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離婚して自分の人生を生きていく⑦



転職と引越し

調停を申し立てた頃から5ヶ月ほど経過していた。その間に転職したため、新しい職場で正社員として働くことになった。
転職先は初めての職種なので、わからないことも多かったが、若いスタッフが多く活気があり、楽しく仕事することができていた。
何より嬉しいことに、安定した収入が得られる。今までよりも経済的に落ち着き、私のメンタルも安定していた。
さらに、引越し先も運良く決まり、ウィークリマンションを出て、新居での生活が始まっていた。


この頃、気づいたことがある。経済的な不安でソウと離れることができないと思い込んでいたのだが、別居を始めてみれば、ソウと一緒に住んでいた頃よりも経済的に安定していた。貯金を切り崩して生活していたのに、毎月貯金することができるようになった。
よく考えてみれば、別居してからお金を使う人(=ソウ)がいなくなったので、溜まっていくのは当たり前だった。

そんなに節約しているつもりはない。仕事で疲れて、夕食を外食することも週に数回あったし、休みの日も子どもと出かけた先でご飯を食べたり、友人と旅行にも行った。引越し先で、必要なものを揃えたし、自分がどうしても欲しかったコタツや一人用のソファも購入した。もちろん、一時的に自分の持ち出しもあったが、数ヶ月後には、すぐに黒字になった。

赤字家計でずっと生活していた頃に比べて、すごく落ち着いて生活できている。何より、転職や引越しをしてみた結果、自分の行動でより良い生活ができるようになったという経験は、私の成功体験になった。

自分の力を信じることができず、身動きができなかった私が、別居、調停、転職、引越し、本当によく頑張った。あの時の自分の行動は、経済面だけじゃなく、精神的にも自分に自信をつけてくれた出来事だったと今でも思う。

何で行動できたのか。私の場合は、同じ経験をする人たちの存在があった。
・自分だけじゃないという安心感
・同じような経験をしているという共感
・どんな行動をしたのかという経験

この3つに支えられて、自分にもできるかも、という勇気を溜めた。

私のような状態の人全員が、私と同じようになるかどうかはわからない。私はたまたま運が良くて上手くいっただけなのかもしれない。いや、本当に上手くいってるかどうかは実はわからない。でも、行動したら状況が変わることは確かだった。たまたま成功体験になって、ほんの少し自信がついた。

これは、ただの私の経験の話で、誰かに対してアドバイスするつもりはない。ただ、行動するためには勇気は必要だったから、この経験が誰かの役に立ったらいいなと願っている。こんな私でも行動できたんだから。

調停5回目

婚姻費用の調停は、佳境に入りつつあった。最初に私が出していた資料は、パートの時の資料だったため、改めて転職後の給料の額で算定表で計算し直した。

その結果、10〜12万円だったのが6〜8万程度に減った。それでも高額だとは思うが、支払いが減額した印象が強かったのか、ソウは調停委員にこの額であれば支払えると言った。

前回、調停で決まった月2万円はソウから25日に振り込まれていた。次のボーナスまでは月2万円支払続けてもらい、ボーナス時に清算できそうだという目処がたった。

話し合いの結果、ついに調停で婚姻費用の額が月7万円に決定した
調停を起こした5ヶ月分を遡って、ボーナス月にまとめて振り込んでもらえることになった。
こんなにまとまった金額がソウに支払えるのか多少疑問だったが、支払われなかった場合は裁判所を通じて請求させてもらうことで合意となった。

その日のうちに婚姻費用についての調書を作成し、婚姻費用分担請求の調停は終了した。残っているのは、夫婦関係調整の調停だが、実際は面会交流についての話し合いが残るのみとなった。



前回、面会交流について子どもの意向について確認をしていた。子どもは「パパに会いたい」と話していたので、私も子どもの意思を尊重することにした。

調停委員に伝えると「あなたがそう話してくだっさって良かったです。どのようにすれば行えるか考えていきましょう」
裁判所は、面会交流については子どもに危害が加わる可能性がある場合など余程のこと以外は基本的に必ず勧めてくるのは知っていた。

その時の私は面会交流自体には特に拒否感はなかった。子どもが喜ぶなら会わせてあげたいと当時は思っていたし、よく面倒を見ていたソウを信用していたからだ。

ただ、直接ソウと連絡を取りたくないとは思っていた。別居直後に、すごい勢いで電話がかかってきたことや、長文のメールに恐怖を感じていた。そのため、完全にブロックすることで、自分のメンタルを保っていたのだ。直接やりとりしないで、相手とやり取りする方法があるのかどうか。その点について、情報収集をしたいと調停委員に話した。

こうして、婚姻費用の額と面会交流を実施していくということだけが決まり、次回期日までにどのように実施するかを考えることとなった。

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