BE:FIRSTも所属!SKY-HIが代表を務める話題の音楽事務所BMSGの若手ラッパーedhiii boi 「おともだち」が大バズり!! 国内最大級の音楽支援会社がバズの軌跡を分析してみた(その他:コレサワ『♡人生♡』のバズ気配など)【第4弾】
はじめまして、株式会社WAND(ウォンド)代表の黒﨑です。
音楽業界特化型のショート動画UGCマーケティング支援サービスと、4,000人のTikTokerに案件を依頼可能なインフルエンサープラットフォームアプリを運営しています。
今回、「現役東大生がTikTokでバズってる曲を分析してみた」シリーズに続いて年間100曲以上の楽曲プロモーション支援を行う株式会社WANDが、今回は「edhiii boi / おともだち」のバズの軌跡を分析します。
※過去記事はこちら↓
■「オトナブルー」はなぜリリースから3年経ってバズったのか? TikTokでバズってる曲を現役東大生マーケターが考察してみた
■アンパンマンMADで大バズり?!マイファス「I'm a mess」急成長を分析!TikTokでバズってる曲を現役東大生マーケターが考察してみた【第2弾】
楽曲のマーケティング・プロモーションにおいて、SNS攻略が必須の現代。レコード会社のデジタルマーケティングや宣伝担当の方々や、インディーズレーベルや音楽事務所の方々、DIYアーティストの方々など、様々な音楽関係者の方の参考になれば幸いです。
また、今後も定期的にバズ曲分析を行っていく予定ですので、宜しければnoteとTwitterのフォローをお願いします!
1. 楽曲サマリ
楽曲概要
・楽曲名:edhiii boi / おともだち
・音源の投稿:2023年11月9日(TikTokにある動画を確認する限り、11月9日のローカルカンピオーネさんの振り付け動画が一番古い投稿)
・配信リリース:2023年11月1日(水)
・YouTube再生数:28万回
・TikTok UGC数:146,300本(2024年1月21日時点)
・TikTok「#おともだち」視聴数:9000万回超え(!!)
・Spotify再生回数:90万回超え
今回取り上げる「edhiii boi / おともだち」はTikTokをよく見る方であれば、昨年の11月から12月あたりで一度は聴いたことあるのではないでしょうか。
「遊んでるLife Withお友達」という歌詞に合わせて踊っている動画が非常にバズっている楽曲です。
楽曲の分析をする前に簡単にアーティストの紹介をすると、edhiii boiはBMSG所属、2007年生まれの新進気鋭のラッパーです。
BMSGという事務所を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
2023年の紅白にも出場した7人組ダンス&ボーカルグループ・BE:FIRSTが所属している事務所です。
edhiii boi 自体も、2021年に開催されたオーディション企画「THE FIRST」に参加し、3次審査で落選したものの、その後SKY-HIにデモ曲を送り、14歳でアーティスト契約を勝ち取ったと言われています。
そんな今後注目の若手ラッパーedhiii boi の新曲「おともだち」が、TikTok投稿数10万超え、FW数百万人級のインフルエンサーが続々と投稿するなど今なお広まり続けているため、今回は「おともだち」のバイラルヒットの経緯を紐解いていきます。
2. ダンス動画で火がつき、徐々にバズる
「おともだち」のTikTok投稿本数の推移を見ると、12月1日あたりを起点に大幅に日次のUGC投稿数が増加していることがわかります。
こちらを踏まえ、「おともだち」がどのような経緯でバズったのか、その経緯を分析していきます。
2.1
「おともだち」は11月15日(水)にリリースした2ndアルバム『満身創意』からの先行シングル「おともだち」として、11月1日(水)に配信されました。
その後、リリースから約1週間後の11月9日に、大手インフルエンサーがオリジナル振り付けを発信しました。
「遊んでるLife Withお友達」という友達と楽しんでいる様子を切り取った歌詞を表した振り付けとなっています。
昨今では、「マイクロUGCやオーガニックなUGCから楽曲が立ち上がっていくところに大手インフルエンサーが乗っかってくる」というトレンドが比較的主流となり、「楽曲リリース初期に大手ダンスインフルエンサーがオリジナルの振り付けを踊って一般ユーザーのUGCに波及していく」という2018~19年頃のTikTokで多く見られたかつてのUGC創出の確度が低下している中で、今回は非常にキレイなUGCの立ち上がりであったと感じます。
2.2
翌日に、カップル系TikTokerカレシとカノジョの彼氏側の個人アカウントであるtaiyoがすぐさま動画を投稿しておりました。
その動画が非常に伸び、今では65万回以上再生されています。
その後11月15日にFW100万人以上いるセリヌンが投稿し、50万近く再生されています。
2.3
