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最初の転院

脳梗塞を起こしてから3週間。
弟は心臓の手術のために都内の大学病院へ転院することになった。
最初に手術が必要なことは説明を受けていたけれど、当時入院していた病院も全科あるような地域の救急指定の総合病院で安心していたので転院が必要なのは驚きだった。
術後の経過はこの病院で診るが、人工心肺に切り替えるような先端な手術は出来ないとのことでした。

本当はもっと早く転院して心臓の人口弁の設置手術を受ける予定だったのですが、予定外の脳梗塞が起きて全ての予定が崩れていたのです。

心臓弁が十分に働かず、心臓の中の血液の逆流がおきていて肺にも影響が出始めているので早く転院して手術をしたい。
でも決まった期間、感染を抑える点滴を受けて感染が治っていないと手術は出来ない。
手術を受けたら、一時的に今のリハビリは継続が出来なくなるので、リハビリの効果は低下する。
脳の中に梗塞の時のようにゴミなのか、瘤なのかがあるので手術中に出血する可能性がある。
などなど…
いろいろなリスクが影響しあって前に進めない、これ以上遅れたら心臓にも麻痺になった体の回復にも影響がでる。
そのギリギリな時期に来ているという。

弟はまた環境が変わって嫌なことが起きるんじゃないかと不安になって手術も受けたくないとか言いだすし…

私も「もー勝手にせい!」と放り出したい心境だけど、先生方が考えに考えて、今しかないというタイミングでの転院の説明。
弟も手術を受けなければ命に影響することも転院しなくてはいけないこともわかっているけど、この一ヶ月に次々起こったことを思うと踏み出せない心の葛藤。

話し合いが続きます、やっと転院日が決まっても、その後も毎日毎日いろいろなことが起きて、検査結果や別の科の先生のご意見で延期になったり、やっと心の整理をつけた弟はまた落ち込み、荒れる。
都度、私も弟や母と話をして説得するけれど私の疲労も睡眠不足もピークで耳鳴りや眩暈が発生し始めて、自分の生活の影響も頑張りも限界の時期だった。

介護は短距離でなく長距離走。
途中で棄権は出来ないし、いろんなトラップもある障害物走なのだから、協力して伴走しないと共倒れになってしまう。
まずは転院して手術。
無理せず目の前のことを一つずつ解決して体力は少し残しておかないと、と言い聞かせる毎日でした。

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