阪急電車が恋しい今日この頃(望郷日記①)
横浜から京都に移住された方の記事を拝見した。
私は逆に京都から横浜に移住したクチだ。
生まれてから大学を卒業するまで京都(市内ではないが)に住んでいた。
…とはいえ、私の場合は何か能動的な理由があったからではなく、
転勤で会社に言われるがままのお引っ越し。
実は転勤で京都を離れるまで、「何て住みにくい場所なんだ」と思っていた。
夏は湿気が酷く不快指数が高いし、冬は割と頻繁に0℃を下回る。
気候的に過ごしやすい春と秋は全国、ひいては世界中から観光客が襲来し、
地元民なのに全然地元を堪能できない。
しかし、頻繁に転勤の発生する会社に就職し、
運が良ければ関西の事務所に配属になる可能性はあれど、
京都で再び定住するには定年を迎えるか転職をするしかない状況になって初めて、
それまで京都に住むことができていた幸せを思い知ることとなった。
いわゆる「失って初めて気がつく有難み」というやつである。
思い出補正もかなり入っていそうだが、
コロナ禍でしばらく帰省できていないことも相まって、
ただ今、壮絶な「京都ロス」に陥っている。
またあのマルーンの車体に心地よく揺られながら、
ゴールデンオリーブのフカフカの座席で京の街に繰り出したい。
今では考えられないくらい「密」な、紅葉シーズン真っ盛りの清水の舞台。
紅葉のライトアップももちろん美しいが、夕陽の力を借り、より紅に染まる
この時間帯の清水寺が個人的に大好きだった。