以下PoX)とは、マーケットにおいて自社の提供価値を整理し、自社事業の戦略を考えるフレームワークのことです。
差別化は「PoD = 差別化要素」ですが、過度な差別化(差別化の一人歩き)を防ぐために類似点を捉える「PoP = 同質化要素」と「PoF = 捨て要素」を設けているのが特長です。

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PoD(Point of Difference):差別化要素
先行する競合他社にはない、自社ならではの提供価値です。
これが無いとそもそも選ばれることすらも無い、一番明確化が必要な要素です。

PoP(Point of Parity):同質化要素
他ブランドと比較して、無いと選ばれない価値です。
そのブランドを選ぶ理由にはならないけれども、無ければ買わない理由というものはどのジャンルでも存在するものです。

PoF(Point of Failure):捨て要素
捨て要素で、他のブランドと比較して、あると選ばれない要素です。

PoXを実践してみる 成功例と失敗例も。

これらのPoXは、以下のような表にしてまとめるのがおすすめです。

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iPhoneで考えるPoX
せっかくなので、事例を交えてお話しましょう。
わかりやすく、2000年後半にリリースされた、当時のiPhoneはこのような感じです。

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PoDは、イノベーションが一旦落ち着きどれも似たり寄ったりだったガラケーに対し、PCサイトがスムーズに閲覧できるWebブラウジングや大量の音楽が持ち歩けるiPod機能、先進的機能やデザイン性で差別化しました。

一方で、当時は日本のガラケーは世界一多機能で、カメラの性能や赤外線通信、おサイフケータイやゲームなどの充実により、iPhoneは日本では流行らないと言われていました。


しかし、機能をできる限り同質化し、クリティカルな機能以外は捨て要素としてもアーリーアダプター層に受け入れ、シェアを拡大しました。
おサイフケータイはSUICAなどのカードで代替でき、赤外線通信もSNSの普及により需要が無くなっていきつつあるタイミングでした。
バッテリーも、モバイルバッテリーの薄型化や電源カフェの増加で、捨て要素としてもクリティカルな問題になりませんでした。そして今ではこれらも解決されつつあります。

PoXを実践する上での注意点

D2Cは新規事業でありスタートアップです。
スタートアップは選択と集中が絶対であり、全てを差別化するのではなくポイントを見極め、同質化までにとどめておくことはとどめ、捨てる要素は捨てます。

PoXは、このポイントを社内で明確化するために役立つフレームワークです。採用面接や入社時の研修でもブランドの成長ドライバーとして説明するのに役立ちます。

PoXの失敗例
PoXの失敗例も紹介します。
例えば、あるカフェが「当店は他のカフェチェーンなどとは違い超希少なコーヒー豆のみを使った一杯3,000円の超高級コーヒーが売りです!」と高付加価値を差別化ポイントとして宣伝したとしても、一般顧客は気軽に立ち寄れるカフェだったりテイクアウトを望んでいるかもしれません。
つまり、対象顧客の頭の中に想起される対象にならなければ、いくら差別化を頑張ったとしても選ばれないということです。

これを差別化の一人歩きと呼び、顧客を置いてけぼりにする、とも表現します(恐怖)
そうならないためにPoDだけではなく、PoPとPoFも大切!というお話でした。

ぜひ上の画像のような表を自社事業に当てはめて書いてみてください。


それでは今日はこのへんで。
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