推測ではありますが、この2つの動画を起点にインフルエンサーの間でも動画が広がったことで、11/23にゆのん氏と田仲埜愛(のあ)氏が投稿し、その後一気に今日好き界隈など若い数十万人級の若いインフルエンサー層に派生しました。
11月23日
中島結音(ゆのん) 59.5万フォロワー
田仲埜愛(のあ) 34.2万フォロワー
11月24日
田仲埜愛(のあ) 34.2万フォロワー
11月25日
石川 翔鈴 60.1万フォロワー
11月27日
yua 71.3万フォロワー
みつきなんだよね 67.3万フォロワー
11月28日
ねねモンスター🎧🤍 63.2万フォロワー
2.4
その後、11月末から12月上旬にかけて、高梨優佳や徳川 家康、桜、MINAMIなど本格的にメガ級のインフルエンサーが使用し、このあたりで一気に一般層にまで波及し、UGC数がデイリーで爆発的に増加する転換点を迎えました。
11月30日
高梨優佳 (ゆか)🍐🤍 130万フォロワー
田口 音羽 👶🏻 26.9万フォロワー
12月3日
徳川 家康 (20) 230万フォロワー
12月4日
🌸桜🌸 260万フォロワー
12月6日
🦄💙MINAMI💙🦄 270万フォロワー
12月14日
mumei✖ 410万フォロワー
一連の流れをまとめると、下記のおおまかな流れがあったように推測できます。
①ダンス系大手インフルエンサーが振り付け動画を投稿
②イケメン中堅インフルエンサーが反応
③今日好き界隈で広まる
④数百万人級のメガインフルエンサーで広まる→一般層に波及
2018~19年頃と比較した直近のTikTokでは、大手ダンスインフルエンサーが楽曲リリース初期にオリジナルの振り付けを踊って一般ユーザーのUGCに波及していく、という流れの影響力や確度が低下している中で、久々にきれいでオーガニックなUGCの立ち上がりを目にしたように感じます。
3.初期のバイラル後、バズを持続できた3つの理由
3.1 ダンス系メガインフルエンサーが「おともだち」を使った動画を複数投稿
今回オリジナルの振り付けをしたフォロワー規模の大きなダンス系インフルエンサーが率先して、「おともだち」を複数回動画投稿しています。
複数回投稿に至った背景は不明ですが、メガ系のインフルエンサーがこの楽曲を広めたいと思った熱量が様々なクリエーターに伝播したのではないかと考えられます。(初回の投稿後、初速が出たため勢いに乗って何回か擦って投稿を重ねたという見方もできる可能性があります。)
3.2 アーティストアカウントでバズった音源を使った動画を発信し続ける
edhiii boiはライブ映像、アーティストの裏側映像、コラボ動画、縦型動画に最適化したMV風の動画など、様々な形で、11月に10本以上、12月にも10回近く動画を上げています。
楽曲がバイラルの波に乗っている最中に、機を逃さずアーティスト公式アカウントからここぞとばかりに投稿を徹底できることは、非常に大きな強みだと言えます。
バイラルの自然な流れに任せるのも一手段ですが、楽曲がバズっているタイミングでは基本的に楽曲が回りやすいボーナスタイムであり、本家がオリジナル動画を投稿する希少性も出るため、様々な切り口で公式アカウントも盛り上がりに加勢し、ここぞとばかりに投稿を重ねていき、楽曲の認知を起点にアーティスト本人にも認知を流すアクションを積極的に取るのが良いと考えます。
MVの切り抜きや曲紹介風の動画など、本人の稼働が伴わないコンテンツをアップすることも勿論マイナスではありませんが、できる限りアーティストに稼働してもらうコンテンツ(ダンスや弾き語り)や、アーティストのパフォーマンスが伝わるコンテンツ(ライブ映像の複数楽曲箇所の切り抜き等)を様々な角度で投稿する方が、よりオリジナリティのあるコンテンツ・クリエイティブをTikTok上に撒くことができ、バイラルの加速に貢献すると考えられます。
3.3 周りのつながりをフル活用し、コラボ動画を上げ続ける
「おともだち」では、この楽曲を使用した公式アーティストが露出するコンテンツ数が多く、中でも特筆すべきは様々な影響力のあるアーティスト、クリエイターとコラボして動画を投稿していることがあげられます。
edhiii boiが所属している、BMSGのnovel coreやaileや代表のSKY-HIなど、事務所総出でこの楽曲がよりバイラルするよう盛り上げているように考えられます。
それ以外にも、SKYHIと同じグループのNissyも参加し、一大バズを起こそうと今までの繋がりをフルに活用しています。
上記のような、影響力のあるIPがコラボをすることで楽曲の盛り上がりを作る流れは、韓国の4大事務所のアイドルグループたちが、事務所内でIPの垣根を超えて相互に楽曲を取り上げ合うことで、楽曲のインプレッションや権威付けを行い、初速のモメンタムを付ける動きに相通ずる部分があるように感じます。
SKYHI
novel core
aile
Nissy×SKYHI
4. 今回の事例から得た学び
①アーティストアカウントでも積極的に動画を上げる
とりわけバズの兆しが見え始めたタイミングでは、公式アカウントからも様々な切り口で動画を上げることで、楽曲そのもののバズの後押しにつながるだけでなく、楽曲の認知をアーティスト認知へと流入させることに繋がります。
