【ドラマ感想文】「架空OL日記」を見て
他愛のない話は、日常を面白くしてくれる。
バカリズム脚本の「架空OL日記」は、銀行に勤めるOL達の日常をドラマ化したものだ。「働く女性たち」のいわゆる「あるある」が描かれている。
あらすじ
主人公の「私」は、銀行で働く24歳。どこにでもいるOL。
同期のまきちゃんは、「私」と価値観が似ており、会話も弾む。
「私」の先輩の小峰様は、頼れる姉後肌。もう一人の先輩の酒木さんは、職場のルールを取り仕切るしっかり者。
後輩のさえちゃんは、思いついたまま発言し、場の雰囲気をいつも乱す。「私」とまきちゃんにいつも注意される。
主にこの5人を中心としてドラマは進んでいく。
バカリズム自身が、主人公「私」役で出演しているのもとても印象的だった。「私」はジェラートピケ風のもこもこ(女子の部屋着と言えば)を着て、目覚めるところから物語はスタートする。
バカリズムは、「私」の心の声のナレーターとしても出演している。
職場での会話が苦手?
ドラマを見た後、私自身の社会人生活と無意識に比較していて気づいたことがある。
実は、私はあまり職場の人との会話が得意ではない。
仕事以外のプライベートな話は基本しないようにしている。
職場の人から仕事以外のことを話しかけられても「そうですね」とか「そうなんですね」と聞き流すようにして、それ以上会話をしないようにしている。
いつ誰がどのように解釈し、広まっているのかわからず、変な方向に行った場合を考えると怖いからだ。
受け流し続けて、ついに誰からも話しかけられなくなり、よかったと思いたかったのだが、なんだか虚しかった。
ふと雑談をしている職員を見て羨ましい、と思った。
相手の話に興味を持たないように、必要以上にシャットアウトしてしまった結果、なんとなく仕事の話もしに行きにくくなり、自分で自分の居場所を狭くしてしまっていたようだ。
そんな時、架空OL日記に出会い、会話の面白さに気付いた。
OL5人のロッカールームでのやりとり(主に上司の悪口しか言ってない)や、退勤後のお茶会での雑談は、それぞれが職場で思ったことや聞いてほしいことをダラダラと話し、最後は「まあまあそんなこともあるよね」と丸く収めている。
しかし、笑顔の裏に潜む本音(バカリズムの話し方もまた良い)には、笑ってしまうくらい共感してしまった。
人間そんなもんだよね、と会話へのハードルが下がった気がした。
日常会話の中に潜む「きっかけ」
会話へのハードルが下がったことにより、以前より職場の人とも少しずつ会話をするように心がけている。おかげで少し人間関係が気楽になった気がする(あくまで気がするだけ)。
職場の人たちと会話をしていると、全く話題が違うのに、自然と会話が続いていることがよくある。
誰かが発した一言がきっかけとなり、何か別の話題が思い出されることも少なくない。
別にその話をしようとしていたわけではないはずなのに、不思議だ。
私自身も、ふとした時に、「あ、これ聞いてみよう」と思い、勇気を出して聞いてみると、何となく会話が続いたことがある(逆に「…それで何か?」と返事が来た時はびっくりしたが…。そういうこともある)。
結論、会話の内容はつまりなんでも良いということだろう。
大事なのは思いついたまま、とりあえず話してみるということなのだろう。もちろん、相手への配慮や話し方には思いやりをもって。
架空OL日記は、人間とのやりとりの面白さが存分に描かれている。
また見たいと思った。
Thank you !