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【しごとのはなし】妄想癖の活かしかた
※2018年12月に書いていたもの。この数か月後に新人のOJTをやることになるだなんてこの時は思ってなかった。笑
この下半期、新人や若手のひとたちに社内研修をやることが何度かあり、自分の思考を振り返る機会があって、改めて「わたしが大事にしてることってそういうことなのか~」「わたしが比較的トクイなのはこういう部分か~」という気づきがあったので残しておく。(何年後かに見て新たな気づきがあるかもしれないし。)
いまの仕事は職種でいうと「編集」に近いのだけど、新人から4年目までは「マーケティング」に近い部署で働いていた。(そして残業時間が毎月3桁超えの日々を送っていたら病んで倒れたw)
たまたまnoteサーフィンしていて見つけた芳野真弥さん のnoteで、わたしが新人のころに叩き込まれて、今でもとても大事にしていることが書いてあった。
ターゲットというのは、プロフィールのことではありません。性別、年齢、地域などで区切っても、それはターゲティングには全くなっていないということです。
では、ターゲットとは何か。それは誰かの脳内です。
例えば、
「20代の女性社会人向けに、新しいシャンプーを作ろう!」
と思っても商品開発はできません。せいぜい「女性だからピンクがいいんじゃね?」といった、思いつきのアイデアが出てくるだけです。
しかし、
「20代の女性社会人って、毎日仕事に必死で、もう”若いから”では許されなくなってきていることを自覚しはじめていて、仕事ができるようにならなきゃ!と毎日必死なんだよな。夜帰るのも遅い。毎日21時くらいに退社してるみたい。体力的には毎日ギリギリ。しかもそろそろ結婚も意識している。全体的に人生に焦っているんじゃないかな。そんな中、ヘトヘトになって帰宅するんだよな。夜ごはんはコンビニ弁当かもしれない。そんな忙しい生活で平日に料理するなんて絶対に無理だもんな。本当はそのままベッドに倒れて寝たいけど、さすがに化粧は落とさないといけないし、お風呂に入らないと美容に悪い。明日の朝も早いし。とか思ってるんだろうな。……そんな中で、どんなシャンプーだったら喜んで使おうという気になるかな?」
今はこんなに緻密なターゲット設定をすることはないし、あまりそこに時間をかけすぎるとリリースまでのスピードが落ちて今の時代にそぐわない気もしているけれど、仕事の進め方や思考フレームはだいぶマーケ時代の影響を受けているんだなあと思った。やっぱ新人時代にたたきこまれたことって型になるよね。
「誰にでも言えることなんてコピーじゃない」「季節が変わっても使える言葉なんて意味ない」と繰り返し言われていたとき、個人的にいけそうかどうかは「この商品を届けたい人が”実際にいるかどうか”」で判断していた。(当時はTwitterがなかったのでブログや発言小町をめちゃくちゃ見ていた。)
当時やっていたことはざっくり以下。
1)雑誌やブログや人がたくさん集まるところでの人間観察などをもとに人格を設定する。
名前もつけると愛着がわくのでなおよい。ここは自分の脳内の想像ではなく、絶対に自分の外から情報をもってくる、というのが当時こだわっていたポイントだった。
2)その人(Aさんとする)になりきって過ごしてみる。
1週間くらい日記を書いたり、「Aさんだったら今日の献立何にするだろう?」と考えたり、とにかくAさんの思考回路、行動習慣を自分にたたきこむ。
3)いったん休む。
企画でもそうだけど、ある程度やったらいったん忘れることがわたしにとっては大事らしい。
4)ほどほどに休んだら、Aさんにこの商品をすすめるとしたらどう言うかを手紙ぽく書く。
とりあえず思ったことを全部書く。めっちゃ長文になることもあるし、ワード半分くらいでおさまることもある。わたしは文章を書くのがそんなに苦にならないタイプなので、とにかく気が済むまで書きまくってそのあと削るほうが性に合っていた。体裁を整えるのがめんどくさくて、手紙の状態+図解で企画書を出したこともあるな…(当時の上司がおもしろがってそのまま通してくれた。)
これを自分なりに納得するまでやると、上司から「このデザインで大丈夫?」とか言われた時も「いや、Aさんはとにかくどれだけお得かが気になる人なんで、一括払いでどのくらいお得かを赤字で入れないとダメなんですよ!」と自分なりの根拠をもって反論ができる。
この自分なりの根拠をもって、というところがめちゃくちゃ大事。ぶっちゃけ100%正しい答えなんてないから、結果が思ったものじゃなかったら自分の根拠の何がどこでずれてるのかをその時確かめるしかない。
こうやって製作した全てで結果が出たわけではないけれど、製作をとにかくこなす時期にこの思考を何回かまわせたことは良かったと思うし、SNSを見まくる癖も妄想癖もこれをやるには相当プラスに働いてくれた。笑
「物語をつくる」というのが比較的好きだし向いているのかも、と思ったのもこの数年があったからだし、職種が変わってもそれはちゃんと武器になるんだと感じたのはここからさらに数年がたってからだけど、今は「どういう文脈にするか」「どう伝えるか」を考えるのが仕事の大部分だから、きっと今の仕事にもいきているんだと思う。
(今はあまりゼロから人間観察することはなくなったけれど、アニメやドラマのキャラで「〇〇みたいな人」と設定している。でもドラマを見る習慣がないので最近のドラマについていけず…Amazonプライムには本当にお世話になっている…)