ライブ映像、アーティストの裏側映像、コラボ動画、縦型動画に最適化したMV風の動画など、公式からもコンテンツをひたすら投稿し続けたedhii boiのように、様々な切り口で動画を上げることで、ユーザーに対して様々な楽曲の使い方を提示することができ、その反応を見てABテスト的に施策に反映することも可能となります。
リリース前後やバズる前の段階においても、どの投稿方法で再生が伸びるかが読めないため、自然発生的なバズに依存せず、いろんな切り口で投稿することはバズの確度を上げることに繋がります。
例えば、過去のnoteで取り扱った新しい学校のリーダーズ「オトナブルー」ではリリースから3年越しにTikTokで大バズりを果たしましたが、その間も何度も公式アカウントから当楽曲を利用した投稿が粘り強くアップされ続けていました。
また、直近の関連する現象として、楽曲リリースから10ヶ月ほどが経過するコレサワ「♡人生♡」がTikTok上でバズの兆しを見せています、こちらもコレサワ公式アカウントから定期的に音源を使用した投稿が当時から様々な形でアップされていることが確認でき、足元のバイラルに繋がった可能性も示唆されます。
公式アカウントのコンテンツ投稿に関しては、アーティスト担当やアーティストご本人のリソースやTikTokでの稼働希望などに依存する部分も大きいですが、流れが来たときに大きくブーストをかけ、楽曲認知をアーティスト認知へと転換させるための起点・城を築いておくことは中長期的な音楽マーケティング上、少なくない価値を持つと言えるのではないでしょうか。
②周りの繋がりをフルに活用する
本楽曲のバズの継続と拡大において、周りの繋がりや環境を最大限に活かしたコラボレーションが与えた影響は無視できないと考えます。
360度マネジメントでアーティストIPを抱えるスタイルが多い韓国の4大事務所と異なり、国内の大手のレーベルにおいてはコラボを通じた楽曲のプロモーションに再現性を持たせて実施することは難しいかもしれませんが、アーティストサイドの繋がりやマネージャーの繋がりをフルに活用し、様々な機会を創出することができれば、本来の露出面に加えたプラスαのインプレッションを獲得することができ、潜在層を巻き込んだバイラル可能性を高めることができると考えます。
新しい学校のリーダーズにおいても、今のように楽曲がマスで有名になるよりもはるか前の段階で、共演者との舞台裏でのコラボ撮影などを投稿していることが確認されます。
ある程度楽曲が有名になってからでないとアーティスト本人からは中々仕事相手などに依頼しづらい部分もあるかもしれませんが、コラボ動画の撮影や投稿が厳しい場合、伸ばしたい動画を再投稿してもらったり、ストーリーズでシェアしてもらうなど、大きなバズを生む火種を一つでも多く撒いておくことが、バイラルの確度向上に貢献するかもしれません。
③サブスクのフル視聴に移行させる難しさ
ここまで記載した通りTikTok上で大きくバズを生み出した「おともだち」はTikTokの投稿本数が同程度の楽曲に比べ、楽曲の再生数がやや伸び切らなかった印象があります。
これは、ダンス動画として流行っているミーム的な音源としての認知が強く、TikTokからDSPへの移行でユーザーアクションの歩留りが下げ止まった可能性が考えられます。
更にサブスクの再生数を伸ばすには、一般層まで広める必要があるため、例えば楽曲紹介系アカウントでの投稿が多くなるような施策を立てつつ、まずは音楽好きが日常的にサブスクで聴いてもらえるように仕込む、楽曲の別箇所を切り取ってプロモーションを仕込み楽曲の全体像に認知を広げる、UGC認知が高まったタイミングでインフルエンサー投稿と広告を活用してDSP創客へと刈り取る等で、楽曲側へのアテンションが高いインプレッションを獲得しに行く施策が検討されます。
(最後に弊社の宣伝です!)株式会社WANDでは、楽曲プロモーションのプランニング段階から、インフルエンサーへの依頼はもちろんのこと、バイラル後の二次的な波及もワンストップで多数ご支援させて頂いております!
以上、「edhiii boi / おともだち」のヒット要因についての分析でした。
株式会社WANDについて
株式会社WANDでは、国内の多数音楽レーベル・音楽事務所様向けに、音楽業界特化型のショート動画UGCマーケティング支援サービスと、4,000人のTikTokerに案件を依頼可能なインフルエンサープラットフォームアプリを運営しています。
最新の楽曲マーケティング手法について研究しながら、年間100曲以上のお取り組みを通じて新たなソリューションを日々開発しています。
新曲をバズらせるための火種作りや、既存のバズの兆しをさらに拡大させるための型作り、マイクロインフルエンサーからメガインフルエンサーまで横断した立体的なインフルエンサー施策など、制作から運用までワンストップでご支援しています。
ご興味のある担当者様がいらっしゃいましたら、事例などを交えてご説明させて頂ければと存じます。ぜひお気軽にお問い合わせください!
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