2024.9.23 秋
この日はずっと看護実習のための資料を書いたりしていたから、必要なものを買うために初めて外に出たのは、もう夕方の4時半のことだった。
玄関を開けると、ひんやりした空気に包まれる。空気を思い切り吸い込む。気持ちいい。寒くなってきた頃の空気はすごく美味しい。
私は秋や冬のひんやりとした空気が大好きだ。
自分の人生がいい方にも悪い方にも動くタイミングは主に寒い時期なことが多い。だから涼しくなってくると、懐かしい、どこか愛おしい、なんとも言えない気持ちになる。だから匂いフェチである私は、秋や冬の美味しい空気を愛してやまない。
私の人生は、メンタルに大きく影響されてすすんでいく。今では頓服で抗不安薬と睡眠薬を飲んでいる。今年の5月には診断書を書いてもらって1ヶ月間大学をお休みした。べつに私の辛さに名前は付いていない。つまり、そんなに重くない。それなのにたまに苦しくなって、衝動で死のうとしてしまうことがある。それでもなんとかやっと生きている。そんな私の轍を、私は愛している。
ずっとずっと秋ならいいのに。
金木犀はまだなのかな。もういい匂いをさせているのかな。待ちきれなくて、この前金木犀のハンドクリームを購入した。
だんだん早くなっていく日の入り。ひんやりした空気を感じて、私が好きな長袖、カーディガンを着る。私は少し余るくらいの長袖も、夜も、大好きだ。
カフェで栗のスイーツとホットコーヒーを注文して、夢中になっているあの本を読みたいな。帰るとき、ホットコーヒーを飲んでホカホカしている状態で外に出たときのすこしひんやりしたときの、空気の美味しさと、秋の好きさと、本の面白さが混ざって、満足した気持ちで帰路につきたい。
秋、ずっとここにいてね。おねがい。