残しておきたい、母の日のこと
2024年6月16日。ニッポンもフランスも父の日だというのに、とうに過ぎた母の日のことを書こうとしているまるで空気の読めない人がここに。
母の日といえば、毎年花とアルコールを送って遠隔お祝いをすることかれこれ約20年。当日一緒にいたことなんて、記憶に残っている限り、ない。
でも今年は、ちょうどトーキョーから戻る週末が母の日だということに気づいた。せっかく一緒に過ごせるのだから、何か特別なことをしたい。
そんな思惑を抱えながら銀座で遊んでいる時、銀座三越の地下でハートを撃ち抜かれたのがこのケーキ。アンテノールのカーネーションケーキである。何が入ってるかわかんないけど、完全にビジュで心を持って行かれてしまった。
土曜日の17時新宿発特急あずさに乗るためには、どんなに遅くとも16時半には京王デパート地下で購入する必要がある。と、わかっちゃいるけど、案の定ルミネで色々ひっかかり、大荷物を抱えながらさらに増えゆく荷物たち。腕がちぎれそうだ。
「いやーこれはどう考えても無謀だよなあ・・・」土曜日夕方の新宿を舐めすぎているチャレンジングな計画を半ば諦めつつ、それでも一応大混雑の新宿京王デパ地下まで行ってみる。が、実物を目の前にすると・・・うん、やっぱりかわいいねかわいいよ。買っちゃったよ。
お店の方に「3時間以上かかるんですけど」と正直に言ったら保冷バッグを勧められて、そこに大量に保冷剤を詰めてくれた。やさしいよね日本のケーキ屋さん。
よしあとは電車に乗るだけ!最短ルートで行こうと京王百貨店の地下出口の目の前にあるJR中央西口改札から入ってしまった私。
すっかり忘れていたんだよね、京王線とJRを改札内で結ぶ連絡通路、一度降りてまた上らないといけなくて、しかも階段しかないことを。どこもかしこも工事しているのにこの連絡通路は昔から変わらないのね・・・。
連絡通路の階段を目の前にしてしばし固まる私。詰んだ。
両手には、キャリーケースに重量級・巨大紙袋に、決して傾けてはならないケーキ。俺を実家に置いてきてよかった。これに犬バッグなんて腕が2本じゃ足りない。
そしてもっと厄介なのは、いつぶつかってくるともわからない人人人の波。
電車の時間もあるし、遠回りしなおす時間はない。さてどう降りるべきかと右往左往しながら悩んでいたら、後ろからさっと男性がキャリーバッグを持って降りてくれるではないか。言葉の感じとか雰囲気からしておそらく韓国人の青年。あなたは聖人ですか。泣いた。ありがとうと何度も頭を下げた。
こうして無事にあずさに乗れた私。あまりに疲れすぎてビールを飲む気力さえなく帰路につく。
私も困っている人には親切にしようとか色々思ったけど、まああれだ、新宿中央西口改札は大荷物のとき使っちゃダメ!というか、今回は送る時間も余裕もなかったから仕方ないけど、大荷物はクロネコで送りましょう。これは大きな学び。
そうそう、母の日のプレゼントは、このケーキのほか、銀座三越でこの一輪挿しも買った。気に入ったので私の分も合わせて。
飛行機移動があるので・・・というと、銀座三越の店員さんがそれはもう超丁寧に梱包してくださり、他の大量荷物をまとめるための巨大ショッピング袋なども気配ってくださる。嗚呼やはりデパートはいいな。なくならないでほしいな。。
フライング・母の日
さて、無事に松本到着後、さらにローカル線を乗りつがなくてはならないところ、この大荷物を見かねて仕事終わりの妹が車で迎えにきてくれた。ここにも聖人発見。
母の日前日だけれど、まあ時差みたいなもんだ。お祝いしちゃえ。
女性陣から湧き上がる歓声。カワイイ〜ってこういうもののためにあるのだと思うよ。
「この花びらは何でできてるんだろう?」と母が問えば、「はて??」。持ち運ぶのに夢中で、食べるまで何でできてるのかとかまったく気にしていなかった私なのであった。
母の日ごはん
母の日当日は、ホームでサッカーの試合(山雅)があった。トーキョー帰りで疲れていたし、私はワンとお留守番しながらにせこせこディナーの準備を。といっても買い物にいけなかったからありもので。
長谷川あかりさんのこのレシピ。フランスにはちくわが売ってないから(血迷って一度作ろうとしたけどさすがに無謀なのでやめた)、日本に帰ったときに作ろうと思っていた。
じゃがいもとちくわに水と酒とバターと塩を加えてただ煮るだけというシンプルレシピ。放っておくだけでいいからこれはいい。なんともいえないやみつき感。
あとはピザ生地があったので、バジルとトマトソースとモツァレラチーズのみの超絶シンプルマルゲリータ。
ピザときたらパスタも作っとこうね。
父作野菜&冷蔵庫の中身でなんとかしちゃろう。
なめことベーコンのおろしパスタ。万人受けするかはわからないけど、少なくとも家族内では大好評であった。みんな喜んでくれてうれしかったな。
頑丈梱包してくれた銀座三越の店員さんや、保冷剤を沢山入れてくれたケーキ屋さんの方。大荷物を運ぶのを手伝ってくれた韓国人青年や、迎えにきてくれた妹。いろんな人のやさしさのおかげで、家族の幸せなひとときを過ごすことができた。
いつまでも記憶に残しておきたい、そんな2024年の母の日のこと。