見出し画像

感情の整理

転院2日目
朝からご立腹だった弟の病院に行くと更にヒートアップしていました。

早速にリハビリ病院への転院についての話があったようで、それは既定路線ですし、誰もが1日も早く回復期のリハビリ病院へ弟を移し、本格的なリハビリを受けさせたいと思って動いてくれていたことなのですが、弟は大学病院でもリハビリのために元の病院へ戻ると説明を受けていたので、入院2日目の朝から転院話でまだこの病院でリハビリの状態も見てもらってないのに、何故転院の話なの?
自分はリハビリ病院へ転院するなんてひと言も言ってない。
最初から追い出すことしか考えてないのか、と怒っているのです。

こう書いていると弟がわがままで、自己本位なわからずやと思われると思うのですが、脳梗塞になってからの弟は感情の制御が思うように出来ず、広く物事を受け止めて判断するということが出来なくなっていたように思います。

家族でも驚くぐらい常にイライラしていて、思うように行かないことが重なると怒りの感情に向いてしまって不満を募らせていきます。
弟の気持ちを聞き、勘違いしていることを説明し、弟の思考を整理することを手伝ってあげると、怒りは収まり本来の弟に戻ってくれるのですが、それは先生や看護師さんに望むべくもなく、弟もスタッフの方々に怒りをぶつけてはいけないという気持ちもあったり、自分の気持ちの整理がつかないために意思表示が中途半端なまま終わってしまったり、実際会話の途中で疲れてしまって伝えられないことも多かったのです。
家族が通訳のように謝ったり、希望を伝えたりもするのですが、その事がスタッフ間でうまく伝わってなかったりしては、弟が不信感を募ろせるという悪循環がこの後も続きました。

1日も早く家に帰りたい。
そのためにはリハビリ病院での入院が必要なわけですが、この時の弟にはそれは檻に閉じ込められるような、家に帰れなくなる障害にしか思えなかったのです。
リハビリ病院に行った方が良いのは分かるし、そういう制度なのもわかってる。でも少しでいいから1度家に帰って何が出来ないか考えたい。
病院にいたら自分がどんどんおかしくなる、病院にいたら悪くなるばかりで前向きなことが考えられないと繰り返すのです。

主治医には転院のことは家族が説得するので、まずは今の入院生活を落ち着いて過ごせるよう時間が欲しい。
家族で転院先探しや帰宅後のための手続き等は進めるので弟に対して転院の話は少し待って欲しいと伝え、この日は帰宅しました。
前途多難…。
この後も弟の脳の通訳は毎日続いていくのです。

いいなと思ったら応援しよう!