本は贈りモノ!角田光代さんの短編集を読んで気づいた大切なこと

この記事は女性向けキャリアスクールSHElikesのレッスン制作物です。

本との衝撃的な出会いをしたことはありますか?
衝撃的な出会いをしたとき、こんな気持ちにさせてくれます。
「読書ってステキだな。もっと色々な本に出会っていきたい」
私がかつてそんな衝撃的な出会いをした本の中から、一冊を紹介します。

出会い

私が紹介する本は2008年に出版された『Presents』です。
そうそうたる受賞歴を誇る角田光代さんが書かれた短編集となっています。
2020年に第30刷発行しているともあって、初出版から時が経っても未だに愛される本といえます。

私とこの本の出会いは読書が日常の出来事ではなくなった頃でした。
本屋さんで思わず目が離せなくなって、いつの間にかレジに立っていました。

家に帰り、早速本を開き一気に読み終えて閉じました。
「本ってやっぱりいいものだな」と感動したことを覚えています。

これまたいつの間にかSNSでこの本について思わず呟いていました。
私に本の良さを思い出させてくれた大切な本です。

一番はじめにもらったプレゼント

「女性が一生のうちにもらう贈りもの」がこの本のテーマとなっています。
私たちが一番はじめにもらった贈りものってなんだと思いますか?
「いや、みんな同じじゃないじゃん」って思いました?

もちろん、一生でもらう数も種類も違いますが、一番はじめは同じはずです。
それは、「名前」です。

誰からもらうかはそれこそ、それぞれだと思います。
ですが、私たちが一番はじめにもらう贈りものは誰だって「名前」でしょう。

その「名前」から「ランドセル」「初キス」と1つずつ贈りものを題材にした短編が12本収録されています。
一編が大体12ページとリズム感がよくて、あっという間に読み終わります。

「読書に苦手意識があるけど本を読み始めたい」といった方にもおすすめの本です。
では、ここで私のお気に入りの話を2つ紹介します。

幼稚園児の世界

幼稚園児って意外と自立していると思ったことはありませんか?
いきなり何の話かと思われるでしょうが、真面目です。

私はいくつか幼稚園の頃の記憶がよみがえります。
幼稚園の頃の記憶の中の自分の考えと、小学生の自分の考えは変わらないなって。
幼稚園の世界はかなり小さくて、なんでも新鮮に感じる知らないことだらけです。

それでも、その日幼稚園で遊ぶことを自分で選択します。
芸術にふれ、体も動かしている。
今と変わらなくて、子どもと大人の区別ってなに?そう感じさせられます。

Presentsの一編「ランドセル」は幼稚園児の視点から始まります。
幼稚園児の心の声で成り立たっていることから、大人と何ら変わらないと
「いや、小説だからこんなかりした考えを持っているんだよ」っていう声が聞こえてきそうです。
ですが、本当にそうでしょうか?
私は現実の今の幼稚園児だってこの話のように
子どもだからっていう言葉は果たしているのでしょうか。

幼稚園児のときには大きくて可能性が広がったランドセル。
大人になると、小さくて笑ってしまう。だけど、勇気がでる。
そんなお話ですが、幼稚園児だって立派な一人の人間だということも考えさせられます。

奇跡の連続だということ

もう1つのおすすめの話は「ぬいぐるみ」です。
私は、題名を見たとき「主人公は誰なんだろう」と気になりました。
「ぬいぐるみ」だし、小さい頃にもらったぬいぐるみの話だと思いながら読み始めました。

でも違ったのです。
違った驚きの部分も含めて、この世界観にどんどん引き込まれていきます。

ぬいぐるみは、題名がぬいぐるみだと忘れた頃に出てきました。
この話の主人公と準主人公のこれからの話は描かれていません。
より考えさせられるのです。

私はこの話を読み終えたときに、「今ある生活は奇跡の連続」だと思いました。
今ある生活は当たり前じゃないことを定期的に思うことは大切です。
つい、忘れてしまいますから。
こういった気づきを改めてさせてくれるのも本だと思っています。

「ランドセル」の話よりも詳細に語っていないのも、新鮮な気持ちで読んでほしいからです。

本の魅力

新たな価値観を贈ってくれるのが本です。
私はこの本一冊が『presents』で、紡がれる物語をメッセージのように感じました。
この本を読んだことで新たな気づきがあったからです。

それは、「数々の贈りものによって今の私がある」ということ。
この数々の贈りものは、誕生日プレゼントでもうらうようなモノだって今の私をつくってくれました。

大切なモノですが、それ以上に「本からの言葉の贈りもの」にこそ価値があると私は思います。

本は直感で選ぶ

本は、その時の状態によって響き方が違います。
だからこそ、直感で選ぶことで運命の出会いがあります。

私と『Presents』との出会いもアンテナがビビッときて、目が離せなかったからです。
読書をする大切さを忘れていたころに、短編で少しずつ読むことが出来たのに本の世界観に引き込まれていきました。

このPresentsからは、読書をすると気持ちいいということを思い出させてくれました。
そして、新たな気づきとほっこりする温かい気持ちを贈ってもらいました。

ビビっときて、目が離せない本。
それは、今の自分に欠かせない本だということです。
その出会いをぜひ、大切にしてほしいです。

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