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好きなアニメーション映画監督 りんたろう

好きなアニメーション映画監督。たくさんいるが、ひとりあげるとしたら、

りんたろう監督。

劇場長編「銀河鉄道999」(1979)、「さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅」(1981)、「幻魔大戦」(1983)、「火の鳥 鳳凰編」(1986)など。

とにかく長編作品が多い。それを設定変更、尺カット、焦点を絞り、原作の魅力を損なわない作品に仕立て上げるのは、りんたろう監督の手腕といってもいいだろう。

「銀河鉄道999」

この作品では、ハーロックやエメラルダス、トチローなどが登場し、松本零二の世界を存分に楽しめる。

”機械の身体になれば永遠に生きられる” 夢を持つ少年・星野哲郎と、謎多き美女・メーテルとの銀河鉄道999の旅。旅路で出会う人々によって、鉄郎の心が変化し成長していく。

主人公・星野鉄郎の年齢変更は、長い旅の間に”母から女性へ”と、メーテルに対する想いの変化を、”ひとりの女性”として意識するようにしている。

原作のクレアは旅の間に鉄郎を助けるため自らを犠牲にする。作品では最後まで鉄郎を見守り、やはり命を落としてしまうのだが、そのシーンがクレアの存在をより鮮明に、純粋な愛の心を表現している。

アンタレス。カッコイイ親父。大盗賊でたくさんの子供たちを養っている。作品では鉄郎を助ける重要な役割を果たしている。

シャドーとリューズ(レリューズ)。機械化された身体を持つ悲しい女性たち。

作品内ではハーロックとトチロー、トチローとエメラルダスの関係も描かれている。原作でのエメラルダスは床に伏していたが、ここでは漫画『クイーン・エメラルダス』として登場しており、彼女の旅路にもふれられる。

主題歌:ゴダイゴ「銀河鉄道999(THE GALAXY EXPRESS 999)」、「TAKING OFF」
挿入歌:かおりくみこ「やさしくしないで」。「想いで涙色」、「レリューズのテーマ(インストゥルメンタル)」もあわせて聴いてみてほしい。

余談になるが、星野鉄郎を演じられている野沢雅子さんが、新しいマイク(高性能)にして、”かなり音をひろうのでマイクから離れて”という指示のもと、アフレコに挑んだところ、マイクが故障したそう。そのくらいよく通る声の持ち主。

「親父、ミルクを一杯」

「さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅」

「銀河鉄道999」の続編。地球では未だに機械人による人間狩りが続き、人間たちはそれに対抗し、戦いが激しさを増していた。謎のメッセージをもとに鉄郎は999に乗車し旅立つ。機械帝国との戦いに決着をつけるまでを描かれている。ここでは、主要人物の秘密が明らかになる。

前作の声優が別役で演じており、その点でも興味がわく。

名もなき親父が鉄郎の旅立ちを見送る。親父の台詞がカッコイイ。いいぞ親父!

クレアの後任ウエイトレス・機械の身体を持つメタルメナ。原作にしか登場していないが、ここでは大きな役割を果たしている。

パルチザンのミャウダー。原作では食事をとっている宿泊客に戦う姿を見せる、という役で鉄郎に怒りをぶつけるシーンがあるが、ここでは鉄郎の成長と自立をうながす重要人物である。

主題歌:メアリー・マッグレガー 「SAYONARA」(作詞・作曲・歌)。エンディングに流れ、涙を誘う。「LOVE LIGHT」は未使用。

松本零二作品の多くは、女性が人身御供のように扱われているようで、ううむと考えてしまうが、それが松本零二の世界なのだろう。

画面比率でカットされてる部分が多いので、どうしようかと考えたが、アニメーション映画としては素晴らしい作品なのであげておこう。CDとともに。

「幻魔大戦」

宇宙意識体・フロイの導きによって超能力に目覚めたルナ(ルーナ)が、かつて幻魔に敗北した異星サイボーグ戦士・ベガと共に、世界中の超能力者を集めて、幻魔を倒すまでを描いた物語。

漫画家の大友克洋がキャラクターデザインを務め、美術に男鹿和雄・窪田忠雄といった日本を代表する方々が集い、それだけでもすごい作品といえる。

声優も古谷徹、小山茉美、江守徹、池田昌子、潘恵子、美輪明宏、佐藤正治…知らない人はまずいないと思う豪華キャスト。原田知世も出演。

東丈がルナとベガにより強力な超能力に目覚め、その力に酔いしれていたが、ある出来事を境に成長し、仲間たちの協力もあって、より強大な能力を持つようになる。ここではルナ視点、東丈視点、ニューヨークに住む黒人少年・ソニー・リンクス視点で物語が進められる。

最終決戦、幻魔との戦いは、仲間たちの総力を合わせた戦いで、迫力満点である。サウンドも素晴らしい。終結後、ラストシーンは涙せずにはいられない。名作である。

主題歌:ローズマリー・バトラー「光の天使(CHILDREN OF THE LIGHT)」

原作は石ノ森章太郎。思春期のモヤモヤが全部詰まった作品といわれているが、打ち切り終了にモヤモヤする。映画でモヤモヤが晴れた。



「火の鳥 鳳凰編」

原作は手塚治虫「火の鳥」。輪廻転生や因果応報などを描いた手塚治虫のライフワーク作品。

この作品では、我王と茜丸の因縁の対決に焦点を絞っており、大長編の魅力を損なわず的を得た作品といえる。

多くは語らない。とにかく一度観ればこの作品の素晴らしさがわかる。

主題歌:渡辺典子「火の鳥」。物語にとても合っている、涙が出る。

声優:池田昌子

気がつくと、これらの作品全てに池田昌子さんがキャスト出演している。母性、聖なる存在、神秘さ、それらを兼ね備えた声優なのだろう。以前行った「ラファエロ展」の解説も池田昌子さん。イメージに合いすぎて、喜びで狂い悶えたことがある。

200618 YUHUA O.

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