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僧侶が自分を見つめたら少し見えてきたものがあった

さまざまなところで言っていますが、私は仏教や僧侶が嫌いでした。
宗教に興味を持ったのは中学生の時ですが、当時大好きだった音楽の影響で、アンチキリストという北欧のごく一部の熱心な信者が居るような、なんとも聞きなれない宗教でした。
それが今や実家とはいえお寺で生活し、積極的にお勤めをする様になりました。
今回はそんなお寺に産まれたけど、真っすぐに仏教やお寺に関わってこなかった、ちょっと珍しい坊主の経験と思いを書いてみました。
この記事を読むと、坊主も単なる一人の人間なんだと分かってもらえると思います。

宗教嫌いが仏教徒、布教師になった

日本一周中の思い出の一コマ

私は2017年まで一般企業に勤めていましたが、辞めてオートバイで日本一周しました。
188日間、38,800kmを走り無事に帰りました。
帰宅から一ヶ月後にはお寺から離れるべく長野県佐久市へ移住。初の一人暮らしを始めたんです。
長野で就職もしたし、「このまま長野に骨を埋めるかなぁ~」と思っていました。
ですが、2019年の夏頃から無性に実家のお寺が気になりだしました。
9月には居ても立ってもいられず、当時結婚を考えていた女性を置いて愛知県の実家へ帰宅。
以後、僧侶として活動しています。
私が仏教徒になったのは、「仏陀の教えが素晴らしい!」や「仏教に救われたぁ~」では無いんですね。
「まぁ実家の事が気になって帰ってきたわけやし、なんかお寺のことするかぁ・・・」ととても消極的に活動を始めてみました。

僧侶として活動して見えてきたお寺嫌い、僧侶嫌いの理由

お説法中の私

私が産まれたお寺は規模が小さいのです。
僧侶として活動する為にまずは「布教師会」へ通いました。
「布教師会」とは、宗派を広める為に宗派について学ぶ勉強の場です。
宗派の歴史や、過去の偉い人たちが残したお歌や詩の意味や解釈について学びます。
そこには10人程度の僧侶が集まります。
自分のお寺にいたら会わなかった僧侶たちと会い、勉強していく中で
「あぁ~だから幼い頃から僧侶が嫌いだったのか」
と思うような事が何度かありました。
今回は私が僧侶嫌いになった習慣をまとめてみようと思います。

1.年功序列?僧歴序列?

私は一般企業勤めが5年ほど経験があるんです。
対して僧侶としての経験は、4年目です。(2023年1月現在)
まだ一般企業勤めの方が長い経験なんですね。
お寺や僧侶って、一般企業経験が長い私から見てもとても異常な世界に感じます。
典型的な縦社会で、実年齢を重視するのか僧歴(僧侶としての経験日数)を重視するのかは、相手にとって都合の良いときは実年齢になるし、また僧歴にもなるのである。
例えば自衛隊であれば、階級がある程度上にいくまでは年齢は完全に無視され入隊した順番が大事なっています。
僧侶になると、時には年齢になり、時には僧歴になりと、自衛隊のように定まっていません。

2.自分の職業の呼び方

自分の職業に敬称を付けて呼ぶ人が本当に多いです。
僧侶が自分の職業を言う時に、
「私はお寺さん(お坊さん)です」
と言っているのを聞いたことはないですか?
自分の職業に「さん」付けをするのは僧侶ぐらいだと思います。
たとえば、学校の先生が同じように自分の職業を言う時は
「私は先生です。」
と言いますよね。
「私は先生さんです。」
なんて言いませんよね。
多くの僧侶が不思議と自分の職業に「さん」を付けるんです。
不思議ですよね。

3.なぜか上の立場にみられる

皆さん、僧侶ってそんなに偉くないですよ。
恐らく修行をしてきたからでしょうが、とても敬って見てくださることが多いです。
ですが、皆さんと同じ人間ですし、もっと言ってしまえば皆さんよりも怠惰な人生を送っていると思います。
僧侶というだけで上の立場に見てくださるので、さまざまな場面で手出しさせてもらえませんし、ご家庭によっては優遇してくれるのです。
ありがたいことですが、それによって学べないこと、経験できないこともとても多くあります。
ちなみに私は現在33歳です。
60代70代の方々からも敬ったような態度を取られたり、
マナー的なこともしっかり知っているでしょ。
という態度を取られてしまうこともあります。
何も知らない若輩の僧侶ですからね!

まとめ

いろいろと愚痴な様な事もこといてしまいました。
しかし、僧侶も一人の人間です。
きっと皆さんの近くにいる僧侶もさまざまな経験をし、いろいろな思いをもってお寺を経営していると思います。
皆さんが普段関わっている僧侶も、きっといろいろ経験をした一人の人間です。
僧侶だからと、住職だからと、上に挙げる必要は無く、小さいことにも悩んでいる一人の人間としてとして接してみてください。
きっと良い関係が築けると思います。


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